橋梁工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 橋梁工学
科目番号 V5011 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD まちづくり・防災コース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:使用しない  参考書:鎌田相互・松浦聖 「鋼構造・橋梁工学」(森北出版)
担当教員 近藤 拓也

到達目標

【到達目標】
1.橋梁の形式・分類・特徴および建設材料の力学的性質などの一般的な基礎知識を説明できる。
2.橋梁の計画・設計・建設・維持管理や部材の設計法などを説明できる。
3.橋梁の設計法・維持管理法の変遷およびその理由を理解する。
4.影響線を用いて、反力および断面力図を算定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
橋梁の形式・分類・特徴について口頭で説明することができる資料を参考としながら説明することができる説明することができない
橋梁の接合種類・方法について口頭で説明することができる資料を確認しながら説明することができる説明することができない
橋梁の計画・設計・建設・維持管理方法について口頭で説明することができる資料を確認しながら説明することができる説明することができない
影響線影響線を用いて、反力および断面力を算定できる。資料を用いながら影響線を利用することができる。影響線を用いることができない。

学科の到達目標項目との関係

基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造力学を基礎として,鋼構造の一般概念を理解した上で,特に橋梁の上部構造について,その形式・分類・特徴および建設材料の力学的性質などの一般的な基礎知識を理解する。また,橋梁の計画・設計・建設・維持管理や部材の設計法などについて幅広く学ぶ。これにより,建設技術者としての専門的基礎知識を習得することができる。また、影響線を用いて、トラス橋の冗長性について理解する。
授業の進め方・方法:
●資料を準備し、座学により基本技術を習得する。
●第1週および第9週に課題を与え、2週間後にプレゼンテーションを行う。
●その他、2回課題を与え、提出を行う。
注意点:
【成績評価】
試験の成績60%,演習およびレポート成績30%、出席点等10%の割合を基準として総合的に評価する。学期末の成績は,前期末試験の評価を他の平常点の合計とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
構造力学Ⅰ・Ⅱおよび建設材料学の内容について事前によく復習すること。また、課題を通して、実構造物と理論の乖離の差を埋める努力を行うこと。
【履修上の注意】
構造力学Ⅰ・Ⅱ、建設材料学、および地盤工学についてよく理解したうえで受講すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 影響線[1]:影響線の目的、および反力の算定方法について学ぶ。 影響線の概念について理解する。また、影響線を用いて反力を算定できる。
2週 影響線[2]:影響線を用いて、はりの断面力を算定について学ぶ。 影響線を用いて、はりの断面力を算定できる。
3週 影響線[3]:影響線を用いて、トラスの断面力について学ぶ。 影響線を用いて、トラスの断面力を算定できる。
4週 橋梁概論[1]:橋梁の歴史、特徴について学ぶ。 橋梁の基本構造について特徴を述べることができる。
5週 橋梁概論[2]:橋の種類、分類について学ぶ。 橋の種類、分類について述べることができる。
6週 鋼橋の設計[1]:鋼材の種類、調査・計画・設計方法について学ぶ。 鋼構造で使用されている鋼材種類について述べることができる。鋼構造建設時の調査・計画・設計法の留意点について述べることができる。
7週 鋼橋の設計[2]:鋼橋設計時の設計荷重および設計法について学ぶ。 各種設計法について述べることができる。
8週 部材の特徴:圧縮部材、引張部材、曲げ部材などの力学的特性について学ぶ。 圧縮部材、引張部材、曲げ部材の特長について述べることができる。
2ndQ
9週 部材の接合[1]:部材の溶接方法、種類について学ぶ。また、溶接接合の特徴、留意点について学ぶ。 部材の接合方法、種類、それぞれの得失について述べることができる。
10週 部材の接合[2]:機械的接合の種類、特徴、設計法について学ぶ。 機械的接合の種類、特長について述べることができる。機械的接合を用いて設計する場合の留意点について理解する。
11週 鋼構造の維持管理:鋼橋の損傷、疲労・腐食、点検・調査などの考え方について学ぶ。 維持管理の目的を説明することができる。維持管理方法についてイメージできる。
12週 施工方法:橋梁の架設方法について学ぶ。 橋梁の施工方法とその留意点について述べることができる。
13週 橋床、床組、対風構:橋床、床組、対風構の設置目的および種類について学ぶ。 それぞれの部材の設置目的について説明することができる。
14週 プレートガーダー橋:プレートガーダー橋の構成および設計上の留意事項について学ぶ。 プレートガーダー橋の構成および設計上の留意点等について述べることができる。
15週 トラス橋および支承:トラス橋の構成および支承の種類について学ぶ。 トラス橋の構成について説明することができる。支承の種類について述べることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。4前1
鋼材の種類、形状を説明できる。4前2,前4,前5
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。4前2,前4,前5
コンクリートの長所、短所について、説明できる。3前1
非破壊試験の基礎を説明できる。3前9,前11
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。3前9,前11
構造影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。3
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。3
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3前6
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。3前1,前3,前15
橋の構成、分類について、説明できる。3前2,前10,前12,前14,前15
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。3前5
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。3前5
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。3前6
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。2前7,前8
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。2前13

評価割合

試験演習・レポート出席合計
総合評価割合603010100
基礎的能力20151045
専門的能力4015055