電子回路

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子回路
科目番号 200311 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械電子工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路を理解する[第2版]」,小澤孝夫著,森北出版(ISBN 978-4-627-71212-6),「情報工学のための電子回路」,山崎亨著,森北出版(ISBN 4-627-80200-5)
担当教員 山下 智彦

到達目標

1.LRC回路についてZ行列,Y行列,H行列,F行列の求め方を知っている。
2.CR回路及びLR回路の過渡応答について説明できる。
3.ダイオード及びトランジスタの特徴と等価回路について説明できる。
4.バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の基礎と等価回路について説明できる。
5.オペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路について説明できる。
6.論理回路の図記号,論理式,真理値表を書くことができる。
7.フリップフロップの動作を説明できる。
8.AD/DA変換器の原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1. 2端子対回路4つ以下の素子で構成されるLRC回路について,Z行列,Y行列,H行列,F行列を求めることができる。4つ以下の素子で構成されるLRC回路について,Z行列,Y行列,H行列,F行列の求め方を知っている。4つ以下の素子で構成されるLRC回路について,Z行列,Y行列,H行列,F行列の求め方を知らない。
評価項目2. 過渡応答CR回路及びLR回路の過渡応答について,グラフの概形を計算により求め,説明することができる。CR回路及びLR回路の過渡応答の概要をグラフを描いて説明できる。CR回路及びLR回路の過渡応答について概要を説明できない。
評価項目3. ダイオードとトランジスタダイオード及びトランジスタの特徴を説明し,等価回路を描くことができる。ダイオード及びトランジスタの特徴と等価回路について説明できる。ダイオード及びトランジスタの特徴と等価回路について説明できない。
評価項目4. 増幅回路バイポーラトランジスタを用いた増幅回路について,等価回路を用いた解析と,簡単な設計をする事ができる。バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の基礎と等価回路について説明できる。バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の基礎と等価回路について説明できない。
評価項目5. オペアンプオペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路の入出力関係について説明し,簡単な設計をする事ができる。オペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路の入出力関係について説明することができる。オペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路の入出力関係について説明できない。
評価項目6. 論理回路複雑な論理回路の図記号,論理式,真理値表を書き,利用することができる。簡単な論理回路の図記号,論理式,真理値表を書くことができる。簡単な論理回路の図記号,論理式,真理値表を書けない。
評価項目7. フリップフロップ各種フリップフロップの動作と原理について説明し,タイムチャートを描くことができる。各種フリップフロップの動作を説明できる。各種フリップフロップの動作を説明できない。
評価項目8. AD/DA変換器AD/DA変換器の原理を説明でき,簡単な設計をすることができる。AD/DA変換器の原理を説明できる。AD/DA変換器の原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・電子回路の基礎的な知識を幅広く学習する。
・前期中間試験までの学習内容は電気回路を含む。
授業の進め方・方法:
・教科書に沿って,板書を中心に講義を行う。
・必要に応じて参考資料を配布する。
・前期中間試験までは,小澤孝夫著「電気回路を理解する」,その後は 山崎亨著「情報工学のための電子回路」の内容に沿って講義を行う。
・レポート10%,試験90%として評価し,学習到達目標を達成できているかどうかを判断する。
・試験期ごとに2回程度,課題レポートを課す。
・遠隔授業を行った場合は,授業動画の内容を書き写した授業ノートの提出を持って出席とする(レポート提出によって出席とする場合あり)。
注意点:
・評価割合の数字は目安とする(試験期ごとに25%とする)。
・2020年度については,前期はレポート50%,期末試験50%として評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要・シラバス説明
2端子対回路の基本
Y行列の解説
2端子対回路の解析に必要な基礎計算ができる。
Y行列の計算方法を知っている。
2週 Z行列の解説
Z行列とY行列についての演習
Z行列の計算方法を知っている。
Y行列が計算できる。
3週 Z行列とY行列についての演習
H行列の解説
Z行列が計算できる。
H行列の計算方法を知っている。
4週 H行列の解説
F行列の解説
H行列とF行列についての演習
H行列が計算できる。
F行列が計算できる。
5週 過渡応答(CR回路)
CR回路の過渡応答の概要を説明できる。
6週 CR回路の過渡応答における時定数
過渡応答(LR回路)
CR回路の過渡応答における時定数を説明できる。
LR回路の過渡応答の概要を説明できる。
7週 LR回路過渡応答における時定数
過渡応答についての演習
LR回路の過渡応答における時定数を説明できる。
CR回路及びLR回路の過渡応答を計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却および解説
ダイオードの静特性
ダイオードの静特性についてグラフの読み取りができる。
10週 ダイオードの等価回路 ダイオードの等価回路を描ける
11週 トランジスタの種類
トランジスタの静特性
トランジスタの分類やバイポーラトランジスタの静特性について説明できる。
12週 トランジスタの等価回路 バイポーラトランジスタの等価回路について知っている。
13週 トランジスタ増幅回路の概要 バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の役割を知っている。
14週 トランジスタ増幅回路の解析 バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の解析方法を知っている。
15週 トランジスタ増幅回路の解析 バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の解析を行うことができる。
16週 期末試験返却
後期
3rdQ
1週 OPアンプの基礎 OPアンプの特性について説明ができる。
2週 反転増幅回路 OPアンプを使った反転増幅回路を説明できる。
3週 非反転増幅回路 非反転増幅回路を説明できる。
4週 加算器と減算器 加算器と減算器を説明できる。
5週 積分器 積分器を説明できる。
6週 微分器 微分器を説明できる。
7週 積分器,微分器のフィルタ特性
その他の演算回路
演習
積分器,微分器のフィルタ特性を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却および解説
ブール代数
TTLゲート
ブール代数の計算ができる
代表的なTTLゲートについて説明できる。
10週 TTLゲート
論理式
真理値表
TTLゲートを複数用いた回路について論理式と真理値表を書ける。
11週 真理値表とカルノー図
ブール代数についての演習
カルノー図を扱うことができる。
12週 RSフリップフロップ
タイムチャート
フリップフロップの動作を説明できる。
13週 JKフリップフロップ
Dフリップフロップ
Tフリップフロップ
フリップフロップの動作を説明できる。
14週 AD変換器の原理

AD変換器の原理を説明できる。
15週 DA変換器の原理
AD/DA変換器についての演習
DA変換器の原理を説明できる。
16週 試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合928100
評価項目1.2端子対回路15116
評価項目2.過渡応答10111
評価項目3.ダイオードとトランジスタ14115
評価項目4.増幅回路819
評価項目5.オペアンプ22123
評価項目6.論理回路819
評価項目7.フリップフロップ819
評価項目8.AD/DA変換器718