創造基礎工作実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 創造基礎工作実習Ⅱ
科目番号 190104 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 大西久治著/伊藤猛改訂 「機械工作要論」第3 版 オーム社
担当教員 木原 茂文,高橋 洋一

到達目標

1.安全作業を理解し,実習内容を報告書にまとめることができる。
2.各種工作機械を用いて,スターリングエンジンを製作できる。
3.基礎的な各種溶接・切断作業ができる。
4.鋳物砂の特性を理解し,基本的な鋳造作業ができる。
5.精密測定法の原理を理解し,測定に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.安全作業を理解し,実習内容を報告書にまとめることができる。安全作業を理解し,実習内容を分かりやすく報告書にまとめることがでできる。安全作業を理解し,実習内容を報告書にまとめることがでできる。実習内容を報告書にまとめることができない。
2.各種工作機械を用いて,スターリングエンジンを製作できる。図面に忠実なスターリングエンジンを作製できる。図面を見て,スターリングエンジンを作製できる。図面を見て,スターリングエンジンを作製できない。
3.基礎的な各種溶接・切断作業ができる。図面に忠実な溶接・切断作業ができる。基本的な溶接・切断作業ができる。基本的な溶接・切断作業ができない。
4.鋳物砂の特性を理解し,基本的な鋳造作業ができる。各種鋳物砂試験法を用いて,鋳物砂の特性を測定できる。砂型鋳造法で欠陥のない丸棒を作製できる。各種鋳物砂試験法を用いて,鋳物砂の特性を測定できる。砂型鋳造法で丸棒を作製できる。各種鋳物砂試験法を用いて,鋳物砂の特性を測定できない。砂型鋳造法で丸棒を作製できない。
5.精密測定法の原理を理解し,測定に適用できる。各種精密測定方法を用いて正確な測定ができる。各種精密測定方法を用いて基本的な測定ができる。各種精密測定方法を用いて基本的な測定ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
図面に基づいた各種工作法の技能および技術を習得するとともに、技術者として望ましい態度や習慣を身に付けることを目標とする。
授業の進め方・方法:
総合実習は20 名で1グループとし,前期,後期で交替して15 週間(45 時間)で全員が各人一台のスターリングエンジンを製作する。毎回実習内容を日誌として翌日に提出する。日誌を基に期内に中間報告書および最終報告書にまとめる。総合実習以外の者は1 グループ10 名の2 グループを編成し,鋳造実習を7週間(21 時間),溶接実習を4 週間(12 時間),精密測定実習を4 週間(12 時間)の実習を交替して行う。それぞれの実習終了後1 週間以内に報告書を提出する。
注意点:
この科目は指定科目です。この科目の単位修得が進級要件となりますので,必ず修得して下さい。相馬先生は,機械電子工学科の教員。定期試験は行わない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 0.ガイダンス
1.総合実習(スターリングエンジンの製作)
(1)シリンダの製作1
安全作業について説明できる。
旋盤を使ってシリンダーを作製できる。
2週
(1)シリンダの製作2
旋盤を使ってシリンダーを作製できる。
3週 (2)クランクホイルの製作1 旋盤,研削盤を使ってクランクホイルを作製できる。
4週 (2)クランクホイルの製作2 ボール盤,タップを使ってクランクホイルにねじ加工ができる。
5週 (3)ヒートキャップの製作 旋盤を使ってヒートキャップを作製できる。
6週 (4)ピストンの製作 旋盤を使ってパワーピストンとディスプレーサーピストンを製作できる。
7週 (4)ピストンの製作2 マシニングセンターを使ってパワーピストンに溝入れ加工ができる。
8週 (5)ハウジングの製作1 フライス盤を使ってハウジングを製作できる。
2ndQ
9週 (5)ハウジングの製作2 マシニングセンターを使ってハウジングの穴開け加工ができる。
10週 (6)コンロッド・連結ロッドの製作 帯鋸,弓鋸,やすり,ボール盤を使って,コンロッド・連結ロッドを作製できる。
11週 (7)ベースの製作 フライス盤,帯鋸,ボール盤,タップを使ってベースを作製できる。
12週 (7)クランクピン・ピストンピンの製作 弓鋸,やすりを使って,クランクピン・ピストンピンを作製できる。
13週 (8)組立ておよび性能試験1 各種部品を組み立てることができる。
14週 (8)組立ておよび性能試験2 試運転を行い,回転数を測定できる。
15週 (8)組立ておよび性能試験3 各種部品の測定を行うことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 2.鋳造実習
(1)鋳物砂試験1
鋳物砂の強度試験ができる。
2週 (1)鋳物砂試験2 鋳物砂の水分測定できる。
3週 (1)鋳物砂試験3 鋳物砂の通気度を測定できる。
4週 (2)歯車ポンプの鋳型造形 歯車ポンプの鋳型および中子を作製できる。
5週 (3)鋳造による丸棒の製作1 鋳型を作製することができる。
6週 (3)鋳造による丸棒の製作2 鋳鉄の鋳込み作業ができる。
7週 (3)鋳造による丸棒の製作3 丸棒の後処理,仕上げ加工ができる。
8週 3.溶接実習
(1)TIG溶接1
TIG溶接の基本操作ができる。
4thQ
9週 (2)TIG溶接2 TIG溶接を用いてアルミニウムの溶接ができる。
10週 (2)炭酸ガスアーク溶接 炭酸ガスアーク溶接の基本操作ができる。
11週 (3)ガス切断およびエアプラズマ切断 各種切断方法で材料の切断ができる。
12週 4.精密測定実習
(1)歯厚マイクロメータによる歯車の測定
歯厚マイクロメータを使って,歯厚の測定ができる。
13週 (2)三針法によるねじの有効径の測定 三針法によるねじの有効径が測定できる。
14週 (3)オートコリメータによる直定規の測定 オートコリメータを使って直定規の測定ができる。
15週 (4)ダイヤルゲージの性能測定 ダイヤルゲージの性能を評価できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4
やすりを用いて平面仕上げができる。4
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4

評価割合

レポート製作品合計
総合評価割合5545100
1.安全作業を理解し,実習内容を報告書にまとめることができる。45045
2.各種工作機械を用いて,スターリングエンジンを製作できる。02525
3.基礎的な各種溶接・切断作業ができる。01010
4.鋳物砂の特性を理解し,基本的な鋳造作業ができる。01010
5.精密測定法の原理を理解し,測定に適用できる。10010