物理化学基礎

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理化学基礎
科目番号 200020 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 無し
担当教員 岡野 寛

到達目標

気体と溶液に関連する内容を理解し関連した問題を解くことができる。
反応速度と化学平衡に関連する内容を理解し関連した問題を解くことができる。
電池と無機化学のトピックを理解し関連した問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体と溶液に関連する内容を理解し、関連した問題を解くことができ、種々の化学の現象に適用できる。気体と溶液に関連する内容を理解し関連した問題を解くことができる。気体と溶液に関連する内容を理解できず、関連した問題を解くことができない。
評価項目2反応速度と化学平衡に関連する内容を理解し、関連した問題を解くことができ、種々の化学の現象に適用できる。反応速度と化学平衡に関連する内容を理解し関連した問題を解くことができる。反応速度と化学平衡に関連する内容を理解できず、関連した問題を解くことができない。
評価項目3電池と無機化学のトピックを理解し、関連した問題を解くことができ、種々の化学の現象に適用できる。電池と無機化学のトピックを理解し関連した問題を解くことができる。電池と無機化学のトピックを理解できず、関連した問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術者として必要な基礎化学理論を学習する。各種理論の適用例・応用分野を理解し、新物質・新材料の創造について考える能力を養うことを目標とする。この科目は企業で電気電子材料の開発を担当していた教員が,その経験を活かし,物理化学の基礎から応用分野について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
化学の理論を簡潔に説明すると同時に、関連する精選した問題を解説し、その類題を学生に解答させる。公式の導出など,その途中経過も含めてプレゼンテーション形式で学生に回答させる。授業の終わりにKahootを用いて小テストを実施する。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学の基礎知識の確認(1) 電子配置と元素の性質との関連を理解する.
2週 化学の基礎知識の確認(2) 簡単な分子の形状を電子配置から理解する.
3週 化学の基礎知識の確認(3) 化学の重要な物理量の定義を理解し、関連する問題を解くことができる。化学反応の前後に変化する物質を定量することができる。
4週 気体に関する内容 気体の状態方程式の基本問題を解くことができる。
5週 溶液に関する内容(1) モル濃度を中心とした問題から適切な解答を算出できる。
6週 溶液に関する内容(2) 酸塩基反応・酸化還元反応の各応用問題を解くことができる。
7週 1週~6週までの復習 1週~6週までの内容を理解し問題を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 反応速度論(1) 反応速度の定義を理解し、反応速度に影響を与える因子を定量的に説明できる。
10週 反応速度論(2) 速度定数の温度依存性から、活性化エネルギーを算出できる。
11週 化学平衡(1) 化学平衡の原理を理解し、平衡定数などの関係を説明できる。
12週 化学平衡(2) 溶液中の化学平衡から、溶液中の化学物質の濃度を算出できる。
13週 電池 標準電極電位の定義を理解し電池の起電力を算出できる。
14週 無機化学のトピック 代表的な無機物質の工業的製法を理解し、その利点を説明できる。
15週 10週~15週までの復習 10週~15週までの内容を理解し、問題を解くことができる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
化学実験化学実験測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3

評価割合

試験プレゼンテーション小テスト合計
総合評価割合801010100
基礎的能力40101060
専門的能力400040