ロボット工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ロボット工学
科目番号 3044 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子システム工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:松日楽信人・大明準治 著「わかりやすいロボットシステム入門 ― メカニズムから制御、システムまで ― 改訂3版」 オーム社 ISBN 978-4274224973,参考書:金宮好和「英語で学ぶロボティクス」 コロナ社 ISBN 978-4-339-04588-8,日本機械学会 編集「ロボティクス」 日本機械学会 ISBN 978-4-88898-208-5,高橋正雄 著「工科系の基礎物理学」東京教学社 ISBN 978-4808220648
担当教員 矢木 正和,滝 康嘉

到達目標

1. センサ・アクチュエータ・機械要素・電子回路について,その機能や原理を理解できる。
2. 車輪移動ロボットの運動解析について理解し,適用できる。
3. 3次元の運動学表現を理解し,基礎的な計算ができる。
4. ロボットアームの運動学や補間曲線を理解し,基礎的な計算ができる。
5. 座標系について理解し,座標変換の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1センサ・アクチュエータ・機械要素・電子回路について,その機能や原理を説明できる。センサ・アクチュエータ・機械要素・電子回路について,その機能や原理を理解できる。センサ・アクチュエータ・機械要素・電子回路について,その機能や原理を理解できない。
評価項目2モータの諸特性や制御を理解し,応答を計算できる。モータの諸特性や制御を理解できる。モータの諸特性や制御を理解できず,応答も計算できない。
評価項目33次元の運動学表現を理解し,基礎的な計算ができる。3次元の運動学表現を理解できる。3次元の運動学表現を理解できず,基礎的な計算もできない。
評価項目4ロボットアームの運動学や補間曲線を理解し,基礎的な計算ができる。ロボットアームの運動学や補間曲線について理解できる。ロボットアームの運動学や補間曲線を理解できず,基礎的な計算もできない。
評価項目5座標系について理解し,座標変換の計算ができる。座標系や座標変換について理解できる。座標系や座標変換について理解も計算もできない。
評価項目6車輪移動ロボットの運動解析や自己位置推定について理解し,適用できる。車輪移動ロボットの運動解析や自己位置推定について理解できる。車輪移動ロボットの運動解析や自己位置推定について理解できず,適用できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
従来の産業用ロボットの枠を超えて,ドローンや生活支援ロボットなどロボットの適用範囲は広がっている。本講義では電子技術者として身に付けておくべきロボット工学の基礎的な知識と応用力を習得することを目的とし,実践的演習を交えて学んでいく。また,それらを通じて様々なな要素技術やスキルについても習得してもらう。
授業の進め方・方法:
各期で大きな問題を設定し,問題の解決を意識しながら学んでもらう。基礎的事項を開設するともに,演習を通じて主体的に取り組んでもらう。必要に応じて表計算ソフトや数値計算ソフト等を使用するとともに,Arduinoマイコンによる計測と制御を実体験してもらう。また,学生同士で学びあうことを推奨し,グループで取り組む演習も設定する。
注意点:
・必要に応じて演習室等を使用します。授業場所が変更になる場合もあるので,注意して下さい。
・オフィスアワーは別途指示しますが,メールやTeamsのチャットでも質問を受け付けます。
・また,クラウドやTeamsを介して講義資料を公開する予定です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,モータ駆動回路(FETとPWM駆動) アクチュエータや電子回路を理解し,実装できる。D2:1-2
2週 モータ駆動回路(回路図CAD) 電子回路を理解し,説明できる。D2:1-2
3週 車輪移動ロボットの運動学(二輪,全方向) 二輪・全方向の車輪移動ロボットの運動解析や自己位置推定の概要が理解できる。D2:1-2
4週 歯車と歯車列の基礎と歯車列の基礎 機械要素(歯車)について理解し,計算できる。D2:1-3
5週 各種機械要素 様々な機械要素の特徴や使用方法を理解できる。D2:1-2
6週 遊星歯車,課題 機械要素(歯車)について理解し,計算できる。D2:1-3
7週 慣性センサと姿勢表現 慣性センサの原理や機能を理解できる。D2:1-2,3次元の運動学表現を理解できる。D2:1-2
8週 オイラー角 3次元の運動学表現を理解し,計算できる。D2:1-2
2ndQ
9週 単位四元数(クォータニオン) 3次元の運動学表現を理解し,計算できる。D2:1-2
10週 単位四元数の積 3次元の運動学表現を理解し,計算できる。D2:1-2
11週 姿勢表現の相互変換 3次元の運動学表現を理解し,計算できる。D2:1-2
12週 マイコンによる姿勢計測演習 慣性センサの原理や機能を理解できる。D2:1-2,3次元の運動学表現を理解できる。D2:1-2
13週 課題演習 慣性センサの原理や機能を理解し,3次元の運動学表現を理解できる。D2:1-2
14週 課題演習 機械要素について理解し,計算できる。D2:1-2,車輪移動ロボットの運動解析や自己位置推定の概要が理解できる。D2:1-2
15週 前期末試験
16週 試験返却と解説 慣性センサや電子回路,機械要素,3次元の運動学表現を理解し,3次元や歯車の計算ができる。D2:1-2
後期
3rdQ
1週 同次変換行列と座標変換 座標系や座標変換について理解し,基礎的な計算ができる。D2:1-2
2週 座標変換とロボットアームの運動学 座標系や座標変換について理解し,基礎的な計算ができる。D2:1-2,ロボットアームの運動学について理解できる。D2:1-2
3週 経路と補間曲線 補間曲線を理解し,基礎的な計算ができる。D2:1-2
4週 補間曲線と経路生成 補間曲線や経路生成を理解し,基礎的な計算ができる。D2:1-2
5週 ロボットアームの機構と特性 ロボットアームの運動学を理解し,基礎的な計算ができる。D2:1-2
6週 ロボットアームの静力学と微分関係 ロボットアームの運動学を理解し,基礎的な計算ができる。D2:1-2
7週 まとめと演習 ロボットアームの運動学や補間曲線を理解し,基礎的な計算ができる。D2:1-2
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験の返却と解説,材料力学の基礎 外界センサの原理を理解できる。D2:1-2
10週 力覚センサの原理(曲げとねじり) 外界センサの原理を理解できる。D2:1-2
11週 直流モータの原理 モータの原理を理解できる。D2:1-2
12週 直流モータの特性 モータの諸特性を理解できる。D2:1-2
13週 モータの過渡応答と時定数 モータの諸特性や制御を理解し,応答を計算できる。D2:1-2
14週 モータの制御と過渡応答 モータの諸特性や制御を理解し,応答を計算できる。D2:1-2
15週 まとめと演習 各種外界センサを理解できる。D2:1-2,モータの諸特性や制御を理解し,応答を計算できる。D2:1-2
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4後13,後14
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4後14
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後13,後14
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後14
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後14

評価割合

試験提出課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力10010
専門的能力702090
分野横断的能力000