概要:
技術者が直面する様々な問題を考察し、問題解決のための方法を考えていく。また、技術者に求められている規範・責務が、どうして必要とされるのかも理解できることを目指す。
授業の進め方・方法:
授業は事例の考察と、それらの事例に対する倫理学的な解説に分かれる。事例の考察のときには受講者に積極的な意見を求める。
また、事例について教科書による予めの予習を要求する。その内容を確実に身につけるため、復習が必要である。
この科目は学修単位科目のため,以下のような自学自修を必要とする,
事後学習として教科書の該当ページを予習復習する.毎回1時間(計14時間)
グループ課題の時間(6時間)
レポートの作成(計40時間)
レポートのための作成方法の学習時間 (2時間)
文献調査時間(20時間)
執筆時間(10時間)
執筆修正(8時間)
この授業では,技術者の倫理に関わる事柄を自分で調査し,レポートを作成することも重視する.
そのため,授業外にレポートに必要な文献調査や執筆に多くの時間をかけて,質の高いレポートを作成することを期待している.
○副読本について
予習復習およびレポート作成に利用できる副読本として,以下を挙げる.以下の授業計画において教科書に基づく予習復習の指示をしているが,以下の副読本を併用すると,より優れた理解を得られるだろう.
【技術者倫理】
黒田光太郎他(編著). 2012. 『誇り高い技術者になろう』第二版. 名古屋大学出版会
中村収三他(編著). 2013『技術者による実践的工学倫理』第三版. 化学同人.
【倫理学一般】
マイケル・サンデル. 2011. 『これからの「正義」の話をしよう』. 鬼澤忍訳. ハヤカワ・ノンフィクション文庫. 早川書房.
加藤尚武. 1997. 『現代倫理学入門』. 講談社学術文庫. 講談社.
伊勢田哲治, 2008.『動物からの倫理学入門』, 名古屋大学出版会.
児玉聡, 2012, 『功利主義入門』, 筑摩書房(ちくま新書)
◎レポートの書き方関係
戸田山和久. 2012. 『新版 論文の教室: レポートから卒論まで』. NHKブックス. 日本出版放送協会.
山口裕之. 2013. 『コピペと言われないレポートの書き方教室』. 新曜社.
注意点:
【関連科目】 倫理、哲学、技術者倫理(本科)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
技術者の倫理の概要 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書190ページ以下 |
授業の進め方と、技術者の倫理の必要性と概要
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2週 |
倫理の基礎 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書190ページ以下および配布プリント. |
倫理学の基礎概念を確認する
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3週 |
技術者の責務 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書26ページ以下および206ページ以下 |
技術者が専門職としての位置づけと倫理の関係
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4週 |
製造物責任 【事前事後学習の内容(1時間)】 製造物責任の法律条文,教科書166ページ以下,教科書30ページ |
PL法を読み、製造物責任に関係する事例の考察をおこなう
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5週 |
動物実験
【事前事後学習の内容(1時間)】 配布プリントの実施 |
環境への配慮の一例として、動物と人間の関係を考えるために、動物実験について考察する
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6週 |
環境問題 【事前事後学習の内容(1時間)】 配布プリントの実施,教科書128ページ |
動物の倫理も含めた環境に関する問題と倫理を概観する
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7週 |
内部告発と公益通報者保護 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書 事例11,および174 ページ以降 |
内部告発が必要とされる事例を考察する
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8週 |
技術者と企業 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書 事例10 |
前回の事例を受けて技術者と企業の関係を考える
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4thQ |
9週 |
技術者と情報 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書事例10 配布プリント |
プライバシー権と同意の問題をはじめとして技術者と情報を考える
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10週 |
ハラスメント・利益相反 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書:事例16; 06-1, |
ハラスメント事例や利益相反,賄賂などについて学ぶ
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11週 |
技術者の権利と責任 【事前事後学習の内容(1時間)】 配布プリント |
技術者に関わる法の観点から、権利と責任を考える
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12週 |
研究倫理 授業後グループ活動の実施(6時間)
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研究不正のひとつである剽窃について、実際のレポート課題を教材として活用して理解する
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13週 |
社会における技術者 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書:事例分析14-1, |
これまでの授業を踏まえ技術者に求められる倫理を整理しまとめていく
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14週 |
倫理綱領 【事前事後学習の内容(1時間)】 教科書182ページ以降 |
倫理綱領の必要性と意義を考える
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15週 |
期末試験 【事前事後学習の内容(1時間)】 テスト対策 |
上記の内容から出題する
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16週 |
まとめ |
これまでのまとめを行う
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 4 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 4 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 4 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 4 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 4 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 4 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 4 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 4 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 4 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 4 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 4 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 4 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 4 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 4 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 4 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 4 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 4 | |