工業力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 工業力学Ⅰ
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(機械創造システムコース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 工業力学 第4版(森北出版)
担当教員 吉武 靖生

到達目標

1.物体に作用する力やモーメントについて理解し、計算できる。
2.重心について理解し、計算できる。
3.点の運動、運動の法則について理解し、運動方程式が導け、速度や加速度が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力の合成、力のつりあい、モーメントについて計算でき、説明できる。力の合成、力のつりあい、モーメントについて説明でき、計算できる。力の合成、力のつりあい、モーメントについて説明できず、計算できない。
評価項目2重心について計算でき、説明できる。重心について計算できる。重心について計算できない。
評価項目3点の運動、運動の法則について理解し、運動方程式が導け、速度や加速度が計算でき、説明できる。運動方程式が導け、速度や加速度が計算できる。運動方程式が導けず、速度や加速度が計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
JABEE SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
JABEE SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
工業力学は機械工学の基幹となる材料力学、水力学、熱力学などの応用力学の入門的基礎科目であるため、重要な科目の一つである。
内容は剛体のつりあい問題を中心とする静力学と、支点や物体の運動を論じる動力学から構成されている。
工業力学Iでは、力の合成、力のつり合い、モーメント、重心、点の運動、運動の法則について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は教科書を併用しながら実施する。単なる暗記より、理解を重視する。応用能力と力学的センスを涵養するために、公式の導出過程を示すと共に、演習に授業の力点を置く。また、当科目は日々の勉学が不可欠であることから、宿題やレポートの提出を求める。
三角関数、微分積分、物理の力学を理解しておくこと。中間試験・定期試験を実施する。
注意点:
関数電卓を持参すること。
課題の期限を守ること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・1点にはたらく力の合成と分解について ・1点にはたらく力の合成と分解の計算ができる。
2週 ・力のモーメントについて ・力のモーメント、偶力を理解し、計算できる
3週 ・着力点の異なる力の合成について ・着力点の異なる力の合成の計算ができる。
4週 ・1点にはたらく力のつりあいについて ・1点にはたらく力のつりあいの計算ができる。
5週 ・支点にはたらく力について ・支点にはたらく力についての計算ができる。
6週 ・着力点の異なる力のつりあいについて ・着力点の異なる力のつりあいの計算ができる。
7週 ・トラス ・接点法、切断法を用いたトラスの計算ができる。
8週 ・中間試験 ・1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。
2ndQ
9週 ・重心と図心について ・重心、図心を理解する。
10週 ・物体の重心について ・簡単な図形の重心を導き出すことができる。
11週 ・点の運動 ・速度、加速度を理解する。
・等速度運動、等角速度運動の計算ができる。
12週 ・平面運動 ・放物線運動、円運動の計算ができる。
13週 ・相対運動 ・相対速度を理解し、相対運動の計算ができる。
14週 ・運動の法則について ・運動の第一法則、第二法則、第三法則を説明できる。
15週 ・慣性力について
・向心力、遠心力について
・慣性力について理解する。
・向心力、遠心力について理解する。
16週 ・定期試験 ・9〜15週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解の定着を図る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3前11
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前11
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前11
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前11
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前11
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前11
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前12
物体に作用する力を図示することができる。3前4
力の合成と分解をすることができる。3前4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前4
慣性の法則について説明できる。3前14
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前14
運動方程式を用いた計算ができる。3前14
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前14
運動の法則について説明できる。3前14
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前15
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前1
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前2
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前9,前10
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前11
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前11
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前14
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前14
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前14
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前12
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前15

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100