建設材料学Ⅰ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 建設材料学Ⅰ
科目番号 V3027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD まちづくり・防災コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:戸川一夫編著「建設材料(第2版」」(森北出版社) 参考書:日本材料学会「建設材料実験」(日本材料学会)
担当教員 横井 克則

到達目標

【到達目標】
1.コンクリート用材料の主な種類と性質を説明できる。
2.コンクリートの長所や短所を説明できる。
3.フレッシュコンクリートおよび硬化コンクリートの諸性質を理解できる。
4.配合設計を行うことができる。
5.鋼材の一般的性質が理解でき,鉄筋の引張試験結果から鉄筋の規格を判定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
コンクリート用材料各種材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明でき、コンクリートの性質と関連付けることができるる。各種材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。各種材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できない。
コンクリートの長所・短所コンクリートの長所や短所を説明でき、短所の改善方法を説明できる。コンクリートの長所や短所を説明できる。コンクリートの長所や短所を説明できない。
フレッシュコンクリートフレッシュコンクリートの諸性質を説明でき、試験方法も理解している。フレッシュコンクリートの諸性質を説明できる。フレッシュコンクリートの諸性質を説明できない。
強度硬化コンクリートの各種強度を説明と計算が、その強度比を考察できる。硬化コンクリートの各種強度を説明でき、計算できる。硬化コンクリートの各種強度を説明できない。
耐久性硬化コンクリートの耐久性やコンクリート種類を説明でき、設計・施工時の状況によって添加剤を選択できる。硬化コンクリートの耐久性やコンクリートの種類を説明できる。硬化コンクリートの耐久性やコンクリートの種類を説明できない。
配合設計配合設計を説明でき、かつ計算できる。さらに現場配合を理解している。配合設計を説明でき、かつ計算できる。配合設計を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建設材料は種類が極めて多く、その役割も多用であるが、本授業では特に建設分野で多く用いられるコンクリートと鋼材について専門的基礎知識を学習する。建設技術者として良質なコンクリート構造物を作りあげることの重要性を強調し、コンクリート用材料、フレッシュコンクリート、硬化コンクリート、配合設計、鋼材の性質について理解する。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に授業を進め,各章が終わるごとに演習問題等のレポートを提出させる。計算問題については,配付プリントを提出する。また,理解を深めるためのビデオ学習も含む。
注意点:
【成績評価の基準・方法】試験成績80%,平素の学習状況等(課題・レポート等を含む)20%の割合で評価する。成績は,前学期の評価は前期末までの評価,学年末の評価は前期末と後期中間と後期末の評価の平均とする。なお,後期中間の評価は前期末,後期中間の平均とする。技術者が身につける専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】章末の演習問題は,事後学習として次回授業までに解いておくこと。
【履修上の注意】教科書,関数電卓は授業時には必ず持参しておいて下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建設構造物と建設材料の関連性について学習する。 建設構造物と建設材料の関連性について説明できる。
2週 建設材料の特徴・分類について学習する。 建設材料の特徴・分類を説明できる。
3週 材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義について学習する。 材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。
4週 セメントの物理的性質、化学的性質について学習する。 セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。
5週 セメントの物理的性質、化学的性質について学習する。 セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。
6週 各種セメントの特徴、用途について学習する。 各種セメントの特徴、用途を説明できる。
7週 各種セメントの特徴、用途について学習する。 各種セメントの特徴、用途を説明できる。
8週 骨材の種類、特徴について学習する。 骨材の種類、特徴について、説明できる。
2ndQ
9週 骨材の種類、特徴について学習する。 骨材の種類、特徴について、説明できる。
10週 骨材の含水状態、密度、粒度、実積率について学習する。 骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。
11週 骨材の含水状態、密度、粒度、実積率について学習する。 骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。
12週 コンクリート用練混ぜ水の性質を学習する。 コンクリート用練混ぜ水の性質を説明できる。
13週 各種混和材の種類、性質について学習する。 各種混和材を説明でき、設計・施工時の状況によって添加剤を選択できる。
14週 各種混和剤の種類、性質について学習する。 各種混和剤を説明でき、設計・施工時の状況によって添加剤を選択できる。
15週 鋼材について学習する。 鋼材の種類、形状を説明できる。鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 コンクリートの概要や長所・短所について学習する。 コンクリートの長所、短所について、説明できる。
2週 フレッシュコンクリートの性質を学習する。 フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。
3週 水セメント比、ワーカビリティー、スランプ,空気量などについて学習する。 フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。
4週 水セメント比、ワーカビリティー、,スランプ、空気量などについて学習する。 フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。
5週 圧縮強度、圧縮強度に与える影響について学習する。 硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。
6週 圧縮強度、圧縮強度に与える影響について学習する。 硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。
7週 各種強度について学習する。 硬化コンクリートの各種強度を説明でき,計算できる。
8週 各種強度について学習する。 硬化コンクリートの各種強度を説明でき,計算できる。
4thQ
9週 ひびわれ、劣化、耐久性、水密性について学習する。 耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。
10週 ひびわれ、劣化、耐久性、水密性について学習する。 耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。
11週 非破壊試験について学習する。 非破壊試験の基礎を説明できる。
12週 各種コンクリートについて学習する。
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。
13週 各種コンクリートについて学習する。 各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。
14週 配合設計の方法について、例題を解きながら学習する。 配合設計の手順を理解し、計算できる。
15週 コンクリートの維持管理と補修方法について学習する。 コンクリートの維持管理と補修方法について、説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。3前1,前2,前3
鋼材の種類、形状を説明できる。3前15
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。3前15
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。3前4,前5
各種セメントの特徴、用途を説明できる。3前6,前7
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。3前10,前11
骨材の種類、特徴について、説明できる。3前8,前9
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。3前13,前14
コンクリートの長所、短所について、説明できる。3後1
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。3後12,後13
配合設計の手順を理解し、計算できる。3後14
非破壊試験の基礎を説明できる。3後11
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。3後2,後3,後4
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。3後5,後6,後7,後8
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。3後9,後10
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。2後15
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。3後15
建築系分野材料木材の種類について説明できる。3
傷(節など)について説明できる。3
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。3
セメントの種類・特徴について説明できる。4
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。3
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。3
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。4
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。2
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。2
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力--0