ディジタル回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 ディジタル回路Ⅰ
科目番号 4107 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 浜辺隆二著「論理回路入門」森北出版
担当教員 宮﨑 貴大

到達目標

論理回路の基本法則を理解し,式の変形や簡単化ができる。さらに計算機の部品である加算回路やマルチプレクサ,カウンタの動作を理解し,組み合わせ回路や順序回路を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12進数の計算や基数変換ができる2進数の計算ができる2進数の計算ができない
評価項目2様々なコードの生成方法や役割を理解し,送信情報エラーを発見する仕組みを理解している様々なコードの生成法や役割理解している様々なコードの生成法や役割理解していない
評価項目3論理式から真理値表,または真理値表から論理式を求められ,ベイチ図などを使って論理式の簡単化ができる論理式から真理値表,または真理値表から論理式を求められる論理式から真理値表,または真理値表から論理式を求められない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2進数の計算ができる。論理数学を理解し,式の変形や簡単化ができる。組み合わせ回路である加算回路やマルチプレクサ,デコーダなどの役割や動作原理を理解できる。順序回路の部品であるフリップフロップ(FF)の動作原理を理解し,FFを利用した同期式カウンタやレジスタの作成方法を理解できる。
授業の進め方・方法:
学習項目毎に原理を説明し,演習問題を解くことで理解を深める。さらに年間15回程度の小テストを実施し,本試験に備える。
注意点:
オフィスアワー 月曜日 16:00~17:00

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,デジタル信号 デジタル信号とアナログ信号の違いを知っている。 D2:1
2週 数体系(10進数,2進数,16進数) 同じ数値でも基数によって表現が変わることを理解できる。指定されたビット数で表現できる数値の範囲を理解できる。 D2:1
3週 基数変換 10進数から2進数や16進数への変換またはその逆変換ができる。 D2:2
4週 加減算 2進数や16進数での加減算ができる。 D2:2
5週 負数と補数加算 2進数での負数の表し方を理解できる。さらに引き算を補数加算で行えることを理解できる。 D2:2
6週 符号,パリティ,チェックサム BCD符号,3余り符号,グレイ符号を知っている。BCD符号と3余り符号での加算ができる。グレイ符号から純粋2進数の変換および逆変換ができる。送信データにパリティビットを付けたりチェックサムコードを付けることができる。 D2:2
7週 まとめと復習
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 論理と集合 論理演算の意味を集合や一階述語論理の考え方
から理解できる。 D2:1
10週 ブール代数とド・モルガンの定理
MIL規格
ブール代数の基本法則やド・モルガンの定理を知っており,式の簡単化ができる。
MIL規格の記号を知っており,式を回路図で表すことができる。 D2:2
11週 練習
12週 完全系 式を完全系の素子であるNANDやNORのみの式に変形できる。 D2:2
13週 標準形と真理値表 加法標準形や乗法標準形の意味を知っており,式を標準形に変換でき,真理値表を示すことができる。また,真理値表から標準形を示すことができる。 D2:2
14週 式の簡単化1 カルノー図を使った式の簡単化ができる。 D2:2
15週 式の簡単化2 Q-M法による式の簡単化ができる。 D2:2
16週 まとめと復習
後期
3rdQ
1週 半加算器と全加算器 加算器の目的からHAとFAを構成できる。 D2:3
2週 減算器 補数加算の原理からFAを使った加減算回路を構成できる。 D2:3
3週 オーバーフロー,比較器 オーバーフローの意味と現象を理解できる。 D2:3
比較回路の動作を理解できる。
4週 エンコーダ,デコーダ,マルチプレクサ,デマルチプレクサ エンコーダ,デコーダ,マルチプレクサ,デマルチプレクサの動作を理解できる。 D2:3
5週 練習
6週 順序回路 順序回路の意味を知っている。 D2:1
7週 まとめと復習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 SR-FF SR-FFの動作から回路を構成できる。 D2:3
10週 JK-FF,T-FF,D-FF JK-FF,T-FF,D-FFの動作を理解し,他のFFを使って構成できる。 D2:2
11週 マスタースレーブJK-FF 反転動作時に発振することが無いマスタースレーブJK-FFの構成を理解し,様々な入力や状態からの変化をタイムチャートとして示すことができる。 D2:3
12週 応用方程式と入力方程式 応用方程式と各FFの入力の関係から入力方程式を求められる。 D2:4
13週 順序回路の設計 状態遷移図や状態遷移表,コード化などから回路の応用方程式を求められ,指定されたFFを使って回路を構成できる。 D2:4 E2:1,2
14週 レジスタ,シフトレジスタ,カウンタ レジスタ,シフトレジスタの構成法や動作を理解できる。
カウンタの動作を理解し,タイムチャートが書ける。 D2:3
15週 同期式n進カウンタ 同期式n進カウンタの動作や与えられた状態遷移図から得られる状態遷移表から特性方程式,応用方程式,使用するFFの入力方程式から回路を構成できる。 D2:4 E2:1,2
16週 まとめと復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前2,前3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前1,前3
基本的な論理演算を行うことができる。4前9,前10
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4前9,前10
論理式の簡単化の概念を説明できる。4前10,前14,前15
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4前14,前15
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4前10,後1,後2,後3,後4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4前10,後1,後2,後3,後4
組合せ論理回路を設計することができる。4前10,後1,後2,後3,後4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4後9,後10,後11,後12,後13
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4後14,後15
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4後15
順序回路を設計することができる。4後15
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4前9
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4前9,前10
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4前10,前12,前13
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4前9

評価割合

試験小テストレポート課題合計
総合評価割合801010100
基礎的能力405550
専門的能力405550
分野横断的能力0000