機械設計製図

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 機械設計製図
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 機械工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:4
教科書/教材 前期:3次元CAD・CAE・CAMを活用した創造的な機械設計(日刊工業新聞社) 後期:SI版渦巻きポンプの設計(パワー社)
担当教員 原野 智哉,大北 裕司,中岡 信司

到達目標

1.モータ動力と歯車減速比によるねじの軸力とねじによる移動速度が計算できる。
2.許容応力から必要なねじサイズ、ねじ長さを計算し、負荷荷重と必要寿命から軸受が選定できる。
3.機能を満たすねじ商品の機構を3次元CADを用いて具体化し、部品・組立図が製図できる。
4.要求された性能(吐き出し流量、実揚程、強度)を発揮できる渦巻きポンプを設計することができる。
5.渦巻きポンプの主軸、羽根車、ケーシング、組立図をCADを用いて製図することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1ねじサイズや歯車減速比によりねじの軸力とねじの移動速度の変化が推測できる。モータ動力と歯車減速比によるねじの軸力とねじによる移動読度が計算できる。モータ動力と歯車減速比によるねじの軸力とねじによる移動読度が計算できない。
到達目標2ねじサイズ、ねじ長さの変化が応力や軸受寿命に及ぼす影響を推測できる。許容応力から必要なねじサイズ、ねじ長さを計算し、負荷荷重と必要寿命から軸受が選定できる。許容応力から必要なねじサイズ、ねじ長さを計算し、負荷荷重と必要寿命から軸受が選定できない。
到達目標33次元CADソフト上の応力・機構計算ツールを活用し機構・形状を工夫した部品・組立図が製図できる。機能を満たすねじ商品の機構を3次元CADを用いて具体化し、部品・組立図が製図できる。機能を満たすねじ商品の機構を3次元CADを用いて具体化し、部品・組立図が製図できない。
到達目標4与えられた要求性能(吐出量、実揚程、強度)を満たし、組立て可能で、コストを追求した設計ができる与えられた要求性能(吐出量、実揚程、強度)を満たし、組立ても考慮したポンプの設計ができる。与えられた要求性能(吐出量、実揚程、強度)を満たすポンプの設計計算ができない。
到達目標5与えられた要求性能を満たし、コストも追求したポンプをCADを用いて製図できる。与えられた要求性能を満たすよう設計したポンプをCADを用いて製図できる。与えられた要求性能を満たすよう設計されたポンプをCADを用いて製図できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 コストや重量などの制約条件を考慮した機構や部品サイズを設定するための基礎的な機械の諸元設計計算フローを修得するため、機械工学実験で実施するモータ駆動によるねじ商品開発の機能と強度を両立するねじのサイズ、長さ、減速歯車などの最適組合せと負荷荷重から軸受を選定し、部品・組立図を製図する能力を育成する。また、流体機械の設計として渦巻きポンプを取り上げて、遠心ポンプによる揚水の原理、ポンプの仕組みの理解、ポンプの設計手法、およびその製図について学ぶことを目的とする。特にポンプの基本仕様、羽根車、ケーシング、主軸の設計計算および製図の能力を修得する。
授業の進め方・方法:
 前期のねじジャッキに関する設計課題は、各自設計フローと計算式の意味を理解すること。また、設計課題の遂行にはチームワーキングを活用するので、チームで協力して相互に教え合い理解を深めること。後期の渦巻きポンプでは、個別に与えられた要求性能に基づいて、設計および製図を行います。製品の形を常にイメージしながら設計製図をすることが大事です。
注意点:
教科書、設計ノート、関数電卓は必ず毎回持参すること。
前期 設計課題は機械工学実験の商品開発実習とリンクしている。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ねじの軸力とモータ動力 定格モータ動力とねじサイズから軸力と移動速度が計算できる。
2週 歯車減速機構とトルク(パンタグラフジャッキの諸元計算) 定格モータ動力と減速比とねじサイズにより軸力と移動速度が計算できる。電動カージャッキの諸元計算ができる。
3週 商品の3DCADによる計画製図1 各自のテーマにおいて機能を満たす3次元CADを用いた商品をモデリングできる。
4週 商品の3DCADによる計画製図2 材料の許容圧縮・せん断・曲げ応力からねじサイズ、ねじ長さが計算できる。
5週 ねじ棒の設計計算 ねじ棒の負荷荷重と寿命時間を考慮した軸受の選定ができる。
6週 軸受(ラジアル荷重)の選定計算 ベアリングの各部名称と規格
ベアリングの寿命計算(ラジアル荷重のみ)
7週 軸受(スラスト荷重とラジアル荷重)の選定計算 ラジアルとスラスト荷重を同時に受ける場合のベアリング寿命計算
8週 商品の機構考案 各自のテーマにおいて機能を満たす3次元CADを用いた商品をモデリングできる。
2ndQ
9週 商品の強度計算 商品の駆動部に必要とされる力の作用とベクトルを考え,材料強度を満足する寸法を計算できる。
10週 デザインシート(キャンパスベンチャーグランプリCVG申請書)の作成 商品のテーマ・目的・機能・構造・強度・コスト・重量について記述したデザインシート(CVG申請書)が作成できる。
11週 機能を意識した商品の部品・組立図 材料のコストを意識した商品の部品・組立図が製図できる。
12週 コストを意識した商品の部品・組立図(工程) 商品の機能を意識した部品・組立図が製図できる。
13週 強度計算を反映した商品の部品・組立図(強度) 商品の強度計算を反映した部品・組立図が製図できる。
14週 重量を反映した商品の部品・組立図 重量を意識した商品の部品・組立図が製図できる。
15週 商品の部品・組立図とデザインシート等の提出 工程を意識した商品の部品・組立図が製図できる。
16週
後期
3rdQ
1週 設計仕様の提示、全揚程、所要動力、回転数の計算 出席番号ごとに異なる要求性能(吐出し量、実揚程)を確認し、渦巻きポンプの原理、設計仕様を理解できる。また、ポンプの全揚程、所要動力、回転数が計算できる。
2週 羽根車の設計 形式数と比速度を求め、ボス部、羽根車目玉部、羽出口諸元の計算ができる。
3週 羽根車の設計 形式数と比速度を求め、ボス部、羽根車目玉部、羽出口諸元の計算ができる。
4週 ケーシングの設計 吸い込みカバーの大きさを求め、ボリュートケーシングの計算ができる。
5週 ケーシングの設計 吸い込みカバーの大きさを求め、ボリュートケーシングの計算ができる。
6週 主軸の設計 主軸に作用するたわみから危険速度、寸法を計算し、軸受の選定ができる。
7週 主軸の製図 設計計算に基づいた主軸をCADを用いて製図できる。
8週 主軸の製図 設計計算に基づいた主軸をCADを用いて製図できる。
4thQ
9週 羽根車の製図 羽根車の羽曲線とメリディアン曲線をCADを用いて製図できる。
10週 羽根車の製図 羽根車の羽曲線とメリディアン曲線をCADを用いて製図できる。
11週 ケーシングの製図 ボリュートケーシングをアルキメデス螺旋によりCADで製図できる。
12週 ケーシングの製図 ボリュートケーシングをアルキメデス螺旋によりCADで製図できる。
13週 組立図の製図 主軸、羽根車、ケーシングを統合したポンプ組立図をCADで製図できる。
14週 組立図の製図 主軸、羽根車、ケーシングを統合したポンプ組立図をCADで製図できる。
15週 組立図の製図 主軸、羽根車、ケーシングを統合したポンプ組立図をCADで製図できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストレポート.課題発表その他合計
総合評価割合0010000100
基礎的能力000000
専門的能力0010000100
分野横断的能力000000