機械工作法

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 機械工作法
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 臼井英治、松村隆著「機械製作法要論」
担当教員 寺井 久宣

到達目標

1.機械製作で用いられる材料について、種類、製法、性質などを理解できる。
2.機械部品の製作方法および使用機械の基礎的な事柄を理解できる。
3.簡単な形状について、適切な製作方法を選択でき、身近な製品がどのような方法で生産されているか類推できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械製作で用いられる材料に関して、その種類・製法・性質を理解し、どのような機械部品に使用されるかその理由を説明できる。機械製作で用いられる材料について、主な材料区分ができ、種類、製法、性質について説明できる。機械製作で用いられる主な材料を区分できない。
評価項目2各種機械製作方法の特徴を理解し、同じ形状の部品でも製造方法の違いでどのような影響が出るか説明できる。機械製作方法のそれぞれの特徴について説明できる。様々な機械製作方法について、それぞれの違いについて説明できない。
評価項目3要求された部品形状について適切な制作方法を選択でき、身近な製品の製造方法について正しく指摘できる。与えられた単純な形状の部品について、実現可能な製作方法を選択でき、身近な製品について製造方法について類推できる。与えられた形状について実現可能な制作方法を選択できない、もしくは身近な製品の製造方法について適切に類推できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B②  自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
身の回りに存在するあらゆる「もの」は、必ずどこかで誰かが作っている。様々な製品がどのような材料でどのような行程を経て製作されているのか、機械系技術者として基本となる「ものづくり」に関する知識を学修する。
授業の進め方・方法:
機械材料および機械部品を製作する上で主な加工方法である鋳造、塑性加工、溶接、切削加工、研削加工について基本的知識について順次講義する。授業内容のまとめ、質問などのレポートを毎回提出してもらう。試験は主に説明問題を出題し、機械製作に関する基本的な事項について説明できる事を目標とする。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械材料(1) 機械材料に求められる性質を説明できる。
鉄系材料、非鉄材料、非金属材料の区別を説明できる。
2週 機械材料(2) 鉄系材料の製造方法(製鉄・製鋼)を説明できる。
炭素鋼の熱処理について説明できる。
3週 機械材料(3) 非鉄金属(アルミニウム、銅など)の性質について説明できる。
4週 機械材料(4) 非金属材料(ゴム、セラミックスなど)の性質について説明できる。
5週 鋳造(1) 鋳物の性質・特徴を説明できる。
砂型を使った鋳造について説明できる。
6週 鋳造(2) 砂型の特徴を説明できる。
ロストワックス法について説明できる。
7週 鋳造(3) 金型鋳造の特徴を説明できる。
ダイカスト法について説明できる。
8週 鋳造(4) 鋳物の欠陥とその検査法について説明できる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 答案返却、解答説明。
塑性加工(1)
塑性加工の特徴について説明できる。
圧延加工について説明できる。
11週 塑性加工(2) 鍛造について説明できる。
プレス加工について説明できる。
押出し加工、引抜き加工、転造加工などについて説明できる。
12週 溶接(1) 溶接の特徴について説明できる。
被覆アーク溶接について説明できる。
13週 溶接(2) ガスシールドアーク溶接について説明できる。
ガス溶接、抵抗溶接について説明できる。
14週 溶接(3) レーザ溶接、電子ビーム溶接等その他の溶接について説明できる。
溶接の欠陥とその検査方法について説明できる。
15週 前期末試験
16週 答案返却、解答説明。
後期
3rdQ
1週 切削加工(1) 切削加工の特徴について説明できる。
切削工具先端での切削機構を説明できる。
2週 切削加工(2) 二次元切削と実際の切削との関係を説明できる。
切屑の形態、構成刃先について説明できる。
3週 切削加工(3) せん断面における変形を基にした切削力の関係式を力学的に導き出せる。
4週 切削加工(4) 切削温度について発熱源と温度分布の関係を説明できる。
5週 切削加工(5) 切削工具の損傷について、欠けと摩耗の違いを明らかにして説明できる。
6週 切削加工(6) 工具摩耗の進展と工具寿命について説明できる。
工具寿命方程式の意義について説明できる。
7週 切削加工(7) 工具材料と適切な切削速度について説明できる。
8週 切削加工(8) 経済的切削条件について説明できる。
4thQ
9週 中間試験
10週 答案返却、解答説明。
切削加工(9)
各種切削加工について、切削工具と工作機械の運動を説明できる。
旋削とフライス加工について説明できる。
11週 切削加工(10) 穴あけ加工について説明できる。
加工精度について説明できる。
超精密切削等、最近の切削加工技術の動向について説明できる。
12週 研削加工(1) 研削加工の原理について説明できる。
円筒研削と平面研削について説明できる。
13週 研削加工(2) 砥石の構造について、三要素も含めて説明できる。
自生発刃について説明できる。
14週 研削加工(3) ホーニング、超仕上げ、ラッピングなど遊離砥粒加工について説明できる。
15週 学年末試験
16週 答案返却、解答説明。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3前5
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3前5,前6,前7
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3前7
鋳物の欠陥について説明できる。3前8
溶接法を分類できる。3前13,前14,前15
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3前15
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3前13
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3前14
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3前10,前11,前12
鍛造とその特徴を説明できる。3前11
プレス加工とその特徴を説明できる。3前11,前12
転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明できる。3前11,前12
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。3後1,後2,後4,後10,後11,後12
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。3後1,後2,後10
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。3後10
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。3後11
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3後7,後8
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3後8,後10
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。3後13
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。3後14
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。3後15

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000