工業力学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工業力学
科目番号 211308 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械電子工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 青木弘,木谷晋 「工業力学」 森北出版 ISBN 978-4-627-61024-8
担当教員 十河 宏行,石井 耕平

到達目標

・力の表示方法を理解し,力の合成と分解,力のモーメントおよび偶力を計算できる
・一点に作用する力のつりあい条件および着力点が異なる力のつりあい条件を理解し,解析できる
・重心の意味を理解し,平板および立体の重心位置を計算できる
・等速直線運動と等加速度運動における時間と距離の関係,回転運動での周速度,角速度,角加速度を計算できる
・運動の3法則を理解して具体例に適用でき,力,質量,加速度の関係を運動方程式で表わせる
・慣性力,向心力,遠心力を計算でき,平板と立体の慣性モーメントを算出できる
・剛体の回転運動を運動方程式で表現できる
・運動量および運動量保存の法則を具体例に適用できる
・運動量保存の法則を物体の衝突に適用できる
・位置エネルギと運動エネルギを計算できる
・エネルギの意味と種類,エネルギ保存の法則を具体例に適用できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力の表示方法を理解し,複雑な力の合成と分解,力のモーメントおよび偶力を計算できる力の表示方法を理解し,単純な力の合成と分解,力のモーメントおよび偶力を計算できる力の表示方法を理解しておらず,力の合成と分解,力のモーメントおよび偶力を計算できない
評価項目2一点に作用する力のつりあい条件および着力点が異なる力のつりあい条件を理解し,複雑なシステムへ適用できる一点に作用する力のつりあい条件および着力点が異なる力のつりあい条件を理解し,解析できる一点に作用する力のつりあい条件および着力点が異なる力のつりあい条件を理解しておらず,解析できない
評価項目3重心の意味を理解し,複雑な物体の立体の重心位置を計算できる重心の意味を理解し,平板および単純形状立体の重心位置を計算できる重心の意味を理解し,平板および単純形状立体の重心位置を計算できない
評価項目4実践的なな等速直線運動と等加速度運動における時間と距離の関係,回転運動での周速度,角速度,回転速度を計算できる等速直線運動と等加速度運動における時間と距離の関係,回転運動での周速度,角速度,回転速度を計算できる等速直線運動と等加速度運動における時間と距離の関係,回転運動での周速度,角速度,回転速度を計算できない
評価項目5運動の3法則を理解して複雑な具体例に適用でき,力,質量,加速度の関係を運動方程式で表わせる運動の3法則を理解して単純な具体例に適用でき,力,質量,加速度の関係を運動方程式で表わせる運動の3法則を理解しているが具体例に適用できず,力,質量,加速度の関係を運動方程式で表わせない
評価項目6複雑なシステムの慣性力,向心力,遠心力を,複雑な立体の慣性モーメントを算出でき,実践的な回転運動について運動方程式で表わせる単純なシステムの慣性力,向心力,遠心力を,単純な立体の慣性モーメントを算出でき,簡単な回転運動について運動方程式で表わせる単純なシステムの慣性力,向心力,遠心力を,単純な立体の慣性モーメントを算出できず,簡単な回転運動について運動方程式で表わせない
評価項目7運動量および運動量保存の法則を複雑な具体例に適用でき,複雑な事例について運動量保存の法則を物体の衝突に適用できる運動量および運動量保存の法則を簡単な具体例に適用でき,簡単な事例について運動量保存の法則を物体の衝突に適用できる運動量および運動量保存の法則を簡単な具体例に適用できず,簡単な事例について運動量保存の法則を物体の衝突に適用でない
評価項目8実践的な事例について位置エネルギと運動エネルギを計算でき,エネルギの意味と種類,エネルギ保存の法則を発展的な事例に適用できる単純な事例について位置エネルギと運動エネルギを計算でき,エネルギの意味と種類,エネルギ保存の法則を簡単な事例に適用できる単純な事例について位置エネルギと運動エネルギを計算できず,エネルギの意味と種類,エネルギ保存の法則を簡単な事例に適用できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標  B-(2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.力の特性と,物体に作用する力のつりあいを理解し,解析に用いることができる
2.位置・速度・加速度の概念を理解し,計算することができる
3.運動方程式を用いて質点および剛体の運動を表わすことができる
4.運動量の概念を用いて衝突現象を分析できる
5.力学的エネルギを理解し,計算することができる
授業の進め方・方法:
1.教科書を用いた講義を行い,章ごとに演習問題を解くことで理解を深める
2.教科書で不十分な点は,ノート講義とする
注意点:
・微分・積分を用いるので,数学に関する復習が必要
・章末の問題などを自力で解けるように演習が必要
・第3者が理解できるように設計過程を書くための表現法を習得するための演習が必要
・定期試験100%として評価する

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力の表わし方 力の表示方法を理解する
2週 力の合成 力の合成と分解の計算ができる
3週 力の分解
力のモーメント
力の合成と分解、力のモーメントの計算ができる
4週 偶力
着力点の異なる力の合成
偶力の計算ができる
着力点の異なる力の合成の計算ができる
5週 着力点の異なる力の合成
一点に作用する力のつりあい
着力点の異なる力の合成の計算ができる
一点に作用する力のつりあい計算ができる
6週 一点に作用する力のつりあい 一点に作用する力のつりあい計算ができる
7週 着力点の異なる力のつりあい 着力点の異なる力のつりあい計算ができる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 重心 重心の計算ができる
10週 重心 重心の計算ができる
11週 物体のすわり 物体のすわりの計算ができる
12週 点の運動(速度・加速度)
点の運動(落体の運動)
点の運動(速度・加速度)の計算ができる
点の運動(落体の運動)の計算ができる
13週 点の運動(平面運動) 点の運動(平面運動)の計算ができる
14週 点の運動(平面運動) 点の運動(平面運動)の計算ができる
15週 点の運動(平面運動) 点の運動(平面運動)の計算ができる
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 運動の法則 運動の法則の計算ができる
2週 慣性力 慣性力の計算ができる
3週 慣性モーメントの概念と算出 慣性モーメントの概念と算出の計算ができる
4週 平行軸の定理,直交軸の定理 平行軸の定理,直交軸の定理の計算ができる
5週 剛体の平面運動 剛体の平面運動の計算ができる
6週 剛体の平面運動 剛体の平面運動の計算ができる
7週 剛体の平面運動 剛体の平面運動の計算ができる
8週 後期中間試験 後期中間試験
4thQ
9週 運動量保存の法則 運動量保存の法則の計算ができる
10週 運動量保存の法則 運動量保存の法則を用いた解析ができる
11週 衝突,反発係数 衝突,反発係数の計算ができる
12週 衝突,反発係数 衝突,反発係数の計算ができる
13週 エネルギーの算出 エネルギーの算出ができる
14週 エネルギー保存則を用いた解析 エネルギー保存則を用いた解析ができる
15週 エネルギー保存則を用いた解析 エネルギー保存則を用いた解析ができる
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前12
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3後5
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3後6
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前13
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前14
物体に作用する力を図示することができる。3前1
力の合成と分解をすることができる。3前2,前3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前15
慣性の法則について説明できる。3後1
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2後1
運動方程式を用いた計算ができる。2後1
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2後7
運動の法則について説明できる。3後1
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。2後13
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後14
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後15
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後9
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2後9
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2後10
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前15
力のモーメントを求めることができる。3前3
角運動量を求めることができる。2後9
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2後10
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後7
重心に関する計算ができる。3前9,前10
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2後3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2後7
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3前3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3前4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3前7
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3前9,前10
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3前12
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3前12
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3後1
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3後1
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3後1
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3前15
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3前15
仕事の意味を理解し、計算できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3後13
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3後13
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3後7
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3後3

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
達成目標1~8100100