伝熱工学特論

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 伝熱工学特論
科目番号 202312 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(機械電子工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 日本機械学会編「伝熱工学」,丸善,ISN 978-4-88898-120-0
担当教員 嶋﨑 真一

到達目標

目標1:熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の概略を説明できる。
目標2:保存式の考え方を説明でき,熱伝導の基礎式を導くことができる。
目標3:差分法や有限体積法を理解し,熱伝導問題に適用することができる。
目標4:熱伝導問題の数値解析を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱輸送の三形態熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の詳細を説明できる。熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の概略を説明できる。熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の概略を説明できない。
熱伝導の基礎方程式保存式の考え方を説明でき,各種座標系で熱伝導の基礎式を導くことができる。保存式の考え方を説明でき,熱伝導の基礎式を導くことができる。保存式の考え方を説明できず,熱伝導の基礎式を導くことができない。
数値解析の理論差分法や有限体積法を理解し,熱伝導問題に適用することができる。差分法や有限体積法を理解し,説明することができる。差分法や有限体積法を説明できない。
数値解析の実践熱伝導問題の数値解析を行うことができる。簡単な熱伝導問題の数値解析を行うことができる。簡単な熱伝導問題の数値解析を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育目標 B-2 説明 閉じる
学習教育目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・熱輸送の三形態を理解し,エネルギー輸送式を説明できる。
・各伝熱形態における基礎的な式を用いた計算ができる。
・伝熱工学を簡単な実例に適用して,熱輸送を解析することが出来る。
・伝熱に関する数値計算を行うことが出来る。
授業の進め方・方法:
前半の講義は教科書にそって進めていく。後半の数値計算の講義については,オリジナルの資料を配布する。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
熱輸送の三態
輸送定数
熱輸送の三態および輸送定数について説明することができる。
2週 保存量に対する収支式 収支式の考え方を理解し,説明することができる。
3週 熱伝導方程式(デカルト座標系) デカルト座標系における熱伝導方程式を導出することができる。
4週 熱伝導方程式(円筒・球座標系) 円筒および球座標系における熱伝導方程式を導出することができる。
5週 定常熱伝導 基本的な系における定常熱伝導を計算することができる。
6週 拡大伝熱面
非定常熱伝導
拡大伝熱面における定常熱伝導を計算することができる。
非定常熱伝導について説明することができる。
7週 差分法による微分方程式の数値解法(表計算ソフトを用いた計算) 微分方程式から差分式を導出することができる。
陽解法と陰解法について説明することできる。
解の安定性について議論することができる。
8週 差分法による微分方程式の数値解法(表計算ソフトを用いた計算) 表計算ソフトを用いて簡単な熱伝導を数値計算することができる。
4thQ
9週 数値計算のためのプログラミング言語実習 GNU Octaveを用いて簡単な数値計算のプログラムを組むことができる。
10週 数値計算のためのプログラミング言語実習 GNU Octaveを用いて簡単な数値計算のプログラムを組むことができる。
11週 偏微分方程式の有限体積法による離散化 有限体積法を用いて熱伝導方程式を離散化することができる。
生成項の線形化について説明することができる。
12週 偏微分方程式の有限体積法による離散化 境界条件を定式化することができる。
偏微分方程式を離散化すると線形代数方程式に帰着することを説明することができる。
13週 非線形の代数方程式の解法
連立一次方程式の解法に,直接法と反復法があることを理解し,それぞれの特徴を説明することができる。
非線形の代数方程式を反復法で解く方法を説明することができる。
14週 数値計算のためのプログラミング言語実習 GNU Octaveを用いて,行列の操作ができる。
GNU Octaveを用いて,各種のグラフを描くことができる。
GNU Octaveを用いて,連立一次方程式を解くことができる。
15週 多次元非定常の熱伝導解析 数値解法の多次元への拡張を説明することができる。
多次元の非定常熱伝導問題を数値計算によって解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。5
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。5
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。5
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。5
自然科学物理時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。5
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。5
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。5
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。5
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。5
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学の第一法則を説明できる。5
情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。5
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。5
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。5
条件判断プログラムを作成できる。5
繰り返し処理プログラムを作成できる。5
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。5
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。5

評価割合

小テストレポート合計
総合評価割合2080100
熱輸送の三形態10010
熱伝導の基礎方程式10010
数値解析の理論03030
数値解析の実践05050