到達目標
1. 「社会事象の歴史的な見方・考え方」を、科学および技術に関するテーマを扱うことを通して身につける。「社会事象の歴史的な見方・考え方」とは、社会事象を捉える際に働かせる次の5つの視点である。
①時系列に関わる視点(時代・年代など)
②諸事象の推移に関わる視点(展開・変化・継続など)
③諸事象の比較に関わる視点(類似・差異など)
④事象相互のつながりに関わる視点(背景・原因・結果・影響・関係性・相互作用など)
⑤現在とのつながり
2. 科学および技術を文化的・社会的文脈において多面的に理解する。
3. 日本を含むアジア地域の科学史および技術史に関するテーマを扱うことにより、西洋とは異なる文化的・社会的背景を持つ科学や技術を理解し、国際的に活躍する技術者としての教養を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安(不可) |
評価項目1 | その時代の科学および技術の諸特徴を、「社会事象の歴史的な見方・考え方」を働かせ、適切に理解している。 | その時代の科学および技術の諸特徴を、「社会事象の歴史的な見方・考え方」を働かせ、7割程度理解している。 | その時代の科学および技術の諸特徴を、「社会事象の歴史的な見方・考え方」を働かせ、6割程度理解している。 | その時代の科学および技術の諸特徴の理解が6割に満たない。 |
評価項目2 | 科学および技術を、文化的・社会的文脈において多面的に理解している | 科学および技術を、文化的・社会的文脈において7割程度に理解している。 | 科学および技術を、文化的・社会的文脈において6割程度に理解している。 | 科学および技術の文化的・社会的文脈における理解が6割に満たない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
主に近世期の東アジアの科学史および技術史を扱う。必要に応じて画像資料や映像資料を活用する。
授業の進め方・方法:
授業は、演習→講義→小レポート作成の順に展開する。授業冒頭の演習では、前回の授業内容の復習を行う。毎回の授業終盤に作成する小レポートでは、提示された課題に加え、当該授業で扱った内容に対する自身の“気づき”を記載し、提出する。質問が生じた場合も、小レポートに記載すること。翌週の授業冒頭で回答をクラス全体に共有する。
最終レポートの作成においては、提示された範囲内で各自の問題意識に基づいた課題を設定する。参考文献の参照や博物館の見学などを通して情報を収集し、課題に対する分析・考察を行う。授業最終回をレポート発表会とし、少人数グループに分かれて持参したレポート(草稿)をもとにピアレビューを行う。ピアレビューにより得られた意見を参考に最終レポートを完成させる。
注意点:
授業の冒頭では、当該授業終盤に各自で作成する小レポートのヒントを提示する。当該授業において働かせる「社会事象の歴史的な見方・考え方」を意識した上で、授業に参加すること。
授業中は担当教員から積極的に発問を行うことで、双方向にコミュニケーションを取りながら授業を進める。演習や小レポートの作成など学生が主体的に行う活動もあるため、積極的に授業に参加すること。
最終レポートは、授業毎の小レポートの蓄積により作成できるようなテーマの大枠を設定する(テーマそのものは各自で設定する)。よって授業毎の小レポートは、最終レポートの作成にあたり参照できるよう保管すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
「社会事象の歴史的な見方・考え方」について理解する。また、「工学」を起点に「科学技術」とは何を意味するのかを説明することができる。
|
2週 |
近世日本数学史 |
近世日本において独自に展開した「和算」について、17世紀に着目して概観することにより、その展開の諸特徴を説明することができる。
|
3週 |
近世日本測量術史 |
近世日本の絵図と測量術について概観し、文化的・社会的背景を併せて理解する。
|
4週 |
近世日本天文・暦学史 |
東アジア地域における暦学について概観し、西洋とは異なる文化的・社会的背景を持つ科学の諸特徴について理解する。
|
5週 |
宋・元・明・清代の中国科学史 |
直近3回で扱った近世日本科学史・技術史の内容を中国側からの視点で読み解くことで、科学および技術を文化的・社会的文脈において多面的に理解する。
|
6週 |
朝鮮半島の科学史・技術史 |
朝鮮半島の科学史・技術史を概観し、文化的・社会的背景を併せて理解する。
|
7週 |
まとめと振り返り |
これまでの学習内容を振り返り、各自の最終レポートにおける要点を整理する。
|
8週 |
レポート発表会 |
各自で設定したテーマに基づき作成したレポート(草稿)を持参し、少人数グループに分かれてピアレビューを行う。ピアレビューにより得られた意見を参考に最終レポートを完成させる。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文社会科学 | 社会 | 公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後5,後6 |
評価割合
| 期末レポート | 小レポート・発問 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 40 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |