数値計算法Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 数値計算法Ⅱ
科目番号 200131 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 河村哲也, 数値計算法入門, サイエンス社, ISBN978-4-7819-1421-3
担当教員 木村 祐人

到達目標

1.最小二乗法について理解し,直線近似,曲線近似のプログラミングができる。
2.補完法について理解し,ラグランジュの補完法のプログラミングができる。
3.数値積分について理解し,台形公式,シンプソンの公式のプログラミングができる。
4.常微分方程式の数値解析について理解し,オイラー法,ルンゲクッタ法のプログラミングができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1最小二乗法について理解し,直線近似,曲線近似のプログラミングが自力でできる。最小二乗法について理解し,直線近似,曲線近似のプログラミングが解説を参考にしながらできる。最小二乗法について理解できない。
評価項目2補完法について理解し,ラグランジュの補完法のプログラミングが自力でできる。補完法について理解し,ラグランジュの補完法のプログラミングが解説を参考にしながらできる。補完法について理解できない。
評価項目3数値積分について理解し,台形公式,シンプソンの公式のプログラミングが自力でできる。数値積分について理解し,台形公式,シンプソンの公式のプログラミングが解説を参考にしながらできる。数値積分について理解できない。
評価項目4常微分方程式の数値解析について理解し,オイラー法,ルンゲクッタ法のプログラミングが自力でできる。常微分方程式の数値解析について理解し,オイラー法,ルンゲクッタ法のプログラミングが解説を参考にしながらできる。常微分方程式の数値解析について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学の発展に伴い, 扱う対象となる問題が複雑化・高度化し, これらを解析するための計算科学に対する期待は高まっている。計算技術の発展に伴い, 解析結果を設計に生かすことは必須となりつつあるが, 便利さゆえに解析の中身はブラックボックスになりがちである。誤った解析結果をそのまま用いることを防ぐために, 解析で使われている計算手法について学ぶことが重要であるのは言うまでもないだろう。本科目では, 計算力学への応用を念頭に, いくつかの数値計算法を取り上げ, 数学的な問題を計算機で解くための方法について学ぶ。具体的には, 最小二乗法, 補間法, 数値積分, 常微分方程式, 偏微分方程式を取り上げ, 理論的な解説と計算・プログラミング演習を併せて行う。
授業の進め方・方法:
数値計算のための理論や計算式の導出・解説を行い, 例題の計算演習を行う。
その後で, プログラムを作成する実習を行う。
計算演習やプログラムは適宜提出課題とし, 評価に加える。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
データの平均, 分散, 標準偏差について学ぶ。
データの平均, 分散, 標準偏差について説明できる
2週 標本分散と不偏分散について学ぶ。 標本分散と不偏分散の違いについて説明できる。
3週 2次元データの散布図と相関係数について学ぶ。 散布図と相関係数の意味を説明できる。
4週 最小二乗法を用いた回帰直線について学ぶ。 最小二乗法を用いて回帰直線の係数を計算できる。
5週 プログラミング演習:回帰直線 回帰直線のプログラムが作れる。
6週 最小二乗法を用いた回帰曲線(多項式の場合)について学ぶ。 最小二乗法を用いた回帰曲線(多項式の場合)の係数を計算できる。
7週 プログラミング演習:多項式を用いた最小二乗法 多項式を用いた最小二乗法のプログラムが作れる。
8週 中間試験 中間試験
2ndQ
9週 ラグランジュの補完法について学ぶ。 補完法について説明できる。
10週 プログラミング演習:補間法 補間法の計算プログラムを作成できる。
11週 数値積分について学び,台形公式を導出する。 台形公式の導出が説明できる。
12週 プログラミング演習を行う:台形公式,シンプソンの公式 台形公式,シンプソンの公式のプログラミングができる。
13週 シンプソンの公式について学ぶ。 シンプソンの公式について説明できる。
14週 プログラミング演習を行う:台形公式,シンプソンの公式 台形公式,シンプソンの公式のプログラミングができる。
15週 計算演習:台形公式,シンプソンの公式 台形公式,シンプソンの公式を用いて積分を手計算できる。
16週 期末試験 期末試験
後期
3rdQ
1週 オイラー法について学ぶ。 オイラー法について説明できる。
2週 プログラミング演習を行う:オイラー法 オイラー法のプログラミングができる。
3週 ルンゲ・クッタ法の基礎について学ぶ。 ルンゲ・クッタ法の基礎について説明できる。
4週 ルンゲ・クッタ法(2次,3次,4次)について学ぶ。 ルンゲ・クッタ法(2次,3次,4次)について説明できる。
5週 プログラミング演習を行う:オイラー法,ルンゲ・クッタ法 オイラー法,ルンゲ・クッタ法のプログラミングができる。
6週 プログラミング演習を行う:オイラー法,ルンゲ・クッタ法 オイラー法,ルンゲ・クッタ法のプログラミングができる。
7週 計算演習を行う:オイラー法,ルンゲ・クッタ法 オイラー法やルンゲ・クッタ法を用いて, 常微分方程式の数値解を計算できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 高階の微分方程式の数値計算法について学ぶ。 高階の微分方程式の数値計算法を理解できる。
10週 プログラミング演習を行う:減衰振動の運動方程式 減衰振動の運動方程式を計算するプログラムを作成できる。
11週 プログラミング演習を行う:減衰振動の運動方程式 減衰振動の運動方程式を計算するプログラムを作成できる。
12週 偏微分方程式について学ぶ。 偏微分方程式はどんなものか説明できる。
13週 移流方程式の差分化について学ぶ。 移流方程式の差分式を導出できる。
14週 拡散方程式の差分化について学ぶ。 拡散方程式の差分式を導出できる。
15週 プログラミング演習:偏微分方程式 簡単な偏微分方程式の数値解を計算するプログラムを作成し, データを可視化できる。
16週 プログラミング演習:偏微分方程式 簡単な偏微分方程式の数値解を計算するプログラムを作成し, データを可視化できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前1,前2
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
定数と変数を説明できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
条件判断プログラムを作成できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
繰り返し処理プログラムを作成できる。4前4,前6,前7,前12,前13,前14,前15,後5,後6,後7,後13,後14,後15
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4前4,前6,前7

評価割合

試験レポートその他合計
総合評価割合60400100
到達目標11510025
到達目標21510025
到達目標31510025
到達目標41510025