1. ニュートンの運動の3法則を対象となる物体の状況に適用してその運動を方程式として記述することができる。
2. 微分・積分を用いて運動に関する物理量を導き出し、その意味を説明できる。
3. 各物理量、法則を用いて対象となる物体の運動・作用を説明、式として記述することができる。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、物理と専門工学とのつながりについて、物理でのスカラー量とベクトル量の数学的取り扱いについて |
力Fや質量mなど物理で扱う諸物理量についてスカラー量とベクトル量の分類ができ、その数学的取り扱いについて説明できる。専門工学(電気電子工学)における物理の考え方を理解して、その代表的な事項を説明できる。
|
2週 |
物理における微分積分と物理量 :運動の記述:位置、速度、加速度、躍度について、各運動の種類と分類について |
微分積分の考えに基づき運動を記述する位置、速度、加速度、躍度について式を用いて説明、ある量から他量を求めることができる。これらの物理量から物体の運動を分類し、説明することができる
|
3週 |
運動方程式と基本法則:ニュートンの運動の3法則について、運動方程式と微分積分の利用について |
第1、第2法則における微分としての考え方、第3法則における2体間の作用・反作用に基づき取り扱う各運動についてニュートンの運動の3法則を説明でき、微分方程式として運動方程式を記述できる。
|
4週 |
運動の考察と運動方程式:重力ある場合の各運動、座標系のとり方について |
自由落下、放物運動など重力のある場合の運動について、運動方程式からその運動を説明できるとともに座標の取り方を変え、別の視点から運動を記述説明できる。空気抵抗がある場合に落下においても、微分方程式として運動方程式を解き、その運動を説明できる。
|
5週 |
運動の考察と運動方程式:滑車・糸でつながれた複数の物体に運動、互いに作用反作用を及ぼす場合の運動、摩擦力と互いに作用反作用を及ぼす場合の運動について |
滑車・糸でつながれた複数の物体、互いに作用反作用を及ぼす場合の運動、摩擦力と互いに作用反作用を及ぼす場合の運動についての基本的な問題を学んだ事項を用いて解き、その運動・状態を説明できる。
|
6週 |
位置エネルギー、運動エネルギーと仕事について:位置エネルギー・運動エネルギー、運動方程式からの運動エネルギーの変化と外力の成す仕事の導出と利用 |
運方程式からの運動エネルギーの変化と外力の成す仕事の関係を導出することができ、重力による位置エネルギーが関係する基本的な問題で、運動方程式を使わずに位置の変化から速度の変化、またその逆の過程で運動を説明できる。
|
7週 |
運動の考察と運動量・力積について:運動量、運動方程式からの運動量の変化と力積の導出、電子の運動についての適用 |
運動量の定義を理解し、運動方程式からの運動量の変化と力積の関係を導出することができる。基本的な問題についてベクトルとしての運動量の変化と力積を説明して、解くことができる。また電界下における固体中の自由電子の運動について適用して、平均緩和時間、平均自由行程、ドリフト速度について説明できる。
|
8週 |
前半のまとめ |
これまでに学んだ物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る。
|
2ndQ |
9週 |
運動量保存と分裂、衝突及びその種類、保存される量、及び運動の考察における利用について |
運動量保存則を理解して、現象としての分裂、衝突における物体の運動について、保存される量とともに説明できる。衝突をその特徴・はねかえり係数の式から 分類して、それぞれの場合の運動を説明できる。
|
10週 |
運動量保存と衝突・分裂;1次元、2次元の衝突、工学的な利用について |
1次元、2次元の場合の運動量保存と衝突・分裂について、基本的な事象、工学的な応用例の説明とそれらの問題を解いて物体の運動を説明ができる。
|
11週 |
質量中心・重心位置:工学における重心の重要性と図形、積分を用いた導出について |
質量中心・重心位置の定義式を示し、工学における重心の重要性を説明できる。また基本的な形状の物体の重心位置を図形として、質量が連続して分布している物体(棒など)場合の重心位置を積分を用いて求めることが出来る。
|
12週 |
運動量保存、質量中心・重心を用いた物体の運動の考察:質量中心・重心位置を用いる物体の運動の記述について |
静止状態から相互作用を及ぼし合いながら移動する物体の運動を運動量保存、質量中心・重心を適用して、(運動方程式を解かずに)説明することが出来る。
|
13週 |
運動量と重心速度 2体問題の考え方:換算質量、相対位置、重心運動から互いに作用反作用を及ぼす2つの物体の運動、地球と月の運動について |
作用反作用を及ぼす2つの物体の運動方程式を換算質量、相対位置、重心運動を用いて記述し、それぞれの運動を求める式を導出できる。これらの概念、式を地球と月の運動に適用し、その運動を説明できる。
|
14週 |
問題演習I:前期中の学習事項の振り返りと演習(グループ学習)
|
学習した物理現象の説明、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る。
|
15週 |
問題演習II:前期中の学習事項の振り返りと演習 |
学習した物理現象の説明、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る。
|
16週 |
期末試験 |
試験範囲となった物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
前期学習事項の振り返り、夏休み課題の確認(グループ学習) |
夏休み中の宿題の確認と前期中の学習事項の振り返りと演習から理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る
|
2週 |
保存力とポテンシャルエネルギー:保存力の定義、ポテンシャルと保存力の数学的関係について |
前期に学習した外力のする仕事について、さらに理解を深めて保存力・非保存力の定義と該当する力を説明できる。ポテンシャルと保存力の数学的関係について理解し、図形、ベクトル解析における演算子、積分を用いてそれぞれから他方を求めることができる。
|
3週 |
ポテンシャルと力学的仕事の関係と電気電子工学分野(電磁気学、電子工学)での利用について |
ポテンシャルと力学的仕事の関係について電気電子工学分野における電磁気の電位と電界、電子工学におけるPN接合のバンド図と電界を説明できる。
|
4週 |
束縛運動と束縛力について: 物体の運動を軌道に束縛する場合に作用する束縛力と運動 |
力が作用しない場合は等速直線運動をするはずの物体がある軌道に束縛される場合について、作用する束縛力、束縛力のする仕事について説明できる。
|
5週 |
円運動について:円運動の記述:角位置、角速度、角加速度、等速・非等速円運動 |
微分積分の考えに基づき円運動を記述する角位置、角速度、角加速度について図式を用いての説明、ある量から他量を求めることができる。これらの物理量から物体の運動を分類し、説明することができる。
|
6週 |
向心力と遠心力、慣性力 と慣性座標系・非慣性座標系、遠心力の工学的利用について |
円運動を考える場合の向心力と遠心力の考えを理解し、慣性座標系・非慣性座標系を用いた説明ができる。遠心力を用いた機器の原理・特徴を図式とともに説明できる。
|
7週 |
様々な場合の円運動・関連する運動について:天体の運動、人工衛星と宇宙速度、ポテンシャルエネルギーとの関係 |
様々な場合の円運動の例として人工衛星を考え、宇宙速度、ポテンシャルエネルギーを含む基本的な問題が解ける。ケプラーの法則を含む惑星の運動について図式を用いて説明できる。
|
8週 |
中間試験 |
試験範囲となった物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して次の学習に結び付けることが出来る。
|
4thQ |
9週 |
非等速円運動と力のモーメントについて:非等速運動の記述と作用する力のモーメント(トルク)、外積を用いた計算 |
外積の特徴を理解して図式で説明ができ、外積を用いた計算により力のモーメントを求めることができる。非等速運動となる物体の運動の運動方程式を記述し、その運動を説明できる。
|
10週 |
中心力と角運動量について:角運動量と中心力が作用する場合の運動と角運動量保存 |
角運動慮を理解して図式で説明ができる。中心力が作用する場合の運動とその場合の角運動量保存について説明できる。
|
11週 |
剛体の回転運動:剛体について、つりあいを含む剛体の運動方程式、固定軸のまわりの剛体の慣性モーメント |
剛体について定義を理解するととともに、与えられた剛体の慣性モーメントを用いて、つりあいを含む剛体の固定軸のまわりの運動方程式を記述して説明することができる。基本的な問題について運動方程式を解き、運動を説明できる。
|
12週 |
慣性モーメントについて:基本的な物体(図形)における慣性モーメントの計算 |
慣性モーメントの定義式を理解し、基本的な物体(図形)における慣性モーメントを図形から、あるいは積分によって求めることができる。
|
13週 |
剛体の平面運動:回転運動と並進運動、基本的な剛体の平面運動について |
基本的な剛体の平面運動、回転運動と並進運動を同時に考える剛体の運動についてそれぞれの運動方程式を立て、それを解いて運動を説明できる。
|
14週 |
総合問題演習 |
学習した物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して最終的な理解を深める。
|
15週 |
学年末試験 |
学習した物理現象の説明と、関連する問題を解くことできる。また、理解が不足している点を確認して最終的な学習目標の達成に結び付けることが出来る。
|
16週 |
学年末試験返却、問題解説、最終振り返り |
理解が不足している点を確認して最終的な学習目標の達成に結び付けることが出来る。
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | 前1,前2 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前2 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 前2,前3 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | 前2 |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | 前4 |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | 前4 |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | 前4,前5 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | 前4,前5 |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | 前4,前5 |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 前2 |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 前3,前4 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 前4 |
運動の法則について説明できる。 | 3 | 前3,前4 |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | 前5 |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前6 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前6 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 前6,前7,前9 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 前7,前9,前10 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前7,前9,前10 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | 後5,後6,後7 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 後2,後3,後7 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後7 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 後9 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 後9,後10 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 後10 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 後11 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 前11,前12,前13 |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | 後12 |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | 後11,後12,後13 |