水力学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 水力学
科目番号 200111 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:大坂英雄他 流体工学の基礎(共立出版、ISBN 978-4-320-08187-1) 参考書:中村克孝他 学生と技術者のための水力学問題演習(パワー社、ISBN 978-4-8277-1285-8)
担当教員 上代 良文

到達目標

1. SI単位,粘性,圧縮性など,流体の性質と圧力,せん断応力,液柱計,液体の力,浮力について理解できる。
2. 連続の式,ベルヌーイの定理,運動量の法則を用いて流体の運動学について応用できる。
3. 管内流の速度分布,流体摩擦・諸損失について理解し,配管設計に応用できる。
4. 円柱,球,翼などに作用する力を計算でき,設計に応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1SI単位,粘性,圧縮性など,流体の性質と圧力,せん断応力,液柱計,液体の力,浮力について正しく理解し,その計算ができる。SI単位,粘性,圧縮性,圧力,せん断応力,液柱計,液体の力,浮力の計算ができる。SI単位,粘性,圧縮性,圧力,せん断応力,液柱計,液体の力,浮力の計算ができない。
到達目標2流れ場に応じて,連続の式,ベルヌーイの定理,運動量の法則を適切な形で用いることができる。連続の式,ベルヌーイの定理,運動量の法則を用いた計算ができる。連続の式,ベルヌーイの定理,運動量の法則を用いた計算ができない。
到達目標3管内流の速度分布,流体摩擦・諸損失について現象を正しく理解し,配管設計に応用できる。管内流の速度分布が与えられたとき,流体摩擦・諸損失について,配管計算ができる。管内流の速度分布が与えられたとき,流体摩擦・諸損失について,配管計算ができない。
到達目標4流れの中に置かれた円柱,球,翼などに作用する力を求める公式と図表とを正しく選択し,設計計算ができる。流れの中に置かれた円柱,球,翼などに作用する力を求める公式と図表を見て,設計計算ができる。流れの中に置かれた円柱,球,翼などに作用する力を求める公式と図表を見て,設計計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
流体の性質,圧力,液柱計,液体の力,浮力について理解し, 連続の式,ベルヌーイの定理,運動量の法則の計算,摩擦を考慮した管路設計,流れの中に置かれた物体に作用する力を計算できる。
この科目は企業で流体機械の設計を担当していた教員が,その経験を活かし,
流体機械の種類,特性,設計手法について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に講義し,いろいろな法則について,原理から誘導する。その物理的意味を理解するために演習問題を課す。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスを用いたガイダンスの後,1.流体工学とは(1)SI単位系,(2)密度,(3)粘性,(4)圧縮性 ・流体の定義,力学的な取り扱い方を説明できる。
・SI単位について理解でき,それに基づいて密度,粘性・非粘性流体,圧縮性・非圧縮性流体とそれを表わす物理量の定義と単位を説明でき,その計算ができる。
・ニュートンの粘性法則,ニューートン流体,非ニュートン流体を説明できる。
2週 1.流体工学とは(1)SI単位系,(2)密度,(3)粘性,(4)圧縮性 ・流体の定義,力学的な取り扱い方を説明できる。
・SI単位について理解でき,それに基づいて密度,粘性・非粘性流体,圧縮性・非圧縮性流体とそれを表わす物理量の定義と単位を説明でき,その計算ができる。
・ニュートンの粘性法則,ニューートン流体,非ニュートン流体を説明できる。
3週 1.流体工学とは(1)SI単位系,(2)密度,(3)粘性,(4)圧縮性 ・流体の定義,力学的な取り扱い方を説明できる。
・SI単位について理解でき,それに基づいて密度,粘性・非粘性流体,圧縮性・非圧縮性流体とそれを表わす物理量の定義と単位を説明でき,その計算ができる。
・ニュートンの粘性法則,ニューートン流体,非ニュートン流体を説明できる。
4週 2.流体の静水力(1)圧力 ・液体の圧力(ゲージ,絶対),パスカルの原理の計算ができる。
5週 2.流体の静水力(2)重力の作用下における静止した流体 ・液柱計・マノメータの計算ができる。
6週 2.流体の静水力(3)固体壁面に作用する圧力による力 ・壁面に及ぼす液体の全圧力・圧力中心の計算ができる。
7週 2.流体の静水力(4)浮力 ・物体に作用する浮力の計算ができる。
8週 前期中間試験 流体工学の基礎と流体の静水力に関する出題
2ndQ
9週 3.流体運動の基礎(1)流線と流管 ・定常流・非定常流の違い,流線・流管の定義,質量保存則・連続の式を説明でき,流速・流量を計算できる。
10週 3.流体運動の基礎(2)連続の式 ・流体の速度,流線に基づいて連続の式を説明でき,応用計算ができる。
11週 3.流体運動の基礎(2)連続の式
・流体の速度,流線に基づいて連続の式を説明でき,応用計算ができる。
12週 3.流体運動の基礎(3)ベルヌーイの定理 ・エネルギー保存則・ベルヌーイの定理を説明できる。
13週 3.流体運動の基礎(3)ベルヌーイの定理 ・ピトー管,ベンチュリ管,オリフィスによる流速・流量の測定原理を説明でき、その計算ができる。
14週 3.流体運動の基礎(4)運動量の法則 ・運動量の法則を説明でき,流体が物体に及ぼす力を計算できる。
15週 3.流体運動の基礎(4)運動量の法則 ・運動量の法則を説明でき,流体が物体に及ぼす力を計算できる。
16週 前期末試験 流体運動の基礎に関する出題
後期
3rdQ
1週 4.管路内流れ
(1)粘性流体の運動とレイノルズ数
(2)円管流の速度分布(層流、乱流)
(3)円管流の圧力損失
(4)非円形断面管の圧力損失
(5)管路系
・層流・乱流とレイノルズ数の関係が説明でき,レイノルズ数・臨界レイノルズ数を計算できる。
2週 4.管路内流れ(1)粘性流体の運動とレイノルズ数 ・層流・乱流とレイノルズ数の関係が説明でき,レイノルズ数・臨界レイノルズ数を計算できる。
3週 4.管路内流れ(2)円管流の速度分布(層流、乱流) ・円管内層流・乱流の速度分布,ハーゲン・ポアズイユの法則を説明でき,ムーディ線図から管摩擦係数を読み,ダルシー・ワイスバッハの式から管摩擦損失を計算できる。
4週 4.管路内流れ(2)円管流の速度分布(層流、乱流) ・円管内層流・乱流の速度分布,ハーゲン・ポアズイユの法則を説明でき,ムーディ線図から管摩擦係数を読み,ダルシー・ワイスバッハの式から管摩擦損失を計算できる。
5週 4.管路内流れ(3)円管流の圧力損失 ・円管内層流・乱流の速度分布,ハーゲン・ポアズイユの法則を説明でき,ムーディ線図から管摩擦係数を読み,ダルシー・ワイスバッハの式から管摩擦損失を計算できる。
6週 4.管路内流れ(4)非円形断面管の圧力損失 ・管路における諸損失を計算できる。
7週 4.管路内流れ(5)管路系 ・管路における諸損失を計算できる。
8週 後期中間試験 管路内流れに関する出題
4thQ
9週 5.外部流れ(1)外部流れと境界層 流れの中にある物体の抗力・揚力を説明でき,抗力係数・揚力係数から抗力・揚力を計算できる。
10週 5.外部流れ(1)外部流れと境界層 流れの中にある物体の抗力・揚力を説明でき,抗力係数・揚力係数から抗力・揚力を計算できる。
11週 5.外部流れ(1)外部流れと境界層 流れの中にある物体の抗力・揚力を説明でき,抗力係数・揚力係数から抗力・揚力を計算できる。
12週 5.外部流れ(1)外部流れと境界層
(2)物体に働く力
流れの中にある物体の抗力・揚力を説明でき,抗力係数・揚力係数から抗力・揚力を計算できる。
13週 5.外部流れ(2)物体に働く力 流れの中にある物体の抗力・揚力を説明でき,抗力係数・揚力係数から抗力・揚力を計算できる。
14週 5.外部流れ(2)物体に働く力 流れの中にある物体の抗力・揚力を説明でき,抗力係数・揚力係数から抗力・揚力を計算できる。
15週 5.外部流れ(2)物体に働く力 流れの中にある物体の抗力・揚力を説明でき,抗力係数・揚力係数から抗力・揚力を計算できる。
16週 後期末試験 外部流れに関する出題

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4前1,前8
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前2,前8
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4前3,前8
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4前4,前8
パスカルの原理を説明できる。4前4,前8
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4前5,前8
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4前6,前8
物体に作用する浮力を計算できる。4前7,前8
定常流と非定常流の違いを説明できる。3前9,前16
流線と流管の定義を説明できる。4前9,前16
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前10,前11,前13,前16
オイラーの運動方程式を説明できる。2前12,前16
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前12,前16
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前14,前15,前16
層流と乱流の違いを説明できる。3後1,後8,後16
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3後2,後3,後8,後16
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後4,後5,後8,後16
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後6,後7,後8,後16
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。2後9,後10,後11,後16
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。3後12,後13,後16
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。3後14,後15,後16

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
到達目標1223000025
到達目標2232000025
到達目標3223000025
到達目標4232000025