機械工学実験

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 機械工学実験
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 機械工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 機械工学実験指導書/金沢大学設計教育グループ著書ほか
担当教員 原野 智哉,西野 精一,大北 裕司,安田 武司,中岡 信司

到達目標

1.実験目的と実験値(測定対象物理量)を得るための測定原理を説明できる。
2.実験内容・結果を図やグラフや表を用いて報告書(レポート)としてまとめることができる。
3.解決すべき社会問題(介護,防災,環境など)を機械工学の視点から商品案を作成できる。
4.機能・強度・加工・コストなどの俯瞰的視野に基づき商品をチームで協力し設計・製図・製作(加工)できる。
5.開発した商品のコンセプト・機能をアピールし、コスト等の制約条件を満足できるかを明確に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1実験目的と実験値(測定対象物理量)を得るための測定原理と測定器の仕組みが説明できる。実験目的と実験値(測定対象物理量)を得るための測定原理が説明できる。実験目的と実験値(測定対象物理量)を得るための測定原理が説明できない。
到達目標2実験内容や結果を図やグラフや表を用いて示し、考察を含めて報告書としてまとめることができる。実験内容・結果を図やグラフや表を用いて報告書としてまとめることができる。実験内容・結果を図やグラフや表を用いて報告書としてまとめることができない。
到達目標3解決すべき社会問題を機械工学の視点からアプローチし実現可能性のあるテーマが自分で絞り込める。がチームで作成できる。解決すべき社会問題を機械工学の視点からアプローチし実現可能性のあるテーマがチームで絞り込める。決すべき社会問題を機械工学の視点からアプローチし実現可能性のあるテーマがチームで絞り込めない。
到達目標4ユーザの安全や環境の影響を配慮した商品がチームで設計・製図・製作できる。機能・強度・加工・コストなどの俯瞰的視野に基づいた商品がチームで設計・製図・製作できる。機能・強度・加工・コストなどの俯瞰的視野に基づいた商品がチームで設計・製図・製作できない。
到達目標5コンセプト・機能をアピールし,コスト等の制約条件を満足できるかを一般職員にも明確に説明できる。コンセプト・機能をアピールし,コスト等の制約条件を満足できるかを企業技術者に明確に説明できる。コンセプト・機能をアピールし,コスト等の制約条件を満足できるかを教員にさえも明確に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 機械工学に各分野の理論を実験から確認し、理論の必要性を理解するとともに、実験値(測定対象物理量)を得るための測定原理を修得する。また、ねじなどの機械機能要素等を活用してチームでこれまでにない新しい商品の開発を行い、企業におけるものづくりのフローを修得する。
授業の進め方・方法:
 年間を通じて商品開発の企画立案~商品設計~商品製作組立・機能評価の一連のものづくりフローを経験する.前期は企画立案~商品設計まで個人テーマ設計を行いチームで代表案を決定し,チームでコストに見合うような機能を実現する商品設計・製図を3DCADを用いて行ってもらう.個人商品開発レビューと最終チーム開発商品は県内外の企業等による人事・技術者からの評価が入る.前期の13~15週の3週間と後期は,材料強度,流体工学,塑性加工,商品製作ショップをローテーションして機械工学実験と商品製作を実施する。
注意点:
 実験レポートの提出、商品開発の個人・チーム課題提出は必須である。実験レポートの未提出は欠席として扱い、実験の各テーマを1回でも欠席した場合は原則不合格として扱う。商品開発も欠席しチームへの協力が著しく得られていない場合は原則不合格として扱う。特別欠席ややむを得ない事情で欠席する場合は必ず事前連絡のこと。無断欠席した場合は厳しい指導を行う。なお、商品開発に関わる設計計算や部品図・組立図のCAD製図は、機械設計製図の授業とリンクして進めているので注意してもらいたい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション 商品企画立案(テーマ決定) 解決すべき社会問題を機械工学の視点と実現可能性からテーマを絞り込める。
2週 商品企画立案(商品コンセプトと構造) KJ法等を活用して解決案の商品コンセプトを形成できる。
3週 個人アイデア具体化 3次元CADを用いて個人アイデアの具体化(構造・機能)ができる.
4週 個人アイデア具体化2 部品コスト・材料費・人件費を考慮した3次元CAD設計ができる.
5週 個人アイデアプレゼン資料作成 個人アイデア レビュー PPTの作成ができる.
6週 企業技術者への個人アイデアプレゼン 県内外企業技術者へ個人アイデアプレゼンを行うことができる.
7週 チームアイデアの絞り込みと役職分担決定 企業評価結果を反映して,チーム代表の最良・最適アイデアを討論により決定できる.また,役割分担の決定を実施する.
8週 機能を意識したチーム商品設計 機能を反映した設計ができる。
2ndQ
9週 コスト・工程を意識したチーム商品設計 部品や材料・人件費などのコストや工程を反映した設計ができる。
10週 強度・重量を意識した商品設計 3DCADのFEM解析等を活用し,強度・重量を反映した商品設計ができる。
11週 デザインシートおよびキャンパスベンチャーグランプリCVG申請書の作成 設計に考慮した内容をデザインシートおよびキャンパスベンチャーグランプリ申請書にまとめ、部品図、組立図を製図できる。
12週 教員チェックと最終修正 デザインシート(CVG)の内容と組立図・部品図を照合した教員チェックを受け最終の図面とデザインシート等の提出できる。
13週 商品製作組立・機能評価1 加工分担表および工程ガントチャートを作成できる.
14週 商品製作組立・機能評価2 チームで協力して商品の製作・組立・機能の確認ができる。
15週 商品製作組立・機能評価3 チームで協力して商品の製作・組立・機能の確認ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 商品製作組立・機能評価4 チームで協力して商品の製作・組立・機能の確認ができる。
2週 商品製作組立・機能評価5 チームで協力して商品の製作・組立・機能の確認ができる。
3週 商品製作組立・機能評価6 チームで協力して商品の製作・組立・機能の確認ができる。
4週 流体工学実験1 各種流量測定法に関する実験、摩擦損失係数の測定実験を実施し、流量測定の原理、圧力損失による円管摩擦の特性について説明できる。また、測定値の相対誤差について理解し、実験結果の説明および評価ができる。
5週 流体工学実験2 各種流量測定法に関する実験、摩擦損失係数の測定実験を実施し、流量測定の原理、圧力損失による円管摩擦の特性について説明できる。また、測定値の相対誤差について理解し、実験結果の説明および評価ができる。
6週 流体工学実験3 各種流量測定法に関する実験、摩擦損失係数の測定実験を実施し、流量測定の原理、圧力損失による円管摩擦の特性について説明できる。また、測定値の相対誤差について理解し、実験結果の説明および評価ができる。
7週 材料強度実験 金属材料の引張試験、衝撃試験、硬さ測定を実施し、材料の機械的性質(引張特性、衝撃特性、硬度特性)の評価と説明ができる。
8週 材料強度実験 金属材料の引張試験、衝撃試験、硬さ測定を実施し、材料の機械的性質(引張特性、衝撃特性、硬度特性)の評価と説明ができる。
4thQ
9週 材料強度実験 金属材料の引張試験、衝撃試験、硬さ測定を実施し、材料の機械的性質(引張特性、衝撃特性、硬度特性)の評価と説明ができる。
10週 塑性加工実験 円筒深絞り試験、液圧バルジ試験、コニカルカップ試験のそれぞれを実施し、代表的な塑性加工である板材成形の加工特性を、板厚ひずみやその他のパラメータを用いて評価、説明できる。
11週 塑性加工実験 円筒深絞り試験、液圧バルジ試験、コニカルカップ試験のそれぞれを実施し、代表的な塑性加工である板材成形の加工特性を、板厚ひずみやその他のパラメータを用いて評価、説明できる。
12週 塑性加工実験 円筒深絞り試験、液圧バルジ試験、コニカルカップ試験のそれぞれを実施し、代表的な塑性加工である板材成形の加工特性を、板厚ひずみやその他のパラメータを用いて評価、説明できる。
13週 商品調整 製作した商品の最終調整を実施し,機能確認とその品質保証データ獲ることができる.
14週 商品最終プレゼン準備 企業技術者および人事向けに開発した商品の目的・コンセプト・新規性・性能・品質・コスト(重量)をわかりやすくアピールできる資料が作成できる.
15週 商品最終プレゼン 開発した商品の目的・コンセプト・新規性・性能・品質・コストなど平易に説明できる。
16週 習熟度試験 学習内容が身についているか習熟度試験により確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合100602010100
基礎的能力000000
専門的能力00600060
分野横断的能力1000201040