熱力学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱力学
科目番号 0082 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「熱工学 (機械系基礎工学5)」 鳥飼 欣一, 鈴木 康一, 岡田 昌志, 飯沼 一男, 須之部 量寛 (朝倉書店)
担当教員 谷口 茂

到達目標

気体の状態方程式を用いて、仕事と状態変化の関係が計算できる。
各種ガスサイクルの概念が説明でき、得られる仕事や効率等が計算できる。
ガソリン機関の構造や動作原理が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1仕事と状態変化の関係について応用的問題が計算できる。仕事と状態変化の関係について基礎的問題が計算できる。気体の状態方程式を用いて、仕事と状態変化の関係が計算できない。
評価項目2得られる仕事や効率について応用的問題が計算できる。得られる仕事や効率について基礎的問題が計算できる。各種ガスサイクルの概念が説明できず、得られる仕事や効率等の計算ができない。
評価項目3熱力学第一法則および第二法則、説明でき、応用的問題が解ける。熱力学第一法則および第二法則が説明でき、基礎的問題が解ける。熱力学第一法則および第二法則が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
熱と機械的仕事のエネルギー変換について学び、これらの基礎的な学問がどのように生かされているかについて理解を深めることを目的とする。また、授業では、熱エネルギーの応用として内燃機関に焦点をあてる。
授業の進め方・方法:
主として前期に熱力学、後期にガスサイクルと熱機関の基礎的事項について学習する。簡単な演習問題を授業の最後に行う。対数計算や微分積分など、数学での既学習内容を理解していることが前提となる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 気体の状態量 絶対温度および絶対圧力を理解できる。
2週 気体の状態方程式 状態方程式を理解し、計算できる。
3週 気体の状態変化(1) 等圧変化、等温変化、等容変化 等圧、等温、等容変化の概念を理解し、計算できる。
4週 気体の状態変化(2) 断熱変化、ポリトロープ変化 断熱変化、ポリトロープ変化の概念を理解し、計算できる。
5週 熱力学第一法則 熱力学第一法則を理解できる。
6週 状態変化における仕事(1) 等圧変化、等容変化 等圧、等容変化における絶対仕事を計算できる。
7週 状態変化における仕事(2) 等温変化、断熱変化 等温、断熱変化における絶対仕事を計算できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却および解説 
10週 ガスサイクル(1) カルノーサイクル カルノーサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
11週 ガスサイクル(2) 逆カルノーサイクル 逆カルノーサイクルの概念を理解し、成績係数を計算できる。
12週 熱力学第二法則 熱力学第二法則を理解できる。
13週 エントロピー エントロピーの概念を理解できる
14週 状態変化におけるエントロピーの変化 各種状態変化におけるエントロピーの変化を計算できる。
15週 前期定期試験
16週 答案返却および解説
後期
3rdQ
1週 ガスサイクル(4) オットーサイクル オットーサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
2週 ガスサイクル(5) ディーゼルサイクル ディーゼルサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
3週 ガスサイクル(6) サバテサイクル サバテサイクルの概念を理解し、熱効率を計算できる。
4週 現実の内燃機関のサイクル 現実の内燃機関のサイクルの特徴を理解し、熱効率の変化を予測できる。
5週 閉じた系と開いた系 閉じた系と開いた系を理解できる。
6週 絶対仕事と工業仕事 絶対仕事、工業仕事の概念を理解し、pv線図上に区別して描ける。
7週 ガスサイクル(7) ジュールブレイトンサイクル ジュールブレイトンサイクルの概念を理解し、pv線図上に描ける。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却および解説、
10週 内燃機関(1) ガソリン機関の構造 ガソリン機関の構造を理解できる。
11週 気体の流動(1) 摩擦なしの流れ 断熱熱落差の概念を理解し、流速が計算できる。
12週 気体の流動(2) 断熱流れ 断熱流れの特徴を理解し、流速が計算できる。
13週 音波 音波の性質を理解でき、音速が計算できる。
14週 気体の流動(3) 摩擦ありの流れ 摩擦が流れに及ぼす影響を理解できる。
15週 後期定期試験
16週 答案返却および解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。4
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3
サイクルをT-s線図で表現できる。3

評価割合

試験演習問題・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000