生体情報工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 生体情報工学
科目番号 0012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 西井 淳

到達目標

生体は高度な情報処理能力を持ち、様々な感覚器により得られた入力信号を巧妙に処理し,認識・判断を行って状況に応じた運動を実現しています。本講義では,生体のような知的情報処理の実現を目指した人工知能やニューラルネットワークモデル,生体のような柔軟な動作の実現を目指すロボット工学関連のトピック,遺伝・進化に関する計算論的研究を概説します。また,関連する数理モデルをいくつかの工学的課題に応用する方法を,小テストや自宅学習課題を通して学びます。以上により,生体の適応的学習能力に関連する数理モデルを工学的課題に適用するために必要になる着眼点や技術を習得し,実際に応用できるようになることを到達目標とします。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目生物の情報処理メカニズムを理解するとともに、その数理モデルの意味を説明することができる。さらに数理モデルを工学的課題に適用し,目的に応じて改善することができる。生物の情報処理メカニズムを理解するとともに、その数理モデルの意味を説明することができる。さらに数理モデルを工学的課題に適用することができる。生物の情報処理メカニズムや、その数理モデルの理解が不十分である。また,数理モデルを工学的課題に適用することができない

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間やその他の生物の脳・生体機能を解明し、それを工学的分野に応用することは現在の科学技術にとって大きな課題の一つである。また、脳における情報処理メカニズムの解明は、より柔軟な処理能力をもつコンピュータや人にやさしい装置を設計する上でも重要である。講義では、人間の生体情報・脳情報処理機能の概要とそれらを応用した工学的情報処理モデルについて、適宜演習も取り入れながら解説する。
授業の進め方・方法:
<講義の方針>主に講義形式とするが,理解を深めるために、適宜演習を行う。演習については、小テストおよび機械学習のプログラム作成を行う。
<自学・自習の方針>この科目は学修単位科目のため、講義内容を予習・復習し、理解を深める必要がある。予習・復習・毎回のレポート作成の時間の目安は2時間程度である(合計30時間)。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション,生体情報論の歴史
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
オリエンテーション
生体情報論の研究の歴史
脳型情報処理研究の歴史
について理解する。
2週 脳の学習モデルと学習理論
教師なし学習
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
いろいろな学習理論
山登り法
について理解する。
3週 強化学習その1
演習準備
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
強化学習の基本用語
プログラミング環境構築
openAIgym
について理解する。
4週 強化学習その1
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
強化学習の基本用語
greedy法, ε-greedy法, softmax法
について理解する。
Q-learning
5週 強化学習その2
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
Q-learning, SARSA学習法
について理解する。
6週 小テストと演習
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
強化学習についての小テスト
演習
7週 強化学習その3
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
Actor-Critic法
について理解する。
8週 神経回路網モデルその1
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
形式ニューロン
パーセプトロン
について理解する。
2ndQ
9週 小テストと演習
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
強化学習についての小テスト
演習
10週 神経回路網モデルその2
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
確率的勾配降下法
バックプロパゲーション
について理解する。
11週 神経回路網モデルその3
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
ディープラーニング
について理解する。
12週 小テストと演習
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
神経回路網モデルについての小テスト
演習
13週 認識・感情・知能
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
認識,感情,知能といった脳の働き
について理解する。
14週 遺伝的アルゴリズムと人工生命
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
遺伝的アルゴリズムと応用事例
遺伝的アルゴリズムと人工知能
について理解する。
15週 小テストと演習
【事前事後学習の内容(2時間)】予習・復習・レポート作成
全体のまとめの小テスト
演習
16週 レビュー
【事前事後学習の内容(2時間)】復習
本講義全体をまとめる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表・レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力50050
実践的能力05050