水理学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 水理学
科目番号 200429 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:二瓶泰雄ら著 土木の基礎固め 水理学[ISBN978-4-06-156572-2]講談社,プリント
担当教員 柳川 竜一

到達目標

水理の基礎理論であるベルヌーイの定理,運動量の定理,連続の式を理解し,それらをオリフィス,堰,管水路および開水路などの水理学の基本問題に適用できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価事項1各種静水力学の問題を解くことができる。静水状態での力学問題を理解し説明することができる。静水状態での力学問題を理解することができない。
評価事項2管水路問題について体系的に説明することができる。管水路問題について現象を理解し説明することができる。管水路問題について現象を理解することができない。
評価事項3開水路問題について体系的に説明することができる。開水路問題について現象を理解し説明することができる。開水路問題について現象を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で水流動を担当していた教員が、その経験を活かし、水環境下での力学について講義形式で授業を行うものである。
水理の基礎理論であるベルヌーイの定理,運動量の定理,連続の式を理解し,それらをオリフィス,堰,管水路および開水路などの水理学の基本問題に適用できるようにする。
授業の進め方・方法:
授業は,教科書を中心とした講義を基本とするが,各項目毎に基本的な考え方と理論について解説した後,理解を深めるため演習問題を随時取り入れて行う。
注意点:
・単位追認試験,再試験あり(制限あり)。
・定期試験の重み付けは試験回数に応じて等配分として評価する。
・課題の提出遅れは減点対象となる(提出遅れ・未提出は最大100%減の評価)。また、課題については採点し、その結果を踏まえて評価する事がある。
・課題受付の最終期限は試験週間開始前日までとする。それ以降は受け付けない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 教科ガイダンス
単位系
水の物理的特性
各単位の意味や単位変換を行える。
流体の特長や特性値を知る。
2週 静水圧① 静水状態での壁面にかかる力の概念を理解する。
3週 静水圧② 平面・斜面・曲面に作用する力を理解する。
4週 静水圧理論 静水圧の定義について理論的側面から理解する。
5週 浮力および浮体の安定① 浮体の安定に関する概念を理解する。
6週 浮力および浮体の安定②
浮体の安定に関する概念を理解する。
7週 流れの基本事項
流れの基本式
流れの諸現象に関する定義を知る。
連続の式について理解する。
8週 ベルヌーイの定理 ベルヌーイの定理を理解する。
2ndQ
9週 ベルヌーイの定理の利用① 円管路,小オリフィス,ベンチュリメータ,ピトー管などの具体的事例について現象を理解する。
10週 ベルヌーイの定理の利用② 円管路,小オリフィス,ベンチュリメータ,ピトー管などの具体的事例について現象を理解する。
11週 ベルヌーイの定理の利用③ 各種オリフィスの物理的特徴や排水問題について理解する。
12週 ベルヌーイの定理の利用④ 各種堰の物理的特長や流量算定問題について理解する。
13週 管水路① 管水路流れの性質を理解する。
14週 管水路② 管水路における様々な損失を理解する。
15週 管水路③ 管水路における様々な損失を理解する。
管水路の流速を算定する。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 単線管水路① 単線管路の現象を理解する。
2週 単線管水路② サイフォン、ポンプ、水車を理解する。
3週 枝状管水路① 分岐や合流を有する水路現象を理解する。
4週 枝状管水路② 分岐や合流を有する水路現象を理解する。
5週 開水路① 開水路流れの性質を理解する。
6週 開水路② フルード数の意味を理解する。
7週 開水路③ 比エネルギーや限界水深の特長を理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 開水路の水面形① 開水路定常流の基礎式を導き出す。
10週 開水路の水面形② 流積が場所的に変化する急変流の水面形を理解する。
11週 開水路の水面形③ 流積が場所的に変化する急変流の水面形を理解する。
12週 開水路の水面形④ 遷移流や跳水現象を理解する。
13週 開水路の水面形⑤ 河床勾配の変化に伴う水面形を描ける。
14週 開水路の水面形⑥ 河床勾配の変化に伴う水面形を描ける。
15週 管網計算 管網計算の手法を理解する。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。4前2,前3,前4
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前2,前3,前4
浮力と浮体の安定を計算できる。4前5,前6
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。4前7
連続の式を説明できる。4前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4前7
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
層流と乱流について、説明できる。4後5
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。4後1,後2
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4後1,後2,後3,後4
各種の管路の流れが計算できる。4後1,後2,後3,後4,後15
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。4後9,後10,後11
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。4後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000