概要:
宇部興産機械株式会社の従業員の方々に,受注から設計・製造を経て,納入・アフターサービスに至るまでの一連の流れを15回に分けて講義いただく. 機械製造業における業務の流れを具体的な事例で理解することにより,機械工学科で学ぶ専門知識がどの様に活かされるか,また将来の職務選択にむけて学ぶべきことをより具体的にイメージする事を目的とする.
授業の進め方・方法:
機械工学を専攻する学生にとって機械工学科で学ぶ知識や技術が実社会でどのように活かされるかを知ることは非常に重要である.本講義では宇部興産機械株式会社の従業員の方々を講師に招き,リレー形式で受注からアフターサービスに至る業務内容を講義いただく.なお,本講義の評価は毎週提出するレポートによる.
注意点:
初日の授業はスーツを着用のこと.毎週A4で1枚のレポートを提出のこと.
以下に,担当教員のメッセージを記します.
機械工学科の皆さんが興味をもたれると思われる機械製造業について、 その一つの形態として「個別受注生産型」である宇部興産機械(株)の業務の流れを紹介します。 夫々の業務の役割と、それらの繋がりを理解することにより、将来の職務選択にむけて自ら学ぶべきことをイメージして積極的に行動できる学生に育って欲しいと思います。(宇部興産機械株式会社)
この講義はお客様から受注を受け,設計・製造し引き渡し後のアフターサービスに至るプロセスを学ぶことが出来る非常に貴重な講義です.実際に企業の方から半期を通して機械製造に関する講義を受けることは,これまで学んできた専門科目の意味を理解することに繋がるものになります.積極的に授業に参加し,また質疑応答を通して将来のビジョンを明確にしましょう.(徳永敦士)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
工場見学 |
宇部興産機械の企業情報(製作機械・組織とその業務内容の概略,各組織の人員数・期待される学生像など)を知る. 見学した職場の業務の雰囲気、従業員の業務取組態度・服装・道具などを知る.
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2週 |
工場見学 |
宇部興産機械の企業情報(製作機械・組織とその業務内容の概略,各組織の人員数・期待される学生像など)を知る. 見学した職場の業務の雰囲気、従業員の業務取組態度・服装・道具などを知る.
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3週 |
営業、事業企画 |
事業方針(手段、数値)に基づく営業戦略の実際と受注後の設計、製造、納入、アフターサービスに至る事業活動全体の流れを学ぶ
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4週 |
設計(成形機) |
シリーズ機での見積~受注~設計~製作検証の一連の流れを理解する
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5週 |
設計(産機・橋梁) |
個別生産機種での顧客仕様の実現をする設計の流れを学ぶ
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6週 |
生産計画 原価管理 |
受注した機械を実現する手順と、原価積算の方法を理解する
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7週 |
購買 |
汎用的な部品や加工用素材の入手、協力メーカとの関係、納期管理等他社メーカや下請け企業から購入する業務の概要を学ぶ
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8週 |
製造(成形機) |
機械加工、組立など製品実現における実際のプロセスの概要を学ぶ
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2ndQ |
9週 |
製造(産機・橋梁) |
大型製缶製品の切断、曲げ、溶接、機械加工、組立など製品実現における実際のプロセスの概要を学ぶ
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10週 |
検査~出荷 |
製品、部品の各種検査や不適合品管理方法など品質保証の概要としくみを学ぶ
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11週 |
モノづくり |
製造技術を伝承していく当社独自のモノづくり道場を紹介と技術の伝承の大切さ学ぶ
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12週 |
サービス |
納入した機械製品の故障修理、予備品供給、クレーム処置、改造等アフターサービスの重要性を学ぶ
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13週 |
知財 |
自社の技術を守り、利益を確保し、他社との交渉で優位に立つ戦略の重要性を学ぶ
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14週 |
技術開発 |
既存機種の要素技術改革、新機種開発、ソリューション活動など開発業務の概要を学ぶ
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15週 |
環境安全 |
製造現場の安全を確保し、生産活動における環境保全の大切さとしくみを学ぶ
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | |