日本語表現法

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 日本語表現法
科目番号 0011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:焼山廣志・髙槻侑吾共編『日本語コミュニケーション講義録・演習レポート集 2024年〔改訂版〕』(有明工業高等専門学校、2024年4月)
その他:授業担当教員が作成したプリント教材
担当教員 髙槻 侑吾

到達目標

 
①日常生活で用いる会話や文章の基本的な表現技術を習得し、実践することができる。
②アカデミック・ライティングの技法を習得し、実際に文章を作成することができる。
③主張の裏づけとなる根拠や論拠を用いて自分の考えを論理的に述べることができる。
④プレゼンテーションの技法を習得し、実際にプレゼンテーションすることができる。
 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目①日常生活で用いる会話や文章の基本的な表現技術を習得し、実践することができる。日常生活で用いる会話や文章の基本的な表現技術を習得することができる。日常生活で用いる会話や文章の基本的な表現技術を習得することができていない。
評価項目②アカデミック・ライティングの技法を理解し、その技法を用いて的確に文章を書くことができる。アカデミックライティングの技法を理解し、その技法を用いて文章を書くことができる。アカデミックライティングの技法を理解し、その技法を用いて文章を書くことができない。
評価項目③主張の裏づけとなる根拠(資料やデータ)を用いて、自分の考えを論理的に述べることができる。主張の裏づけとなる根拠(資料やデータ)を用いて、自分の考えを述べることができる。主張の裏づけとなる根拠(資料やデータ)を用いて、自分の考えを述べることができない。
評価項目④自分の考えを効果的に伝えるプレゼンテーションの技法を理解し、正しく実践することができる。自分の考えを効果的に述べるプレゼンテーションの技法を理解し、実践することができる。自分の考えを効果的に述べるプレゼンテーションの技法を理解し、実践することができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 2 説明 閉じる
JABEE f 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 
 本授業では、本科5年間で学んだ知識や身につけた能力を基盤に、卒業研究論文よりもさらに高度な特別研究論文を執筆するうえで必要となる論理的な思考力・表現力や、技術者・社会人に求められる実践的な日本語運用能力を身につけることを目的とする。そのため、受講者による授業への主体的な参加や課題に対する真摯な取り組みが不可欠である。このことを十分に理解したうえで受講してほしい。
 
授業の進め方・方法:
 
【授業の進め方】
 90分授業を週1回実施し、半期(後期)で完結する。なお、シラバスに記載されている授業計画は、実際の進度や受講者の興味・関心、理解度等を踏まえて、事前に周知を行ったうえで変更する場合がある。

【授業内容・方法】
 授業は指定の教科書を使用し、教員主体の講義と受講者主体の演習を組み合わせる形で行う。適宜、受講者と教員との質疑応答や受講者間での意見交換(課題の相互評価・相互文章診断など)の機会を設けることで、講義内容に対する理解を深めるとともに、受講者が自立した書き手として自分の文章を客観視(自己診断)できるようにする。なお、受講生が演習で作成した課題(下書き)は教員が文章診断を行い、翌週以降の授業で返却・フィードバックする。受講者は教員のコメントを踏まえて書き直し(清書)する。このような、「講義→演習(課題の下書き)→演習(課題の清書)」のサイクルを繰り返すことで内容や表現に磨きをかけ、完成度の高い文章を目指す。また、適宜プレゼンテーションを実施し、〈書くこと〉を通して身につけた日本語運用能力を〈話すこと〉にも応用する。
 
〔事前・事後学習について〕
 本授業は学修単位科目のため、事前・事後学習(下記参照)が必要である。
 ・授業の予習と復習(各週1時間、計14時間)
 ・課題の下書きと清書(各週1時間、計14時間)
 ・プレゼンテーションの準備(発表原稿とスライドの作成)(10時間)
 ・レポート執筆に向けた準備(文献・資料調査など)(10~15時間)
 ・レポート執筆(15~20時間)
 
注意点:
 
【成績評価方法】
①期末レポート:30%
②課題:60%
③プレゼンテーション:10%
(①~③の合計:100%)
上記の割合で算出し、総合評価で60点以上を合格とする。

【準備物】
・筆記用具
・教科書
・国語辞典(電子辞書も可)
・A4判クリアファイル2枚(1枚は配付資料を保管するため。もう1枚は返却された課題を保管するため)
・その他(パソコン、タブレット端末、スマートフォンの持参を指示する場合がある)

【受講上の注意点・アドバイス】
①配付されたプリント類を整理し、返却された課題は紛失しないように保管すること。
②予習・復習(授業時に具体的に指示する)・課題提出(締切厳守)を必ず行うこと。
③疑問は放置せず、辞書や情報機器で調べたり、教員に質問したりして解決すること。
④授業内容に関連する参考文献を紹介するので、興味・関心を持って触れてみること。
⑤国語や他の科目で学んだ知識や身につけた能力を積極的に活用しようと努めること。
⑥日本漢字能力検定、日本語検定、文章読解・作成能力検定に積極的に挑戦すること。

【参考文献】
・木下是雄『理科系の作文技術』(中央公論新社、1981年9月)
・河野哲也『レポート・論文の書き方入門』(慶応義塾大学出版会、2018年7月)※第4版が最新
・戸田山和久『最新版 論文の教室―レポートから卒論まで―』(NHK出版、2022年1月)
上記以外の参考文献については、授業内で適宜紹介する。

【授業担当教員とのコミュニケーション方法】
Teamsチャット、学内メール、直接対話(授業時、オフィスアワー)
 

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
【話すこと】
〔第1単元〕自分の研究内容を分かりやすく伝える
半期の学びの見通しを持ち、学習目標・計画を立てることができる。
自分の考えを効果的に伝えるプレゼンテーションの技法を正しく理解し、実践することができる。
2週 【書くこと】
〔第一単元〕日本語表現の基礎知識(1)
01.日本語の文字体系の理論/02.「話し言葉」と「書き言葉」
日本語の文字体系の理論を理解することができる。
「話し言葉」と「書き言葉」の違いを理解し、実際に正しい「書き言葉」を用いることができる。
3週 【書くこと】
〔第2単元〕就職対策実践講座
03.履歴書の書き方/付.封筒の書き方
履歴書の書き方を理解し、実際に作成することができる。
4週 【書くこと】
〔第2単元〕就職対策実践講座
04.エントリーシートの書き方
エントリーシートの書き方を理解し、実際に作成することができる。
5週 【書くこと】
〔第2単元〕就職対策実践講座
05.自己推薦書の書き方
自己推薦書の書き方を理解し、実際に作成することができる。
6週 【書くこと】
〔第3単元〕文章表現力養成講座(1)
06.はがきの書き方
〔第4単元〕日本語表現の基礎知識(2)
07.敬語の使い方
はがき(往復はがき、暑中見舞い、寒中見舞い)の書き方を理解し、実際に作成することができる。
敬語の種類と使い方を理解することができる。
7週 【書くこと】
〔第4単元〕日本語表現の基礎知識(2)
07.敬語の使い方
場面に応じた適切な敬語を用いることができる。
8週 【書くこと】
〔第4単元〕日本語表現の基礎知識(2)
07.敬語の使い方
〔第5単元〕文章表現力養成講座(2)
08.手紙文の書き方
場面に応じた適切な敬語を用いることができる。
手紙文の書き方を理解し、実際に作成することができる。
4thQ
9週 【書くこと】
〔第5単元〕文章表現力養成講座(2)
08.手紙文の書き方
手紙文の書き方を理解し、実際に作成することができる。
10週 【書くこと】
〔第5単元〕文章表現力養成講座(2)
08.手紙文の書き方
手紙文の書き方を理解し、実際に作成することができる。
11週 【書くこと】
〔第6単元〕アカデミック・ライティングの技法
―順序立てて説明する―
パラグラフ・ライティングについて理解することができる。
パラグラフ・ライティングにより、物事を順序立てて説明することができる。
12週 【書くこと】
〔第6単元〕アカデミック・ライティングの技法
―主張を理由と根拠で支える―
パラグラフ・ライティングにより、主張を理由と根拠で支える文章を書くことができる。
13週 【書くこと】
〔第6単元〕アカデミック・ライティングの技法
―引用の方法、注・参考文献の書き方―
アカデミック・ライティングにおけるデータの扱い方、引用の方法、注・参考文献の書き方を正しく理解し、実際の文章作成で実践することができる。
14週 【話すこと】
〔第2単元〕自分が薦める「最高の一冊」を紹介する
自分の考えを効果的に伝えるプレゼンテーションの技法を正しく理解し、実践することができる。
15週 期末レポート作成・提出 アカデミック・ライティングの技法を用いてレポートを作成し、提出することができる。
16週 期末レポートのフィードバック
授業全体のまとめと振り返り
返却された診断済みレポートを自分で修正することができる。
半期の学びを振り返り、自分の目標到達度と今後の課題を把握することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。4後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

期末レポート課題プレゼンテーション合計
総合評価割合306010100
基礎的能力306010100