電子応用

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子応用
科目番号 0106 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「物理学基礎」(原康夫(著),学術図書出版社)、自作プリント,powerpoint
担当教員 片桐 信彦

到達目標

(1)電子の波動性やそれによるエネルギー準位について説明できる。
(2)量子力学の初等的な問題を理解し、その物理的な意味について説明できる。
(3)電子のスピンによる特性を理解し、原子構造や分子結合を説明できる。
(4)結晶とバンド構造を理解し、それを応用した素子について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の波動性に基いて原子スペクトルが説明できる。電子の波動性に基いて一部の原子スペクトルを説明できる。電子の波動性およびそれによる原子スペクトルを説明できない。
評価項目2量子力学の初歩的な問題について、その原理や各物理量の対応を説明できる。量子力学の初歩的な問題について、その原理や対応の一部が説明できる。量子力学の初等的な問題について、その原理や物理量の対応が説明できない。
評価項目3電子のスピンを理解し、その特性によって原子構造・分子結合の基本を説明できる。電子のスピンをある程度理解し、その特性が原子構造や分子結合に関係することを説明できる。電子のスピンやそれによる原子構造・分子結合を説明できない。
評価項目4バンド構造が物性において重要な役割を担うことを理解し、結晶等を応用した素子の特性を説明できる。バンド構造と結晶等をある程度理解し、それが素子に応用されていることを説明できる。バンド構造や結晶について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE J(05) 説明 閉じる
本校 (1)-a 説明 閉じる
電子機械 (3)-a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子の波動性を主軸として、量子論、量子力学の原理および電子物性を中心に学習する。
授業の進め方・方法:
講義と演習形式。適宜小テスト,レポート等で理解を助ける。
注意点:
・出席,授業態度を重視し,定期試験,レポート、小テストによる総合評価。特別な事情があって成績が悪い場合,授業態度を考慮して,レポ―ト等で補うことがある。        
・授業態度の悪い者、注意が多い者については、特別補習や特別課題を課すものとする。
・授業の進度については、クラスの理解度を考慮しながら調整するため、場合によっては一部内容を変更することがある。
・疑問点や質問があれば率先して聞くよう心掛ける。 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 物質の二面性と電子の波動性 光の粒子性・電子の波動性の発端となった各現象について説明できる。
2週 水素原子スペクトルと準位構造(1) 水素原子スペクトルの実験式とボーアモデルの物理的意味について説明できる。
3週 水素原子スペクトルと準位構造(2) ボーアモデルを応用することで原子スペクトル構造について説明できる。
4週 量子力学入門(1) シュレディンガーの波動力学について理解し、初歩的な問題について説明できる。
5週 量子力学入門(2) 波動関数の解釈と物理量の対応について説明できる。
6週 量子力学入門(3) スピンについて理解し、原子構造について説明できる。
7週 まとめ 問題演習によって、知識を確実なものにする。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 量子化学入門(1) 量子力学の結果から分子結合への応用を説明できる。
10週 量子化学入門(2) 分子結合の原理について説明できる。
11週 結晶とブラッグ条件 結晶の種類、およびブラッグ反射について説明できる。
12週 バンド構造とその応用(1) バンド構造とバンドギャップの理由について説明できる。
13週 バンド構造とその応用(2) バンド構造を応用した素子等について説明できる。
14週 量子コンピューターと量子暗号 量子力学の原理に基づいて量子コンピューターと量子暗号の基本について説明できる。
15週 まとめ 問題演習によって、知識を確実なものにする。
16週 学年末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600010030100
基礎的能力0000000
専門的能力600010030100
分野横断的能力0000000