創造機械電子基礎実験実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 創造機械電子基礎実験実習Ⅰ
科目番号 180302 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実技・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械電子工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:電気実習は実習教本を配布する。その他は必要に応じて資料を配布または提示する。参考書: (1) 大西久治著,伊藤猛改訂,「機械工作要論」,オーム社, ISBN 978-4-274-05008-4 (2) 平井三友,和田任弘,塚本晃久,「機械工作法」,コロナ社, ISBN 4-339-04481-2 (3) 高川弘三,早川晃示,小川隆,杉江正博編著,「わかりやすい電気電子基礎」コロナ社ISBN 4-339-00821-0 (4) トランジスタ技術編集部,「わかる電子回路部品完全図鑑」,CQ出版社,ISBN 4-7898-3422-3
担当教員 高橋 洋一,石井 耕平,津守 伸宏

到達目標

学習目標 実習により,技術者に必要である基礎的な機械加工と電子実験の技術を身に付ける。
1.安全の重要性を認識し,作業に応じて基本的な安全対策をとることができる。
2.実習内容及びその結果を報告書にまとめることができる。
【機械系】
1.ガス溶接とアーク溶接の違いを言え,簡単な溶接ができる。
2.鍛造とは何かを簡単に説明でき,簡単な鍛造作業ができる。
3.旋盤の機能・構造を簡単に説明でき,簡単な操作ができる。
4.タップ,ダイスを使って手作業でねじ切りができる。ヤスリを正しく使えられる。
5.ノギス,マイクロメータを使って寸法を測定することができる。
【電子系】
1. 初歩的な電気回路図を読むことができる。
2. ブレッドボードを使用して回路の配線でき,電圧・電流を測定できる。
3.カラーコード表を使って抵抗器の値を読むことができる。
 4.実験で得られた数値を,適切に処理することができる。
 5.オームの法則,キルヒホッフの法則を知っている。
6.電圧計,電流計,回路計を使用できる。
7.電圧・電流の関係を,グラフに表すことができる。
8.オシロスコープで波形を観測できる。
9.オシロスコープ上の波形を,CCDカメラで撮影できる。
10.発振器を使用できる。
【総合】
 1.5,6人のチームで発明コンテストに参加し,発明品のアイデアを考えるとともに,自らの意見を報告する方法を学び,知的財産権に関する知識を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械系・安全作業を理解し,簡潔で要領を得た実習記録を作成できる。 ・図面に忠実に,各種工作物を作成することができる。・安全作業を理解し,実習記録を作成できる。 ・各種工作物を作製することができる。・実習記録を作成できない。 ・各種工作物の作製ができない。
電子系・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができ,かつ,実験結果のまとめかたや考察の内容が特に優れている。 ・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。 仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができない。
発明コンテスト必要な書類を期限までに全て提出し,学科発明コンテストまたは校内発明コンテストに選出される。必要な書類を期限までに全て提出する。必要な書類が期限までに提出されない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
最終評価は実習結果を100%とする。
実習結果の内訳は年間を通じて,機械系45% (作品22.5%+報告書22.5%),電子系45%(報告書のみ),発明コンテスト10%とする。
実験実習に対する取り組みが悪い場合は減点する(注.実習結果は期限までに提出された報告書で評価する)。
未提出の報告書がある場合,最終評定に上限が付く(未提出ありで80点にはならない,など)。
総実習時間の80%以上の出席がなければ不合格とする。その際,欠席の理由は考慮しない。
報告書作成における不正(データの盗用および改ざん,文面の丸写し等)が発覚した場合は当該部分の得点をゼロとする。
授業の進め方・方法:
1.実習服を着用し,安全第一で作業を進める。
2.年間の課題を機械と電子のパートに分け,機械パートは10人程度の班,電子パートは2人1組の(毎回異なる)班に分かれて各パートの課題に取り組み,1年間で一巡する。
3.実習教本または資料を使用し,指導者の指導・監督のもとに作業する。
4.各課題終了後に報告書を作成し,修得した知識・技術を整理する。
5.発明コンテストは,基本授業時間外(放課後)などを用いて,チームごとに進める。学科での審査を経て,優秀な作品は学内発明コンテストでのプレゼンテーション,または全国発明コンテストへ応募する。
注意点:
・実験実習で必要と考えられる,メカトロニクス基礎Ⅰ(電子系)で学習した項目を事前に復習しておくこと。
・授業期間中の実習実施回数が30回に満たない場合,補講期間に不足分の実習を行う。
・発明コンテストに関する調査などは原則授業時間外に各チームで行い,学科選考により優秀なアイデアについて,補講期間中に成果報告会を5年生と合同で行う。
・メカトロニクス基礎Ⅰ(電子系)で学習するオームの法則,キルヒホッフの法則,電圧・電流の導出方法を理解しておく必要がある。
・この科目は指定科目であり,この科目の単位修得が進級要件となるので,必ず修得すること。
・実験系科目であるので,再試験および単位追認試験の対象にはならない。
・原則として欠席時の補講は行わない。ただし,電子系については正当な理由がある場合,補講できる。その際,担任,実習担当教員に欠席の理由を明確にできる証明書等を提出する必要がある。
・高橋教員は機械工学科の教員である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.総説 (3)
(1) 工作実習の意義
(2) 安全教育
(3) 実習報告書の書き方
(4) 実習場所の確認 ・実験実習行う際の5S (整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を知っている。

・実験実習行う際の5S (整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を知っている。

2週 鍛造・溶接実習
片刃バイトの製作1
バイトのシャンクを鍛造で製作できる。
3週 鍛造・溶接実習
片刃バイトの製作2
バイトのチップをろう付けできる。
4週 鍛造・溶接実習
アーク溶接実習1
被覆アーク溶接の基本操作ができる。
5週 鍛造・溶接実習
アーク溶接実習2
被覆アーク溶接の運棒操作ができる。
6週 鍛造・溶接実習
ガス溶接実習1
ガス溶接の基本操作ができる。
7週 鍛造・溶接実習
ガス溶接実習2
ガス溶接の運棒操作ができる。
8週 鍛造・溶接実習
箱の製作および水漏れ試験
溶接で箱を製作し,水漏れ試験ができる。
2ndQ
9週 オームの法則(実験の基礎・文章の書き方・数値の取り扱い) ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
10週 回路計 ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
11週 電圧降下法による抵抗測定 ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
12週 キルヒホッフの法則① ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
13週 キルヒホッフの法則② ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
14週 ホイートストンブリッジ ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
15週 抵抗・LED過電流実験 ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
16週
後期
3rdQ
1週 旋盤実習
ノギス・マイクロメータおよび旋盤の構造と操作法
旋盤の基本的操作ができるとともにノギス,マイクロメータを使って測定できる。
2週 旋盤実習
段付きシャフトの作製1
端面,全長,外形加工ができる。
3週 旋盤実習
段付きシャフトの作製2
溝入れ,テーパー加工ができる。
4週 旋盤実習
段付きシャフトの作製3
雄ねじの加工ができる。
5週 仕上げ実習
植込みボルト,ナット,座金の製作1
各種製品に必要な材料を切断できる。
6週 仕上げ実習
植込みボルト,ナット,座金の製作2
やすり,ボール盤を使って座金を製作できる。
7週 仕上げ実習
植込みボルト,ナット,座金の製作3
やすり,ボール盤,タップを使ってナットを製作できる。ダイスを使ってボルトが作製できる。
8週 電圧降下法による抵抗測定(復習) ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
4thQ
9週 電球の電力測定 ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
10週 分流器・倍率器 ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
11週 ダイオード静特性 ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
12週 交流信号の観測(オシロスコープ) ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
13週 交流信号の形成(発信器) ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
14週 交流信号の形成と観測(復習) ・実験指導者に従い,実験を行うことができる。
・仕様に従ってレポートを書き,期限内に提出することができる。
15週 レポート指導 報告書の書き方を知っている。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4
やすりを用いて平面仕上げができる。4
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4

評価割合

報告書作品その他合計
総合評価割合672310100
機械系2223045
電子系450045
発明コンテスト001010