現代制御理論

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 現代制御理論
科目番号 202213 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(電気情報工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:中野道雄,美多勉,「制御基礎理論」,コロナ社
担当教員 漆原 史朗

到達目標

1.線形システムの状態方程式と出力方程式を導出でき,1入力1出力のシステムでは状態方程式と伝達関数の相互変換ができる。
2.線形システムにおいて対角化などの座標変換を用いて可制御,可観測を判断することができる。
3.状態方程式で記述されたシステムに対する安定判別を行うことができる。
4.状態フィードバック制御系と極配置の関係について説明でき,オブザーバを用いたフィードバック制御システムを設計できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
状態方程式と伝達関数線形システムの状態方程式と出力方程式を導出でき,1入力1出力のシステムでは状態方程式と伝達関数の相互変換ができる。線形システムの状態方程式と出力方程式を導出することができる。線形システムの状態方程式と出力方程式を導出することができない。
座標変換と可制御/可観測可制御/可観測正準形に座標変換するなど様々な方法で可制御/可観測性を判断できる。線形システムにおいて対角化を用いて可制御,可観測を判断できる。線形システムにおいて対角化を用いて可制御,可観測を判断できない。
安定性漸近安定や有界入出力安定など安定性の定義を理解しつつ,システムの安定判別を行うことができる。状態方程式で記述されたシステムに対する安定判別を行うことができる。状態方程式で記述されたシステムに対する安定性の判別ができない。
制御系設計状態フィードバック制御の制御則と極配置の関係について説明でき,同一次元オブザーバーを設計することができる。状態フィードバック制御の制御則と極配置の関係について説明できる。状態フィードバック制御の制御則と極配置の関係について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数学的基礎知識を基に古典制御理論と比較しながら現代制御理論の概要を理解し,例題と課題問題を通して応用力を身につける。また,1入力1出力のシステムについては,古典ならびに現代制御理論の両方の手法を用いて制御系の設計を行うことのできる基礎的能力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を中心とした講義と章末問題等の演習が中心となる。レポート等の課題や演習問題を自ら積極的に行うことにより理解度を深めることが必要になる。自学自習時間に相当する課題を毎回出題する。
注意点:
・試験結果を評価とする。(下記目標区分のB-2とB-3の比率は同程度)
・説明,証明問題では,数式等を用いて論理的に記述できているかどうかも含めて評価する。
・各自で章末問題等の演習を行い、授業中に解説を行う。また,演習や試験では電気回路や電気機器に関する知識が必要となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
現代制御理論と古典制御理論
古典制御理論と現代制御理論の考え方と歴史的背景を理解できる。
2週 状態方程式と伝達関数
・状態方程式
線形システムの状態方程式と出力方程式を導出できる。
3週 状態方程式と伝達関数
・状態方程式と状態推移行列
状態方程式と状態推移行列との関係を理解する。
4週 座標変換と可制御性と可観測性
・座標変換とシステムの等価性
座標変換による状態変数表示の等価性について理解する。
5週 座標変換と可制御性と可観測性
・対角正準形式と可制御性・可観測性
対角化を用いて可制御,可観測を判断することができる。
6週 座標変換と可制御性と可観測性
・可制御正準系と可観測正準系
システムの可制御/可観測正準形を導出できる。
7週 安定性の基礎理論
・安定性と安定判別法
ラウス/フルビッツなど安定性判別法を用いてシステムの安定性を調べることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 安定性の基礎理論
・状態フィードバック制御と極配置
状態フィードバック制御の制御則と極配置の関係について説明できる。
10週 安定性の基礎理論
・直接フィードバック制御と根軌跡
直接フィードバック制御の制御則と根軌跡について説明できる。
11週 安定性の基礎理論
・直列補償器による安定化
直列補償器による安定化について説明できる。
12週 安定性の基礎理論
・オブザーバによる安定化
同一次元オブザーバの設計方法について説明できる。
13週 現代制御理論による制御系の設計
・サーボ系の構成条件と内部モデル
現代制御理論におけるサーボ系の構成条件と内部モデル原理について説明できる。
14週 現代制御理論による制御系の設計
・サーボ系の設計
簡単な制御システムにおいて状態フィードバック制御を用いたサーボ系を設計できる。
15週 現代制御理論による制御系の設計
・サーボ系の設計
簡単な制御システムにおいて状態フィードバック制御とオブザーバを融合させたサーボ系を設計できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
状態方程式と伝達関数2525
座標変換と可制御/可観測2525
安定性2525
制御系設計2525