到達目標
1.線形弾性体におけるき裂の力学について,弾性力学の基礎を理解し,き裂先端の応力・変形場の支配力学パラメータとなる応力拡大係数について説明できる.
2.破壊のエネルギー論的解析について,ミクロな破壊やマクロなき裂の成長による破壊進行について理解し,エネルギー変化の観点から説明できる.
3.強度の破壊力学的解析において応力拡大係数K,エネルギー開放率gやJ積分などの破壊力学パラメータを理解し,それによる材料評価について説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 線形弾性体におけるき裂の力学について,弾性力学の基礎を理解し,き裂先端の応力・変形場の支配力学パラメータとなる応力拡大係数について説明できる. | 線形弾性体におけるき裂の力学について,弾性力学の基礎を理解する. | 線形弾性体におけるき裂の力学について,弾性力学の基礎を理解できない. |
評価項目2 | 破壊のエネルギー論的解析について説明できる. | 破壊のエネルギー論的解析について,ミクロな破壊やマクロなき裂の成長による破壊進行について理解する. | 破壊のエネルギー論的解析について,ミクロな破壊やマクロなき裂の成長による破壊進行について理解できない. |
評価項目3 | 強度の破壊力学的解析において破壊じん性や疲労き裂進展について説明できる. | 強度の破壊力学的解析において応力拡大係数K,エネルギー開放率gやJ積分などの破壊力学パラメータを理解する. | 強度の破壊力学的解析において応力拡大係数K,エネルギー開放率gやJ積分などの破壊力学パラメータを理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
材料力学や弾性力学で学んだ固体力学の概念を基礎として,き裂を有する材料の強度評価について学ぶ.
き裂材の力学評価パラメータである応力拡大係数K,エネルギー開放率gについて理解し,材料の強度・信頼性について評価できる能力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
講義形式で進めると共に演習を積極的に取り入れることにより理解の定着を図る。弾性力学等を復習しながら講義を進める.内容の理解度や重要な式の導出方法についてレポートもしくは小テストを実施し理解度を深める.プリントを配布して講義を進める.
注意点:
基礎となる弾性力学を理解しておくこと.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
強度問題の歴史的背景 |
強度問題の歴史について理解できる.
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2週 |
強度理論の展開 |
材料学的アプローチと破壊力学的アプローチから理論展開ができる.
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3週 |
材料と強度解析 |
材料開発・機械設計と材料設計および材料選定の考え方が理解できる.
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4週 |
線形弾性体におけるき裂の解析 弾性力学解析の基礎 |
基礎関係式と応力関数について理解できる.
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5週 |
2次元き裂の弾性解析 |
モードⅠ・Ⅱ・Ⅲ型き裂の弾性解析について理解できる.
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6週 |
応力拡大係数とその具体例 |
応力拡大係数について理解できる.
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7週 |
き裂における塑性変形 塑性域の寸法 |
き裂による塑性域の寸法について理解できる
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8週 |
塑性域の形態 |
き裂による塑性域の形態について理解できる
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4thQ |
9週 |
破壊のエネルギー論的解析 原子間結合強度 |
原子間結合強度について計算できる.
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10週 |
線形弾性体におけるき裂成長 |
エネルギー開放率について理解できる.
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11週 |
き裂成長に関するエネルギー的クライテリオン |
クライテリオンについて理解できる.
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12週 |
き裂進展抵抗R |
き裂進展抵抗について理解できる.
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13週 |
J積分の簡便評価法 |
J積分について理解できる.
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14週 |
強度の破壊力学的解析 解析手法の概要 |
破壊力学的解析の概要について理解できる.
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15週 |
破壊じん性・疲労き裂進展 |
破壊じん性.・疲労き裂進展速度について計算できる.
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16週 |
試験 |
試験・返却
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
弾性論 | 20 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 30 |
線形弾性体におけるき裂の解析 | 20 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 35 |
破壊のエネルギー的会席 | 20 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 35 |