コンピュータ構成学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 コンピュータ構成学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:橋本昭洋「計算機アーキテクチャ」昭晃堂、David Money Harris, Sarah L. Harris,「Digital Design and Computer Architecture Second Edition」Morgan Kaufmann
担当教員 栁澤 秀明

到達目標

1.コンピュータの構成を理解する事ができる。
2.コンピュータの性能を評価する事ができる。
3.CPU(MIPSアーキテクチャ)のソフトウェアを理解する事ができる。
4.CPU(MIPSアーキテクチャ)のハードウェアを理解する事ができる。
5.ハードウェア記述言語を用いてCPU(MIPSアーキテクチャ)を実装する事ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
コンピュータの構成コンピュータの構成について詳細に説明できる。コンピュータの構成について理解する事ができる。コンピュータの構成について詳細に説明できる。
コンピュータの性能を評価する事ができるコンピュータの性能について詳細に説明することができる。コンピュータの性能について理解することができる。コンピュータの性能について説明することができない。
CPU(MIPSアーキテクチャ)のソフトウェアソフトウェアの動作を詳細に説明する事ができる。ソフトウェアの動作について理解する事ができる。ソフトウェアの動作を説明する事ができない。
CPU(MIPSアーキテクチャ)のハードウェアハードウェアの動作を詳細に説明する事ができる。ハードウェアの動作について理解する事ができる。ハードウェアの動作を説明する事ができない。
ハードウェア記述言語を用いてCPU(MIPSアーキテクチャ)を実装与えられた仕様のCPUを実装し、ソフトウェアが正しく実行される事をシミュレーションを通して確認する事ができる。与えられた仕様のCPUを実装し、シミュレーションによる動作検証をする事ができる。与えられた仕様のCPUを実装する事ができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータシステムのハードウェア構成とソフトウェア動作について理解する。
本科で学んだコンピュータアーキテクチャをベースに、コンピュータハードウェアの構成方式と設計技術について理解し、ハードウェア記述言語(VHDL)による設計手法を修得する。また、コンピュータの高速化のための構成と動作について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業では、座学に適宜演習を交えながら、CPUを構成するのALU、レジスタファイル、メモリ、制御回路部などの設計手法を修得する。
「Digital Design and Computer Architecture Second Edition」を中心に講義を進めるため予習復習が必要である。
講義内容の理解を確認するための演習を行い、レポートを課す。
注意点:
本科:コンピュータアーキテクチャ(4年)
専攻科:論理設計(1年)
最終評価=期末試験80%+課題20%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
組み合わせ回路についての復習
【予習・復習1時間】
ハードウェア記述言語(VHDL)を用いて、組合せ回路を実装し、シミュレーションによる動作確認をする事がすることができる。
2週 順序回路についての復習
【予習・復習1時間】
ハードウェア記述言語(VHDL)を用いて、順序回路を実装し、シミュレーションによる動作確認をする事ができる。
3週 制御回路についての復習
【予習・復習1時間】【課題4時間】
ハードウェア記述言語(VHDL)用いて、制御回路を実装し、シミュレーションによる動作確認をする事ができる。
4週 CPUの命令セットとハードウェア構成
【予習・復習1時間】
CPU命令とその動作を理解する事ができる。また、ハードウェアの構成方法を理解する事ができる。
5週 演算ユニットの構成法
【予習・復習1時間】
演算ユニットの構成について理解する事ができる。また、ハードウェア記述言語(VHDL)を用いて実装し、動作を検証する事ができる。
6週 記憶装置の構成法
【予習・復習1時間】
レジスタファイル、メモリの構成について理解する事ができる。また、ハードウェア記述言語(VHDL)を用いて実装し、動作を検証する事ができる。
7週 シングルサイクルプロセッサ(1)
【予習・復習1時間】
モデルCPUの命令実行に基づき、データパス部と実行制御部の構成を理解する事ができる。
8週 シングルサイクルプロセッサ(2)
【予習・復習1時間】
モデルCPUを実装する事ができる。
2ndQ
9週 シングルサイクルプロセッサ(3)
【予習・復習1時間】
実装したモデルCPUの動作をシミュレーションにより確認する事ができる。
10週 マルチサイクルプロセッサ(1)
【予習・復習1時間】
モデルCPUの命令実行に基づき、データパス部と実行制御部の構成を理解する事ができる。
11週 マルチサイクルプロセッサ(2)
【予習・復習1時間】
モデルCPUを実装する事ができる。
12週 マルチサイクルプロセッサ(3)
【予習・復習1時間】【課題4時間】
実装したモデルCPUの動作をシミュレーションにより確認する事ができる。
13週 パイプラインプロセッサ
【予習・復習1時間】
CPUを高速化する手法であるパイプライン制御の構成方法を解説し、パイプライン制御による性能の向上について解析する。
14週 パイプラインハザードの回避
【予習・復習1時間】
構造ハザード、データハザード、制御ハザードについて、問題と対策を解説する。
15週 期末試験 コンピュータのハードウェアとソフトウェアについての理解を確認する事ができる。
16週 まとめ 試験問題の解説を通し、授業内容を確認する事ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。5前1
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。5前1
組合せ論理回路を設計することができる。5前1
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。5前2
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。5前2
与えられた順序回路の機能を説明することができる。5前2
順序回路を設計することができる。5前2
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。5前7
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5前7
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5前14
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。5前5,前6
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。5前7,前14
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。5前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前11
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。5前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前11

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力2010000030
専門的能力6010000070
分野横断的能力0000000