1. 産業財産権の基礎知識の習得
2. インターネットによる特許検索能力の習得
3. 技術者の倫理観の欠如により起こった事故や事件の調査を通して、その背景や原因を的確に捉えることができる
4. 事例発表ならびに質疑応答を通して,物事をより深く多面的に思考できる
5. 事例発表ならびにグループ討議を通して,技術者が日常の業務の中で直面する可能性のある倫理的問題を幅広く捉え,倫理的な価値判断を行うことができる
概要:
前半の産業財産権の講義では、技術者として産業財産権の重要性と基礎的な知識を習得し、日常生活の工夫から発明を発掘し、産業財産権制度に明るい人材の育成を目指す。
後半の工業倫理の講義では、技術ならびに工業製品が社会や自然に及ぼす影響の大きさを学習し、技術者が負うべき倫理的責任を認識できるような人材の育成を目指す。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で生産技術や知的財産権の活用・管理を担当していた教員が、その経験を活かし、企業活動において必須となる倫理観や産業財産権について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
1. 産業財産権制度の概要について学習し、演習問題を実施して理解度を深める。
2. インターネットによる特許情報の検索は、弁理士を招聰して行う。
3. 過去の重大事故、事件の紹介を通して、なぜ技術者の倫理観が問題となるのか、また技術者が負うべき倫理的責任について説明する。その後、受講者をグループに分け、調査を行う事例をグループ毎に決定する。受講者は書籍、インターネットや報道記事などを参考に事例を詳細に調査、技術者の行動や判断を分析し、調査結果を持ち回りで発表する。プレゼンの途中経過や資料のやり取りは,Teamsを用いておこなう。
注意点:
授業後にグループワークの課題を課すので,進捗状況またはプレゼンのファイルを次回の授業開始前までに,Teamsの課題提出に投稿すること。
前半の産業財産権の講義のおいては小テスト25%、レポート25%として評価する。後半の工業倫理の講義では、プレゼンテーションの内容30%、レポート20%として評価する(定期試験は実施しない)。60点以上を合格とする(再試験は行わない)。
本科目は学修単位科目であるので、授業時間以外での学修が必要であり、これを課題として課す。
次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | 後9,後10 |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | 後9,後10 |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | 後9,後10 |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | 後9,後10 |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | 後2 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 後8,後9,後15 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | 後9 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 後9,後10 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | 後9,後10 |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | 後5,後6,後7 |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | 後5,後6,後7 |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | 後5,後6,後7 |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | 後5,後6,後7 |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | 後5 |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | 後8,後9,後14,後15 |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | 後4,後6,後7,後14,後15 |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | 後4,後6,後7,後14,後15 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 後9,後12,後13,後14,後15 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 後9,後12,後13,後14,後15 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 後9,後13,後14,後15 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 後9,後13,後14,後15 |