材料力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料力学Ⅱ
科目番号 200104 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:黒木剛司郎/友田陽「材料力学 (第3版)新装版」(森北出版),参考書:臺丸谷政志・他「基礎から学ぶ材料力学」(森北出版)
担当教員 前田 祐作

到達目標

1.静定梁のたわみ量およびたわみ角を計算できる。
2.積分法や重ね合わせの原理により,不静定梁の支点反力を計算できる。
3.カスティリアーノの定理を,トラスや梁の解析に利用できる。
4.モールの応力円を用いて,任意の平面応力状態における主応力や最大せん断応力を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
静定梁のたわみ静定梁のたわみ量およびたわみ角を計算でき,梁の設計に利用できる。静定梁のたわみ量およびたわみ角を計算できる。静定梁における支点反力,曲げモーメントを計算することができない。
不静定梁の解析不静定梁のたわみ量やたわみ角を計算できる。積分法や重ね合わせの原理により,不静定梁の支点反力を計算できる。不静定梁における力のつり合い条件やモーメントのつり合い条件を示すことができない。
ひずみエネルギーカスティリアーノの定理を,トラスや梁の解析および設計に利用できる。カスティリアーノの定理を,トラスや梁の解析に利用できる。引張やねじり,曲げに関するひずみエネルギーを計算することができない。
組み合わせ応力圧力容器や,曲げとねじりを受ける軸の設計ができる。モールの応力円を用いて,任意の平面応力状態における主応力や最大せん断応力を計算できる。平面応力状態におけるモールの応力円が作図できない。また,応力とひずみの関係を導出できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在使用されている家電製品や自動車などの機械製品は,いろいろな材料から作られた部品から構成されている。各部品は荷重により壊れたり,想定以上に変形してしまわないよう,【適切な材料の選択】と,【適切な形状の設計】が行われている。この科目では,部品の最適な設計を行う基礎として,“応力”を基本とした部品の負荷と変形を解析する手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
1.教科書にそった配布資料による,要点の解説。
2.グループワークにより関連する課題を実施。
3.小テストにより理解度を確認。
注意点:
小テストの実施や,授業の配布資料,試験範囲の電子掲示は,Office365を利用する。
https://kosenjp.sharepoint.com/sites/MEofNITKC

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第7章 組合せ応力
7.1 引張を受ける垂直棒の斜断面に生ずる応力
7.2 直行する二方向に垂直応力の作用する場合
多軸応力状態,平面応力状態について説明できる。
任意の平面応力状態に対して,モールの応力円を作図できる。
平面応力状態において,任意の断面に作用する応力を計算できる。
2週 第7章 組合せ応力
7.3 任意の平面応力状態より主応力を求める方法
7.4 単純せん断
任意の平面応力状態において,主応力と最大せん断応力を計算できる。
3週 第7章 組合せ応力
7.6 組み合わせ応力における応力とひずみの関係
7.7 弾性係数間の関係
7.10 内圧を受ける薄肉円筒
平面応力状態におけるフックの法則を導出でき,計算に利用できる。
内圧を受ける薄肉球殻と円筒殻に発生する応力を計算できる。
4週 第7章 組合せ応力
7.8 平面ひずみ
7.9 ひずみ計による平面応力測定の原理
平面ひずみ状態を説明でき,ひずみ計の計測結果から主応力を計算することができる。
5週 第7章 組合せ応力
7.11 曲げとねじりを受ける軸
曲げとねじりが同時に作用する軸に関して,発生する応力を計算できる。
6週 第11章 柱
11.2 長柱の座屈と限界荷重
各端末条件の柱に対して,圧縮破壊荷重および座屈荷重を計算でき,圧縮荷重を受ける柱の設計に適用できる。
7週 第7章,第11章
演習問題
多軸応力状態と座屈に関する各種演習問題を解くことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 第6章 垂直梁のたわみ
6.1 たわみ曲線の基本式
6.2 片持ばり
集中荷重を受ける片持ち梁のたわみ角およびたわみ量を計算できる。
10週 第6章 垂直梁のたわみ
6.2 片持ばり
分布荷重を受ける片持ち梁のたわみ角およびたわみ量を計算できる。
11週 第6章 垂直梁のたわみ
6.3 両端支持ばり
集中荷重を受ける単純支持梁のたわみ量およびたわみ角を計算できる。
12週 第6章 垂直梁のたわみ
6.3 両端支持ばり
分布荷重を受ける単純支持梁のたわみ角およびたわみ量を計算できる。
13週 第6章 垂直梁のたわみ
6.3 両端支持ばり
集中モーメントを受ける梁のたわみ量およびたわみ角を計算できる。
14週 第6章 垂直梁のたわみ
6.4 面積モーメント法
面積モーメント法を説明でき,梁の解析に利用できる。
複雑な分布荷重や,複数の集中荷重を受ける梁のたわみ量を計算できる。
15週 第6章 垂直梁のたわみ
演習問題
梁のたわみに関する演習問題を解くことができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 第6章 垂直梁のたわみ
6.5 不静定ばり
演習問題
重ね合わせの原理を説明でき,複数の荷重が同時に作用する静定梁のたわみ量解析に適用できる。
2週 第6章 垂直梁のたわみ
6.5 不静定ばり
演習問題
分布荷重を受ける半固定梁の支点反力が計算できる。
3週 第6章 垂直梁のたわみ
6.5 不静定ばり
演習問題
集中荷重を受ける半固定梁の支点反力が計算できる。
4週 第6章 垂直梁のたわみ
6.5 不静定ばり
演習問題
分布荷重を受ける両端固定梁の支点反力が計算できる。
5週 第6章 垂直梁のたわみ
6.5 不静定ばり
演習問題
集中荷重を受ける両端固定梁の支点反力が計算できる。
6週 第6章 垂直梁のたわみ
6.5 不静定ばり
演習問題
連続梁の支点反力が計算できる。
7週 第6章 垂直梁のたわみ
演習問題
不静定梁の解析に関する演習問題を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 第8章 ひずみエネルギー
8.1 単純引張,圧縮および単純せん断におけるひずみエネルギー
8.3 衝撃応力
引張・圧縮荷重に関するひずみエネルギーを計算できる。
衝撃荷重が加わった際の応力を計算できる。
10週 第8章 ひずみエネルギー
8.4 カスティリアノの定理
カスティリアーノの定理を説明でき,静定トラスの変形量解析に利用できる。
11週 第8章 ひずみエネルギー
8.4 カスティリアノの定理
カスティリアーノの定理を,不静定トラスの変形量解析に利用できる。
12週 第8章 ひずみエネルギー
8.2 曲げおよびねじりのひずみエネルギー
単純せん断およびねじりに関するひずみエネルギーを計算できる。
13週 第8章 ひずみエネルギー
8.2 曲げおよびねじりのひずみエネルギー
8.4 カスティリアノの定理
曲げに関するひずみエネルギーを計算でき,カスティリアーノの定理と併せて静定梁の解析に利用できる。
14週 第8章 ひずみエネルギー
8.2 曲げおよびねじりのひずみエネルギー
8.4 カスティリアノの定理
カスティリアーノの定理を不静定梁の解析に利用できる。
15週 第8章 ひずみエネルギー
演習問題
ひずみエネルギー・カスティリアーノの定理に関する演習問題を解くことができる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前1,後10,後11
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後13,後14
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前5,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後13,後14
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前5,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後13,後14
仕事の意味を理解し、計算できる。4後9
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4後9
動力の意味を理解し、計算できる。4前5
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
応力とひずみを説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,後9,後10
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前3
許容応力と安全率を説明できる。4前7,前15,後7,後15
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4前1,前2,前6,後9,後10,後11
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前5,後12,後13,後14
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前5,後12,後13,後14
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4後12,後13,後14
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
多軸応力の意味を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前1
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後9,後10,後11
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後12,後13,後14
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4後14,後15
材料引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。2

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
静定梁のたわみ20525
不静定梁のたわみ20525
ひずみエネルギー20525
組み合わせ応力20525