到達目標
1.基本的な方程式・不等式を解くことができる。
2.三角関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。三角関数の基本的な公式を用いた各種計算ができる。
3.2次関数・分数関数・無理関数等の関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 方程式・不等式を用いて、様々な文章問題を解くことができる。 | 基本的な方程式・不等式を解くことができる。 | 基本的な方程式・不等式を解くことができない。 |
評価項目2 | 三角形の辺・角・面積等の計算ができる。グラフを用いて三角関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 三角関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。三角関数の基本的な公式を用いた計算ができる。 | 三角関数に関する基本的事項を説明できない。三角関数のグラフを描けない。三角関数の基本的な公式を用いた計算ができない。 |
評価項目3 | グラフを用いて分数不等式・無理不等式等を解くことができる。 | 2次関数・分数関数・無理関数等の関数に関する基本的事項を説明でき、これらのグラフを描ける。 | 2次関数・分数関数・無理関数等の関数に関する基本的事項を説明できない。これらの関数のグラフを描けない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
工学(理系の学問)を学ぶとき、数学は必要不可欠です。なぜならば、工学の内容は、主に数式などの数学の記号を用いて書かれていたり、微分積分法や線形代数的手法などと呼ばれる数学の計算方法を用いて計算されたりしているからです。また、工学の問題を解くときの考え方(論理的思考:「これが、 こうなって、次にこうなるから、ここはこうなる」というような考え方)は、数学の問題を解くときの考え方と似ているからです。つまり、工学を勉強するためには数学の内容と考え方をマスターしなければなりません。そこで、高専で数学を学ぶ上では次のことが重要になります。
1) 中学までに学んできた数学の数式だけでは不十分で、工学に応用できません。新しい数式(さまざまな関数など)が必要になります。ですから、この新しい数式などをしっかり理解することが第一歩になります。
2) 数式だけが新しくなっても不十分です。いくつかの新しい計算方法が必要になります。さらに、新しい計算方法を組み合わせて使ったりすることも必要になります。ですから、この新しい計算方法のことを理解し、応用できなければなりません。
3) 問題を解くとき、解くための筋道(「最初こうして、次にこうしていけば、・・・こうなって解ける」など)を考えることは、常に必要です。つまり、論理的思考能力を身に付けていかなければなりません。
この基礎解析学では、中学校で学んでいない新しい関数(数式)を学びます。たとえば、三角関数、2次関数、分数関数、無理関数等です。これらの新しい関数について、様々な計算や応用問題を行います。
授業の進め方・方法:
講義形式、グループワーク等による授業および問題演習
内容の理解と定着をはかるため、教科書本文中の演習問題あるいは教科書巻末の問題集の演習問題のいくつかを適宜レポートとして解答・提出してもらいます。また、必要に応じて小テスト等を行います。
注意点:
中学校における学習内容に基づき授業を行います。
下記の「評価割合:成績」は,7回の定期試験(3回の課題試験を含む)を用いて評価します。
「ポートフォリオ」30%はレポートで評価します。評価の観点に関しては,1回目の授業で説明します。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
課題試験返却と解説 授業の概要説明 |
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2週 |
指数の拡張 正の数の表現
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・ 指数の拡張;数の0乗やマイナス乗の定義を理解し、その計算ができる。 ・ 正の数が a×10^n の形に表現できることを理解し、その表現での計算ができる。
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3週 |
連立1次方程式・不等式 |
・ 未知数が2個の連立1次方程式が解ける。 ・ 1次不等式および連立1次不等式が解ける。
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4週 |
ルート記号のついた数 2重根号
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ルート記号を含む数の計算、ルートの中にルートを含む数の計算ができる。
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5週 |
複素数 |
2乗して -1 になる新しい数を考え、そのような数の四則演算ができる。
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6週 |
2次方程式 連立2次方程式
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2次方程式の解の公式を理解し、いろいろな2次方程式を解くことができる。
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7週 |
絶対値 |
絶対値を含む方程式の解法を理解し、それらが解ける。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
テスト返却と解説 一般角 三角関数の定義
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一般角の概念、三角関数 sin、 cos、 tanの定義を理解し、値を計算できる。
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10週 |
三角関数と直角三角形 |
三角関数と直角三角形の関係を理解し、それに関する問題が解ける。
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11週 |
三角関数の基本公式 |
sin、 cos、 tanの相互関係を理解し、1つの値から残りの値を計算できる。
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12週 |
加法定理 |
cos(x+y)などの公式が関係した計算ができる。
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13週 |
加法定理から導かれる公式 余弦定理
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・cos(x+y)などの公式が関係した計算ができる。 ・三角形の辺と角の関係式である余弦定理を理解し、計算に応用できる。
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14週 |
正弦定理 三角形の面積
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・三角形の辺と角の関係式である正弦定理を理解し、計算に応用できる。 ・三角形の面積を求める計算式について述べる。面積の計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
課題試験返却と解説 2点間の距離
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点と点の距離が計算できる。
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2週 |
直線の方程式 2直線の関係
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・直線の式の表現を理解し、計算ができる。 ・2つの直線が平行または垂直になるための条件を理解し、それに関する問題に応用できる。
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3週 |
関数概説 |
・関数とは何かについて理解できる。 ・グラフを移動したとき、もとの式の変化について理解できる。
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4週 |
2次関数のグラフ・最大最小 |
2次関数のグラフを描けること。その最大値・最小値が求められる。
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5週 |
条件を満たす2次関数 放物線と直線
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・グラフがある条件を満たす2次関数の式を求めることができる。 ・放物線と直線との共有点の座標を求めることができる。
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6週 |
2次不等式 |
2次式不等式の解法を理解し、計算できる。
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7週 |
分数関数のグラフ・最大最小 双曲線と直線
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・1次分数関数のグラフを描けること。その最大値・最小値を求められる。 ・双曲線と直線との共有点の座標を求めることができる。 ・分数式を含む不等式の解法を理解し、計算できる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
テスト返却と解説 合成関数 逆関数 無理関数のグラフ・最大最小
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・合成関数・逆関数とは何か、逆関数のグラフの性質について理解する。 ・無理関数のグラフを描けること。その最大値・最小値の求められる。
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10週 |
無理関数のグラフと直線 |
・無理関数のグラフと直線との共有点の座標を求めることができる。 ・無理式を含む不等式の解法を理解し、計算ができる。
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11週 |
弧度法 三角方程式
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角度の単位「ラジアン」を理解し、三角関数の方程式が解ける。
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12週 |
三角不等式 |
三角関数の不等式が解ける。
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13週 |
三角関数のグラフ |
三角関数のグラフが描ける。
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14週 |
逆三角関数の定義 その他の三角関数
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・逆三角関数の定義を理解し、値の計算ができる。 ・sec、 cosec、 cot の定義を理解し、値の計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
テスト返却と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 実数の絶対値について理解し、計算ができる。 | 1 | |
分母の有理化等の平方根の計算ができる。 | 1 | 前5,前7 |
複素数の相等を理解し、加減乗除及び絶対値の計算ができる。 | 1 | 前4 |
解の公式等を利用して、二次方程式を解くことができる。 | 2 | 前6 |
連立方程式を解くことができる。 | 2 | 前3,前6 |
無理方程式及び分数方程式を解くことができる。 | 2 | 後7,後10 |
一次不等式及び二次不等式を解くことができる。 | 2 | 前3,後6 |
二次関数の性質及びグラフを理解し、最大値や最小値を求めることができる。 | 2 | 後4 |
分数関数や無理関数の性質及びグラフを理解し、分数関数や無理関数を含む不等式に応用できる。 | 2 | 後7,後9,後10 |
与えられた関数の逆関数を求め、その性質を説明できる。 | 2 | 後9 |
角を弧度法で表現することができる。 | 1 | |
鋭角の三角比及び一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 1 | 後11 |
三角関数の性質及びグラフを理解し、三角関数を含む方程式・不等式を解くことができる。 | 2 | 後13 |
加法定理を利用できる。 | 2 | 前12,前13 |
与えられた二点から距離や内分点を求めることができる。 | 2 | 後1 |
直線及び円の方程式を求めることができる。 | 2 | |
二次曲線について、方程式とグラフの概形の関係を説明できる。 | 1 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |