エネルギー工学特論

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 エネルギー工学特論
科目番号 202317 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(機械電子工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:小林敏志他,「基礎半導体工学」,コロナ社,ISBN:978-4-339-0062-9参考書:梶川武信,「エネルギー工学入門」,裳華房,ISBN:4-7853-6114-Xまたは同等の専門書
担当教員 相馬 岳

到達目標

(1) エネルギーの変換,貯蔵,輸送について説明できる
(2) 6種類のエネルギーについて,各要素の工学的計算ができる
(3) 次世代型の各種発電方式(熱電,燃料電池,太陽光)について説明できる
(4) エネルギーの評価指標について理解し,エネルギーペイバックタイムの試算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
エネルギーの変換,貯蔵,輸送について説明できるエネルギーの変換,貯蔵,輸送について卓越して説明できるエネルギーの変換,貯蔵,輸送について説明できるエネルギーの変換,貯蔵,輸送について説明できない
6種類のエネルギーについて,各要素の工学的計算ができる6種類のエネルギーについて,各要素の工学的計算が卓越してできる6種類のエネルギーについて,各要素の工学的計算ができる6種類のエネルギーについて,各要素の工学的計算ができない
次世代型の各種発電方式(熱電,燃料電池,太陽光)について説明できる次世代型の各種発電方式(熱電,燃料電池,太陽光)について卓越して説明できる次世代型の各種発電方式(熱電,燃料電池,太陽光)について説明できる次世代型の各種発電方式(熱電,燃料電池,太陽光)について説明できない
エネルギーの評価指標について理解し,エネルギーペイバックタイムの試算ができるエネルギーの評価指標について理解し,エネルギーペイバックタイムの試算が卓越してできるエネルギーの評価指標について理解し,エネルギーペイバックタイムの試算ができるエネルギーの評価指標について理解し,エネルギーペイバックタイムの試算ができない

学科の到達目標項目との関係

学習教育目標 B-2 説明 閉じる
学習教育目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械技術者として必要なエネルギー工学に関して幅広く学習する.
この科目は企業でエネルギー機器の設計・開発を担当していた教員が、その経験を活かし、エネルギー機器の基礎理論,開発手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
各項目に対応する教科書および参考書を用いた講義を中心とし,各種工学的計算手法を習得させる.また理解促進のため,適宜演習および小テスト,レポートを実施する.
学習項目(1)~(6)について試験期毎に定期試験(70%),レポート(30%)により評価する。二回の試験期の得点を平均し,合格判定水準を満たしているか判断する。
注意点:
・ 力学,熱工学,流体工学,半導体工学基礎等で学んだ基礎事項については各自復習してから授業に臨むこと
・ 本科目は学修単位の科目であるため,受講にあたっては講義時間に加え2倍量の自学自習(レポート作成)を要求する
・出版事情により教科書が入手できない場合,代替書籍を指定する場合がある
・学生の英語力向上のため,授業および試験に英語を取り入れる場合がある

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
エネルギー工学概論(1)
単位系の復習
・各種工学系単位を変換することができる
・エネルギーの変換,貯蔵,輸送を説明できる
2週 エネルギー工学概論(2)
エネルギー変換マップ
・各種工学系単位を変換することができる
・エネルギーの変換,貯蔵,輸送を説明できる
3週 6種類のエネルギー(1)
力学エネルギー
・6種のエネルギー形態を説明できる
・6種類のエネルギーの工学的計算ができる
4週 6種類のエネルギー(2)
熱エネルギー
・6種のエネルギー形態を説明できる
・6種類のエネルギーの工学的計算ができる
5週 6種類のエネルギー(3)
化学エネルギー
・6種のエネルギー形態を説明できる
・6種類のエネルギーの工学的計算ができる
6週 6種類のエネルギー(4)
電磁,光エネルギー
・6種のエネルギー形態を説明できる
・6種類のエネルギーの工学的計算ができる
7週 6種類のエネルギー(5)
核エネルギー
・6種のエネルギー形態を説明できる
・6種類のエネルギーの工学的計算ができる
8週 前期中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却および解説
次世代型発電方式1
熱電発電の原理(1)
・熱電発電の原理が説明できる
・熱電発電における工学的計算ができる
10週 次世代型発電方式1
熱電発電の原理(2)
・熱電発電の原理が説明できる
・熱電発電における工学的計算ができる
11週 次世代型発電方式1
熱電発電の応用(1)
・熱電発電の原理が説明できる
・熱電発電における工学的計算ができる
12週 次世代型発電方式1
熱電発電の応用(2)
・熱電発電の原理が説明できる
・熱電発電における工学的計算ができる
13週 次世代型発電方式2
次世代型発電方式3
・燃料電池の原理が説明できる
・太陽光発電の原理が説明できる
14週 エネルギーの評価指標(1)
評価指標
・エネルギーの評価指標について説明できる
・LCA評価法による各種の試算ができる
15週 エネルギーの評価指標(2)
ライフサイクルアセスメント(LCA)
・エネルギーの評価指標について説明できる
・LCA評価法による各種の試算ができる
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。5
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。5
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。5
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。5
動力の意味を理解し、計算できる。5
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。5
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。5
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。5
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。5
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。5
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。5
熱力学の第一法則を説明できる。5
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。5
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。5
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。5
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。5
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。5
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。5
熱力学の第二法則を説明できる。5
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。5
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。5
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。5
サイクルをT-s線図で表現できる。5

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力351550
専門的能力351550