物理AⅡ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理AⅡ
科目番号 0010 科目区分 一般 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(共通科目) 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「総合物理1」 植松恒夫 他(啓林館),「セミナー物理基礎+物理」 第一学習社編集部 (第一学習社)
新課程 フォローアップドリル物理基礎(数研出版) ①運動の表し方・力・運動方程式
新課程 フォローアップドリル物理基礎(数研出版) ②仕事とエネルギー・熱
新課程 フォローアップドリル物理基礎(数研出版) 実験データの分析
担当教員 油谷 英明,伊藤 慎太郎

到達目標

・物理学の学習を通じて、自然現象を系統的、論理的に考えていく能力を養い、広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方、考え方が出来る。
・力、力のモーメントのつり合いを表す数式の物理的意味を理解し、適切に計算することができる。
・運動の3法則を理解し、様々な運動に適用することができる。
・力の種類とその特性を理解し、物体に力が作用した場合の運動を運動方程式を解くことで求めることができる。
・各物理量の関係を正しく理解し、組み合わせでの表し方、数式としての取り扱いを理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
運動・つり合いの表現、物理量の理解物体の運動・つり合いを表す各物理量の概念、定義の理解を理解し、それらを様々な運動においていも単位を含め、式、図などを用いて、適切に説明することができる。物体の運動・つり合いを表す各物理量の概念、定義の理解を理解し、それらを式、単位を含めて適切に説明することができる。物体の運動・つり合いを表す各物理量の概念、定義の理解が不十分で、それらを正しく説明することができない。
運動方程式、剛体のつり合いの式の複数の物体を含む場合の応用的な問題の各物体に作用する力を正しき示し、運動方程式を立て解くことができる。また剛体のつり合いの式をたて、つり合いの条件を求めることができる。物体に作用する力を正しく示し、複数の物体を含む場合の標準的な問題の運動方程式を立て、解くことができる。また剛体のつり合いの式をたて、つり合いの条件を求めることができる。物体に作用する力を正しく示すことができず、運動方程式を立てることができない。あるいは剛体のつり合いの式を正しく示すことができない。
各式の適用と適切な計算数式を物理的、数学的に理解し、応用問題においても式を正しく適用、展開することができる。有効数字等、適切な計算ができる。数式を物理的、数学的に理解し、標準的問題において式を正しく適用、展開することができる。また、有効数字を含め、適切な計算ができる。数式の物理的あるは数学的理解が不十分で、各問題において式を正しく適用、展開することができない。
各現象の図表による記述と理解図表による運動に関する複合的現象の記述、表現を的確に読み取り、説明することができる。また、複合的現象を図表を用いて数値、数式を含めて的確に説明することができる。図表による運動に関する現象の記述、表現を的確に読み取り、説明することができる。また、現象を図表を用いて的確に説明することができる。図表による運動に関する現象の記述、表現を的確に読み取る
実験の遂行、実験レポートの作成と提出実験を安全かつ精度よく遂行できる。必要事項を満たし、結果に対する考察が十分なレポートを提出できる。実験を安全に遂行し、必要事項を満たしたレポートを提出できる。実験を遂行することができない、あるいは報告レポートを作成、提出することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
物理AIに引き続き、力学の基礎である力、力のモーメントのつり合い、運動の3法則、運動方程式、仕事とエネルギーについて学ぶ。これらは工学を学ぶために重要な基礎であり、力学の学習を通じて、自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い、物理的な見方、考え方を身に付ける。
授業の進め方・方法:
全員が理解する事を基本方針とし、検定教科書を用いた講義により物理的な内容の理解に努める。問題演習、実験、小テスト等を折り込みながら講義を進める。また,講義内容のより深い理解のため、模範実験(デモンストレーション)を随時織り込むほか、数回の実験も行う。
注意点:
・授業で課せられる演習問題課題の提出や,ICTでの課題の進捗状況を求められる。
・講義、授業内容をノートにまとめ、継続的な学習を心がけること。ノートは必要に応じて確認する。
・1日1問ノート,冬休みの課題を課す。提出日に遅れた場合は減点する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
力の表し方、いろいろな力(重力、糸を引く力、面から受ける力、弾性力)
・力の表し方、力の三要素を説明する頃ができる。
・重力、糸が引く力、面から受ける力、弾性力の特性をを理解し、図式を用いて説明することができる。
2週 力の合成と分解(ベクトルとしての扱い) ・物体に作用する力を図示することができる.
・力の合成・分解について理解し,合力や成分分解した力を求めることができる.
3週 力のつりあい(2力、3力の場合、作用反作用を含む場合) ・2力のつり合い、3力のつり合いを図式を用いて求めることができる.
・作用反作用を含む力のつり合いの式を立て、力を求めることができる。
4週 実験:摩擦力と力のつりあい ・物体に加わる3力の測定を行い,力の合成・分解が成り立つかを確かめる.
・最大摩擦力を測定し,静止摩擦係数を求める測定実験を行う.
・測定データを適切に処理し報告書を書くことができる.
5週 運動の三法則と運動方程式の立て方
重さと質量、単位と次元
・慣性の法則、運動の法則について説明できる.
・力が作用する物体の運動について,力と加速度の関係、質量と加速度の関係を説明できる。
・運動方程式を立てて解くことができる。
・作用反作用の法則を図表を用いて説明できる。
・重さと質量の違いについて説明できる。
6週 様々な力と運動(糸でつるした物体の運動、糸でつながれた2物体の運動、アトウッドの器械、押し合う力がはたらく複数の物体の運動) ・運動方程式を立てて解くことができる。
・運動の三法則について図表を用いて説明できる。
・単位と次元の違い、関係を説明できる
7週 様々な力と運動(静止摩擦力、摩擦角、動摩擦力、あらい水平面上での運動)圧力と浮力、空気抵抗がはたらく落下運動 ・摩擦が作用する場合の運動方程式を立てて解くことができる。
・静止摩擦、動摩擦、摩擦角を図表を用いて説明できる。
・圧力と浮力を図式で説明できる
・空気抵抗のある落下運動を運動方程式を立て、速さの変化を説明できる。
8週 中間試験 ・既習領域の問題を解くことができる.
4thQ
9週 試験内容について解説
剛体のつりあいと力のモーメント
・中間試験の内容を理解する.
・質点と剛体の違いが説明できる。
・力の作用点と作用線の物体への影響を説明できる。
・力のモーメントを図式で説明し、その大きさと方向を求めることができる。
10週 ・剛体のつり合い
・剛体にはたらく力の合成、偶力
・並進運動と回転運動について説明できる。
・剛体に力が作用する場合のつり合いの条件を求めることができる。
・剛体にはたらく力を合成することができる。
・偶力について図式を用いて説明できる。
11週 ・剛体のつり合い
・物体の重心とつりあい
・剛体のつり合いの式をたて、条件を求めることができる。
・物体の重心の定義・式を理解し、様々な形の物体の重心を求めることができる。
12週 ・仕事と仕事の正負
・仕事の原理、仕事率
・仕事の定義、式を理解し、正負を含め力のする仕事を求めることができる.
・仕事の原理を理解し、様々場合に適用することができる。
・仕事率の定義、式を理解し、各条件における仕事率を求めることができる。
13週 運動エネルギー、運動エネルギーの変化と仕事
位置エネルギー(重力による位置エネルギー、ばねの弾性力による位置エネルギー)
力学的エネルギー
・運動エネルギーの定義、式を理解し様々な場合の運動エネルギーを求めることができる。
・運動エネルギーの変化と仕事の関係を理解し、様々な場合の運動エネルギーを求めることができる。
・重力、ばねの弾性力による位置エネルギーを求めることができる。
・力学的エネルギーの定義を理解し、各条件における力学的エネルギーを求めることができる。
14週 力学的エネルギーの保存
保存力と非保存力
・力学的エネルギー保存の法則を用いて,様々な物理量の計算に利用できる。
・保存力と非保存力の定義を理解し、力学的エネルギーが保存される条件を説明できる。
15週 定期試験 ・既習領域の問題を解くことができる。
16週 定期試験内容について解説 ・定期試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理物体に作用する力を図示できる。3後1,後2,後3,後5
力の合成と分解ができる。3後1,後2,後3,後5
質点にはたらく力のつりあいに関する計算ができる。3後1,後2,後3,後5
重力、弾性力、抗力、張力の概念を理解し、それぞれの力に関する計算ができる。3後1,後2,後3,後5
圧力、浮力について説明できる。3後1,後2,後3,後5
運動の三法則について説明できる。3後10,後11
運動方程式を用いて、物体に生じる加速度や物体にはたらく力などを求めることができる。3後10,後11
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後2,後3,後5,後10,後11
最大摩擦力に関する計算ができる。3後2,後3,後5,後10,後11
動摩擦力に関する計算ができる。3後2,後3,後5,後10,後11
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後12,後13,後14
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後12,後13,後14
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後12,後13,後14
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後12,後13,後14
力学的エネルギー保存の法則について説明でき、その法則を用いて、物体の速度や変位などを求めることができる。3後13,後14
力のモーメントに関する計算ができる。3後6,後7
剛体のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
物理実験物理実験実験の目的及び原理を説明できる。3後4
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(化学実験と共通)3後4
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(化学実験と共通)3
実験データから、最確値や誤差などを求めることができる。3
適切なグラフを作成し、実験データ間の最も確からしい関係を見出すことができる。3
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(化学実験と共通)3
実験結果から、物理現象の特徴や規則性を説明できる。3
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(化学実験と共通)3

評価割合

試験小テスト等演習・レポート等合計
総合評価割合601030100
基礎的能力601030100
専門的能力0000
分野横断的能力0000