機械力学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 機械力学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械力学(コロナ社)/演習で学ぶ機械力学(森北出版)
担当教員 川畑 成之

到達目標

1.質点および剛体の運動方程式を理解し、導くことができる。
2.振動の種類を説明でき、質量・ばね・ダッシュポット系の自由運動を運動方程式で表して解析できる。
3.調和外力や調和変位が作用する減衰系の強制振動を運動方程式で表して解析できる。
4.共振現象を理解し、振動の防止について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1剛体を含む複雑な形状の物体および多数の物体で構成される力学系の運動を解析できる。例題レベルの単純な力学系の運動方程式を導き、系の運度を解析できる。単純な力学系の運動方程式を導くことができない。
評価項目2自由振動の運動方程式を導き、解析できるとともに、実験結果から系のパラメータを同定できる。自由振動系の運動方程式を導き、解析結果を説明できる。自由振動の適切な運動方程式を導くことができない。
評価項目3強制振動系の運動方程式を導き、解析結果と共振現象との関係を正しく説明できる。強制振動系の運動方程式を導き、系の運動を解析できる。強制振動系の運動を解析できない。
評価項目4共振現象を説明でき、各種振動防止方法のうち、状況に適した方法を提案できる。共振現象を理解し、各種振動防止方法について説明できる。共振現象および、振動防止方法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械力学は、静力学、動力学、運動学、振動学、制御学などの機械に関連した広範囲な分野が含まれ、機械を設計する際には欠かせない分野の一つである。本講義では、工業力学で修得した知識を利用しながら、運動学から振動学の基礎までを修得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
本講義はぶつり、工業力学の授業を基礎とし、さらに発展させたものである。力学の基礎について開講までに十分な復習が求められる。課題以外の練習問題も豊富にあり、自主的な学習による振動解析手法の習得が期待される。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学の基礎 (1)ニュートンの運動法則を理解し、システムのモデル化ができる。
2週 力学の基礎 (2)モデル化されたシステムの運動方程式を導き、簡単な解析ができる。
3週 剛体の運動 (1)比較的複雑な形状を有する剛体の慣性モーメントを求めることができる。
4週 剛体の運動 (2)慣性モーメントを考慮して剛体の平面運動を解析できる。
5週 一自由度系の振動 (1)ばねの働きを理解し、不減衰一自由度系の振動を解析できる。
6週 一自由度系の振動 (2)ダッシュポットの働きを理解し、減衰一自由度系の振動を解析できる。
7週 一自由度系の強制振動Ⅰ (1)調和外力による強制振動を解析し、共振現象について説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 一自由度系の強制振動Ⅱ (1)調和変位入力による強制振動を解析できる。
10週 二自由度系の振動 (1)二自由度系の自由振動・強制振動解析ができる。
11週 多自由度系の振動 (1)平板の振動を例として、多自由度系の振動を理解し、モード解析について説明できる。
12週 回転体の振動 (1)回転運動を理解し、危険速度および不釣り合いによる振動を解析できる。
13週 回転体の振動 (2)不釣り合い量を理解し、回転体の釣り合わせ設計ができる。
14週 振動の防止 振動の防止方法の種類と特徴を説明できる。
15週 振動の防止 振動絶縁・基礎絶縁を理解し、動吸振器の設計ができる。
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前1
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前1
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前1
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前2
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前2
動力の意味を理解し、計算できる。4前2
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前3
振動の種類および調和振動を説明できる。4前5
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前5
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前6
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前7,前10
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前9,前10

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合7003000100
基礎的能力10000010
専門的能力600300090
分野横断的能力000000