環境工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 環境工学Ⅰ
科目番号 200409 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:PEL編集委員会,環境工学(実教出版),配布テキスト その他の参考資料は適宜テキストにて紹介する
担当教員 多川 正

到達目標

地球上の水資源の循環,利用形態を理解し,水質汚濁における公害の発生原因,および最新の水環境問題について説明できる。都市生活の上で必要不可欠な水道水の供給などの都市環境保全に必要な技術を理解し,水環境を保全,修復,管理するための基本的な考え方を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水の物性、水の循環および消失を理解している。水の物性、水の循環を理解している。水の物性、水の循環が説明できない。
評価項目2水質指標を測定原理を含めて理解している。水質指標を理解している。水質指標を説明できない。
評価項目3国内外の水質汚濁の現状を理解している。水質汚濁の現状を理解している。水質汚濁の現状を説明できない。
評価項目4水質汚濁物の発生源と移動過程を理解でき、原単位、発生負荷から河川浄化モデルを含めた計算ができる。水質汚濁物の発生源と移動過程を理解でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。水質汚濁物の発生源と移動過程を説明できない。
評価項目5水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化)を理解しており、対策について理解している。水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化)を理解している。水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化)を説明できない。
評価項目6水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規)および時代の変遷を理解している。水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規)を理解している。水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規)を説明できない。
評価項目7水道の歴史、衛生的役割、種類を説明できる。水道の役割、種類を説明できる。水道の役割、種類を説明できない。
評価項目8水道計画を理解でき、これに関する施設容量の計算ができる。水道計画を理解でき、これに関する計算ができる。水道計画を説明できない。
評価項目9個々の水道施設を理解し、容量計算ができる。水道施設を理解している。水道施設を説明できない。
評価項目10浄水の単位操作(凝集・沈殿凝集等)を理解し、容量計算ができる。浄水の単位操作(凝集・沈殿凝集等)を理解している。浄水の単位操作(凝集・沈殿凝集等)を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で水浄化設備の計画や技術を担当していた教員が,その経験を活かし,水質汚濁問題の最新の状況や浄水技術の計画について講義形式で授業を行うものである。
地球上の水資源の循環,利用形態を理解し,水質汚濁における公害の発生原因,および最新の水環境問題について説明できる。都市生活の上で必要不可欠な水道水の供給などの都市環境保全に必要な技術を理解し,水環境を保全,修復,管理するための基本的な考え方を習得する。
授業の進め方・方法:
授業内容の理解を深めるために,テキストを配布して教科書の内容を補足説明する。講義主体であるが,適宜小実験を見せるので,理解を深める一助にしてほしい。適宜,演習課題(計算等)を行い,化学,単位計算等の理解を深める。
注意点:
引用・参考図書を配布テキストに併記してありますので,自主的に学習に取り組む,自学自習の姿勢を希望します。また,授業に関連する参考書,図書,DVD等の貸し出しを随時行っています。毎年10月に実施される,公害防止管理者試験(国家資格)にも積極的に取り組んで欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、成績評価
2週 水の分布と循環 水の物性,性質について説明できる。
3週 日本の水事情、水の利用形態 水の3つの利用形態について説明できる。
4週 環境化学の基礎 pH,酸化還元など,水質環境の理解に必要な化学の簡単な計算を理解し,問題が解答できる。
5週 公害、水質汚濁の現状 水環境に関する公害の発生理由と歴史について説明できる。
6週 水質指標(1) 水質指標の基礎となる,pH、BOD, COD, SSなどについて,化学の知識を用い,測定原理を含めた説明および計算問題が解答できる。
7週 水質浄化のメカニズム 水質浄化のメカニズムを説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 最近の水環境問題 水資源の確保,新たな汚染の問題などについて説明できる。
10週 水質指標(2) 水質指標の窒素,リンなどについて,化学の知識を用い,測定原理を含めた説明および計算問題が解答できる。
11週 環境基準と排水基準 環境基準と排水基準の相違点について説明できる。
12週 公共用水域の環境基準達成度 各水域における環境基準の達成率について特徴を説明できる。
13週 海外における水環境問題 海外における水質汚濁問題や事故事例などについて説明できる。
14週 水資源の消失、公平な分配 バーチャルウオーター,水資源の公平な分配に関する問題点について説明できる。
15週 前期末試験
16週 試験返却・解説
後期
3rdQ
1週 水道の役割 上水道の役割を説明できる。
2週 上水道の歴史、目的、現況(1) 上水道の基本的3要件を説明できる。
3週 上水道の歴史、目的、現況(2) 水道水料金の内々格差について説明できる。
4週 上水道の構成、計画、施設(1) 緩速ろ過プロセスを図示説明できる。
5週 上水道の構成、計画、施設(2) 急速ろ過プロセスを図示説明できる。
6週 浄水操作(1) 凝集・沈殿のメカニズムが説明できる。
7週 浄水操作(2) ろ過のメカニズムが説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 浄水操作(3) 消毒,殺菌について説明できる。
10週 最近の上水道における問題点(1) 塩素消毒がかかえる問題点や寄生虫による水道の問題について説明できる。
11週 最近の上水道における問題点(2) 水道水源の確保,汚染,水道施設の老朽化,耐震化などの問題について説明できる。
12週 高度処理(1) 高度処理について,施設の役割と必要になった理由について説明できる。
13週 高度処理(2) 生物処理,オゾン処理,活性炭処理のそれぞれの役割を説明できる。
14週 諸外国・途上国における上水道 途上国における水道の普及状況と汚染について説明できる。
15週 後期末試験
16週 試験返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境地球規模の環境問題を説明できる。4
環境と人の健康との関わりを説明できる。4
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。4
水の物性、水の循環を説明できる。4
水質指標を説明できる。4
水質汚濁の現状を説明できる。4
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。4
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。4
物質循環と微生物の関係を説明できる。4
水道の役割、種類を説明できる。4
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。4
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。4
生物多様性の現状と危機について、説明できる。4
生態系の保全手法を説明できる。4
生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。4
物質循環と微生物の関係を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
評価項目1~4400000040
評価項目5~8400000040
評価項目9~10200000020