応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0082 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(電気電子コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「新微分積分2」大日本図書、「新応用数学」大日本図書、「応用数学問題集」大日本図書
担当教員 豊永 憲治,石井 伸一郎

到達目標

1. 2階微分方程式の基本形が解ける。
2.関数のラプラス変換、逆変換が計算できる。
3.ラプラス変換を利用して微分方程式を解くことができる。
4.周期関数をフーリエ級数に展開することができる。
5.スカラー場における勾配、ベクトル場における発散、回転の意味を理解し、その計算ができる。
6.スカラー場、ベクトル場において線積分、面積分の計算ができ、積分公式を使いこなすことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々の微分方程式の一般解を求めることができる。与えられた2階線形微分方程式を解くことができる。簡単な2階線形微分方程式を解くことができない。
評価項目2ラプラス変換、逆ラプラス変換を用いて常微分方程式の応用的な問題を解くことができる。ラプラス変換や、逆ラプラス変換を用いて常微分方程式の基本的な問題を解くことができる。ラプラス変換、逆ラプラス変換を用いて常微分方程式の基本的な問題を解くことができない。
評価項目3フーリエ級数に関する発展的な問題を解くことができる。周期関数をフーリエ級数に展開することができる。周期関数をフーリエ級数に展開することができない。
評価項目4曲線や曲面、スカラー場やベクトル場に関する発展的的な問題を解くことができる。曲線や曲面、スカラー場やベクトル場に関する基本的な問題を解くことができる。曲線や曲面、スカラー場やベクトル場に関する基本的な問題を解くことができない。
評価項目5線積分、面積分および積分定理に関する発展的な問題を解くことができる。線積分、面積分および積分定理に関する基本的な問題を解くことができる。 線積分、面積分および積分定理に関する基本的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA② 自主的・継続的な学習を通じて、共通基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科教育目標、JABEE学習教育到達目標 SD② 専攻分野の専門性に加え、他分野の知識も学習し、幅広い視野から問題点を把握できる。

教育方法等

概要:
微分方程式、ラプラス変換、フーリエ変換、ベクトル解析の基礎的な内容を理解し、専門分野で応用するための基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義と演習を1セットとして進める。授業の進度に合わせてレポート課題を与える。
注意点:
1.微分積分Ⅱで学習したことは事前に復習しておくこと。
2.予習・復習・課題にしっかり取り組み、できるだけ多くの問題を解くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 2階微分方程式(1) 斉次線形微分方程式および非斉次線形微分方程式の
一般解について理解している。
2週 2階微分方程式(2) 定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。
3週 2階微分方程式(3) 定数係数2階非斉次線形微分方程式を解くことができる。
4週 2階微分方程式(4) いろいろな微分方程式の解法について理解している。
5週 ラプラス変換(1) ラプラス変換の基本的な定期を理解し、簡単な関数のラプラス変換を求めることができる。
6週 ラプラス変換(2) ラプラス変換の基本的な性質を理解し、いろいろな関数のラプラス変換を求めることができる。
7週 ラプラス変換(3) ラプラス変換の基本的な性質を理解し、いろいろな関数のラプラス変換を求めることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 ラプラス変換(4)
いろいろな関数の逆ラプラス変換を求めることができる。
10週 ラプラス変換(5) ラプラス変換を利用して、微分方程式を解くことができる。
11週 フーリエ解析(1) 周期2πの関数のフーリエ級数の定義を理解できる。
12週 フーリエ解析(2) 周期2πの関数のフーリエ級数を 求めることができる。
13週 フーリエ解析(3) フーリエ余弦級数、正弦級数を求めることができる。
14週 フーリエ解析(4) 一般の周期関数のフーリエ級数の定義を理解できる。
15週 フーリエ解析(5) フーリエ級数の収束定理を理解し、一般の周期関数のフーリエ級数を求めることができる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 ベクトル解析(1) 空間ベクトルの内積と外積の定義を理解し、その計算ができる。
2週 ベクトル解析(2) ベクトル関数の極限、連続や微分について理解し、計算できる。
3週 ベクトル解析(3) 空間内の曲線の接ベクトルおよび曲線の長さを求めることができる。
4週 ベクトル解析(4) 空間内の曲面の接平面、法ベクトルおよび曲面の面積を求めることができる。
5週 ベクトル解析(5) スカラー場やベクトル場、ベクトル場の勾配について理解し、その計算ができる。
6週 ベクトル解析(6) ベクトル場の発散、回転について物理的な意味を理解しその計算ができる。
7週 ベクトル解析(7) 勾配、発散、回転に関する公式を理解し、計算に用いることができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ベクトル解析(8) スカラー場の線積分を理解し、具体的な計算ができる。
10週 ベクトル解析(9) ベクトル場の線積分を理解し、具体的な計算ができる。
11週 ベクトル解析(10) グリーンの定理を理解している。
12週 ベクトル解析(11) スカラー場の面積分を理解し、具体的な計算ができる。
13週 ベクトル解析(12) ベクトル場の面積分を理解し、具体的な計算ができる。
14週 ベクトル解析(13) 発散定理を理解し、体積分の計算ができる。
15週 ベクトル解析(14) ストークスの定理を理解している。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前1
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

試験小テスト・提出物・演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000