建設環境実験実習Ⅲ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 建設環境実験実習Ⅲ
科目番号 201428 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 建設環境工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:新示方書による建設材料実験法,鹿島出版会
担当教員 林 和彦,長谷川 雄基,松本 将之

到達目標

主要な建設材料であるコンクリ-トおよびその構成材料である骨材の特性を説明することができる。JIS規格に準拠した試験を手順通りに遂行できる。実験データの整理方法やレポートの作成方法,特に「考察」の書き方を修得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
JIS規格に準拠した骨材の基礎試験JIS規格に準拠した骨材の基礎試験を実施し,結果をレポートでわかりやすく整理できる。JIS規格に準拠した骨材の基礎試験を実施し,結果をレポートで整理できる。JIS規格に準拠した骨材の基礎試験を実施できず,結果をレポートで整理できない。
モルタルを使用した試験モルタルを使用した試験を実施し,結果をレポートでわかりやすく整理できる。モルタルを使用した試験を実施し,結果をレポートで整理できる。モルタルを使用した試験を実施できず,結果をレポートで整理できない。
配合設計および修正配合の作成配合設計および修正配合が作成でき,レポートでわかりやすく整理できる。配合設計および修正配合が作成でき,レポートで整理できる。配合設計および修正配合が作成できず,レポートで整理できない。
フレッシュコンクリートの試験と供試体作製フレッシュコンクリートの試験と供試体作製ができ,レポートでわかりやすく整理できる。フレッシュコンクリートの試験と供試体作製ができ,レポートで整理できる。フレッシュコンクリートの試験と供試体作製ができず,レポートで整理できない。
コンクリートの破壊試験コンクリートの破壊試験ができ,レポートで分かりやすく整理できる。コンクリートの破壊試験ができ,レポートで整理できる。コンクリートの破壊試験ができず,レポートで整理できない。

学科の到達目標項目との関係

 学習・教育到達度目標 C-1 説明 閉じる
 学習・教育到達度目標 C-2 説明 閉じる
 学習・教育到達度目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建設材料学の学習と連続で実験実習を行う。コンクリートは教科書に書いてある通りにならない場合もあるので,常に実験実習に対して問題意識を持って臨み,その内容を十分理解した上で取り組むことが重要である。レポートは,第三者が見てよく分かるように体裁,内容,まとめ方などを工夫して作成すること。不十分なレポートについては修正を求める。
授業の進め方・方法:
骨材の諸性質を把握するための試験およびコンクリートの配合設計と破壊試験を中心として進める。
複数班に分かれて実験に取り組み,翌週にはレポート作成の時間を設ける。レポートは添削後に順次返却し,解説を加える。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・初回ガイダンス
・次週以降の試験内容の説明
2週 3班に分かれて以下の①~④を実施
①細骨材の密度・吸水率試験,②骨材のふるい分け試験+モルタルバー作製,③骨材の表面水率試験,④粗骨材の密度・吸水率試験
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。JIS規格に準拠して手順通りに実験ができる。
3週 レポート作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
4週 3班に分かれて以下の①~④を実施
①細骨材の密度・吸水率試験,②骨材のふるい分け試験+モルタルバー作製,③骨材の表面水率試験,④粗骨材の密度・吸水率試験
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。JIS規格に準拠して手順通りに実験ができる。
5週 レポート作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
6週 3班に分かれて以下の①~④を実施
①細骨材の密度・吸水率試験,②骨材のふるい分け試験+モルタルバー作製,③骨材の表面水率試験,④粗骨材の密度・吸水率試験
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。JIS規格に準拠して手順通りに実験ができる。
7週 レポート作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
8週 3班に分かれて以下の①~④を実施
①細骨材の密度・吸水率試験,②骨材のふるい分け試験+モルタルバー作製,③骨材の表面水率試験,④粗骨材の密度・吸水率試験
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。JIS規格に準拠して手順通りに実験ができる。
2ndQ
9週 レポート作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
10週 セメントの強さ試験 JIS規格に則り,セメントの強さ試験を遂行できる。
11週 レポートの作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
12週 W/C,S/C,混和剤の理解を深めるためのモルタルの練り混ぜ試験(体験) W/CやS/Cの違いがモルタルのフレッシュ性状に及ぼす影響を説明できる。混和剤の特徴を説明できる。
13週 レポートの作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
14週 骨材の試験内容の復習と演習問題 主として骨材の基礎試験について説明できる。
15週 フレッシュコンクリート実験の説明 フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 配合設計1 配合設計の手順を理解し、計算できる。
2週 配合設計2 配合設計の手順を理解し、計算できる。
3週 試験練り,フレッシュコンクリート試験 フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。フレッシュコンクリートの試験を実施できる。
4週 配合修正,本練り,フレッシュコンクリート試験,円柱供試体作製 適切に配合修正を行い,本練りから供試体作製までの一連の流れを遂行できる。
5週 レポート作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
6週 コンクリートの圧縮強度,静弾性係数,割裂引張試験に関する解説 コンクリートの強度試験について説明できる。
7週 コンクリートの圧縮強度,静弾性係数,割裂引張試験 コンクリートの強度試験を実施できる。
8週 レポート作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
4thQ
9週 配合設計,試験練り,フレッシュコンクリート試験 適切に配合計算を行い,フレッシュコンクリートの試験を遂行できる。
10週 配合修正,本練り,フレッシュコンクリート試験,円柱+角柱供試体作製 適切に配合修正を行い,本練りから供試体作製までの一連の流れを遂行できる。
11週 コンクリートの曲げ試験に関する解説 コンクリートの曲げ破壊について説明できる。
12週 コンクリートの曲げ強度,圧縮強度試験 コンクリートの曲げ試験を実施できる。
13週 レポート作成 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
14週 後期の試験内容の復習と演習問題 フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数)を説明できる。
15週 1年間の試験の総括・解説 主要な建設材料であるコンクリ-トおよびその構成材料である骨材の特性を説明することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4
鋼材の種類、形状を説明できる。4
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。4
各種セメントの特徴、用途を説明できる。4
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。4
骨材の種類、特徴について、説明できる。4
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。4
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4
配合設計の手順を理解し、計算できる。4
非破壊試験の基礎を説明できる。4
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。4
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。4
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。4
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。4
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。4
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。4
構造各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。4
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4

評価割合

レポート授業態度合計
総合評価割合8020100
JIS規格に準拠した骨材の基礎試験19524
モルタルを使用した試験10212
配合設計および修正配合の作成19524
フレッシュコンクリートの試験と供試体作製13316
コンクリートの破壊試験19524