自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につけさせる.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させる.
物理IIでは,
・電気および磁気の基本的な現象を説明できる。
・電気と磁気との関連を理解し、解くことができる。
・電磁気現象の基本的な部分は計算ができ、説明ができる。
・原子・分子・原子核等のミクロな世界の基礎がわかり、説明できる。
・応用物理実験を行い、電気・電磁気,光,原子・分子の分野の実験を行い、実験の内容を説明できる。
ことを目標とする.
概要:
電気および磁気の基本的な現象を理解する。電気と磁気との関連も理解する。身の周りにある電気機器等に電磁気の法則がどのように応用されているかを学ばせる。原子、分子、原子核等のミクロな世界の基礎を学ばせる。
応用物理実験を行い、電気・電磁気,光,原子・分子の分野の実験を行い、5年次開講の応用物理の基礎を身につける。
授業の進め方・方法:
前期中間試験までに応用物理実験を行い,電気・電磁気,光,原子・分子の分野について理解する.
履修済みの電気分野を確認後に電気磁気学・原子の世界へ導く授業を行うため,問題集等を用いて理解を深め、計算能力も付けるようにする。 また、実験教材を多用して視覚的、直感的に電磁気的現象・ミクロな世界の物理法則が理解できるようにする。
応用物理実験は、自作指導書を使用参加させて実験を行う。
注意点:
・授業で課せられる演習問題課題への提出が求められる.
・授業の内容はノートに書き留めておくこと.学んだことを確認するのに役立ちます.
・疑問があれば,自分で調べ,考える事.解決できなければ,クラス内で討論し理解を深めて下さい.
・応用物理実験は、安全に実験を実施することに注意する。(応用物理実験のレポートをすべて提出し,受理されていないと合格できない。また、F2になる可能性もあるのでレポートの提出・内容には十分注意すること)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
応用物理実験のガイダンス |
・安全な器具の取扱. ・実験報告書の形式. ・実験データの精度.
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2週 |
チームリーダーの育成 |
・実験班のリーダーとして班員を指導できる.
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3週 |
力学分野 |
・ねじれ振り子の剛性率の測定 ・重力加速度の測定
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4週 |
電気・電磁気学分野 |
・シンクロスコープの実験 ー発振回路(のこぎり波)― ―発振回路(マルチバイブレータ)―
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5週 |
光の分野 |
・光ファイバの伝送損失の実験 ・ニュ-トン管-光の干渉-
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6週 |
電子・原子分野 |
・フランク・ヘルツの実験 ・放射線シミュレーション・放射線測定実験
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7週 |
レポート作成指導 |
・実験報告書の形式 ・実験データの精度
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8週 |
中間試験 |
・既習領域の問題を解くことができる. (2年時の電気基礎の内容も含める)
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2ndQ |
9週 |
電荷と静電気力 |
・静的な電気について説明できる. ・導体と不導体の違いについて,自由電子と関連させて説明できる ・静電誘導について説明できる.
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10週 |
電界とその性質 |
・クーロンの法則について説明し,点電荷の間に働く静電気力を求めることができる.
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11週 |
電界とその性質 |
・電界について説明できる. ・電気力線について説明できる.
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12週 |
ガウスの法則 |
・ガウスの法則を説明でき,電界の計算ができる.
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13週 |
コンデンサー
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・電気力による位置エネルギーを理解し,電位を説明できる. ・電位差・複数の電荷による電位を求めることができる. ・静電遮蔽について説明できる. ・電気容量の計算ができる. ・コンデンサーに蓄えられたエネルギーの計算ができる. ・コンデンサーの接続による合成容量の計算ができる.
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14週 |
直流回路 ホイートストンブリッジ |
・直流回路の計算ができる. ・ホイートストンブリッジの説明ができ,未知抵抗の計算 ができる. 直流回路においてコンデンサーを含む回路の計算ができる . ・半導体の性質について説明できる.
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15週 |
期末試験 |
・既習領域の問題を解くことができる.
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16週 |
試験内容について解説 磁気力と磁界 |
試験内容を理解する. ・磁気力によるクーロンの法則を理解し、計算ができる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
電流が作る磁界 |
・磁界について説明ができ、磁界の強さを求めることができる. ・右ねじの法則を説明できる.
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2週 |
ビオ・サバールの法則・アンペールの法則 |
・ビオ・サバールの法則を理解し、磁界の計算ができる. ・アンペールの法則を理解し、磁界の計算ができる.
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3週 |
電流が磁界から受ける力 |
・電流が磁界から受ける力を理解し、磁束密度や導線が受ける力を計算できる. ・平行電流間に働く力を計算できる.
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4週 |
ローレンツ力
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・ローレン力を理解し,荷電粒子の運動を説明できる. ・電子の比電荷を説明でき,計算で求めることができる. ・ホール効果について説明できる.
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5週 |
電磁誘導 |
・電磁誘導現象を理解し,ファラデーの電磁誘導の法則を説明できる. ・レンツの法則を理解し,コイルに発生する誘導起電力を求めることができる. ・渦電流について説明できる.
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6週 |
電磁誘導 |
・コイルと抵抗を含む回路について,電流と電圧の時間変化を説明ができ,回路の計算ができる. ・磁界中を運動する導体に関して,導体中の電流の強さを計算で求めることができる. ・コイルに蓄えられるエネルギーについて説明ができ,計算ができる. ・相互誘導について説明ができ,計算ができる.
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7週 |
交流 |
・交流発電機に生じる起電力を計算できる. ・交流における,抵抗・コンデンサー・コイルについて説明ができる. ・RLC直列回路の計算ができる. ・直列共振について説明ができ,共振周波数を求めることができる.
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8週 |
中間試験 |
・既習領域の問題を解くことができる.
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4thQ |
9週 |
試験内容について解説 電磁波 |
試験内容を理解する. ・電磁波の性質・種類について説明ができる.
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10週 |
電子・光子 |
・電子の電荷と質量を理解し,トムソンの実験・ミリカンの実験について説明できる.
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11週 |
光の粒子性 |
・光電効果を説明できる. ・光量子仮説を説明でき,光電子の運動エネルギを計算できる. ・X線について説明できる. ・コンプトン効果について説明できる.
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12週 |
粒子の波動性 原子モデル |
・ド・ブロイ波(物質波)について説明できる. ・波動と粒子の二重性について説明できる. ・原子核の構造について説明できる. ・原子の発光について説明できる. ・ボーアの水素原子モデルについて説明できる. ・定常状態でのエネルギー準位について説明できる.
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13週 |
放射線と原子核 |
・原子核の構成について説明できる. ・放射線とその性質について説明できる. ・放射線の利用について説明できる.
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14週 |
核分裂と核融合 素粒子 |
・核分裂について説明できる. ・半減期について説明できる. ・核融合について説明できる. ・素粒子について説明できる ・ビッグバン理論について説明できる.
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15週 |
定期試験 |
・既習領域の問題を解くことができる.
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16週 |
試験内容について解説 |
試験内容を理解する.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | 前4,後13 |
電場・電位について説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前13 |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | 前10,後1 |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | 前10,後1,後2 |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | 前14 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | 前14 |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | 前1,前2 |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | 前1,前2 |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | 前7,前8 |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | 前7,前8 |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前5 |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前4 |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前6 |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 前1 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | 前1 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 前1 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | 前1 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 前1 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | 前1 |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | 前1 |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | 前1 |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | 前1,前2 |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | 前1,前2 |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | 前1 |