科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学
科目番号 0012 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(情報システムコース) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「改訂化学基礎文部科学省検定済教科書2東書化基313」、竹内敬人他著、東京書籍, 「ダイナミックワイド図説化学」、竹内敬人編著、東京書籍, 「セミナー化学基礎+ 化学」、第一学習社編集部著、第一学習社
担当教員 牧野 伸一,園田 達彦,鈴木 拓

到達目標

1. 原子の構造、原子番号、質量数について説明できる。
2. モルの概念を理解し、物質量を使った計算ができる。
3. 化学反応式を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。
4. 酸化還元反応について説明できる。
5. 他の班員と協力し合って、安全にかつ円滑に実験を行い、その結果や考察をレポートにまとめて報告できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造、原子番号、質量数と、そこから解釈できる元素の性質を説明できる。原子の構造、原子番号、質量数について説明できる。原子の構造、原子番号、質量数について説明できない。
評価項目2モルの概念を理解し、物質量を使った計算ができる。モルの概念を理解し、物質量について説明できる。モルの概念を理解できない。
評価項目3化学反応式を反応物、生成物、係数を理解して組み立て、物質量比の計算をすることができる。化学反応式を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。化学反応式において、反応物、生成物、係数を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
中学校の理科で学んだ知識を基礎にして物質の構造・性質・反応を学び、単なる暗記ではなく、化学的なものの見方、考え方を身に付けさせるとともに、上の学年で学ぶ専門科目を理解するための基礎学力を養うことを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って授業を進める。後期には5 テーマの実験を組み入れて座学での理解向上の一助とする。
注意点:
新しい概念や法則等の理解が必要で、習った内容をもとにして次の知識が積み上げられて行くので、常日頃からの復習は必須である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学と人間生活 身のまわりの物質と人間生活のかかわりを例を挙げて説明できる。
2週 純物質と混合物 純物質と混合物の区別ができ、混合物の適切な分離法を選択できる。
3週 化合物と元素、物質の三態 単体と化合物の定義と具体例を説明できる。物質の三態と状態変化を、分子・原子レベルの視点で説明できる。
4週 原子の構造と元素の周期律 原子核の構成や原子番号、質量数の関係を説明できる。原子の電子配置を電子殻で書き表し、価電子と周期表の関係を説明できる。
5週 イオン結合、共有結合 イオンの価数を電子配置の安定化の観点から説明できる。イオン結晶の構造を説明できる。共有結合を電子配置の面から解説できる。
6週 分子間の結合 分子間に働く力の種類と違いを説明できる。
7週 金属結合 金属の性質を原子レベルで説明できる。
8週 中間試験 前期前半の内容の理解を問う試験で、大部分を正答することができる。
2ndQ
9週 原子量、分子量、式量、物質量 アボガドロ定数と物質量、原子の質量との関係を説明できる。
10週 溶液の濃度 質量パーセント濃度、モル濃度に関する計算ができる。
11週 化学反応式と量的関係 化学反応式から生成物の量などを計算することができる。
12週 酸と塩基、水素イオン濃度とpH 酸・塩基の強弱と電離度との関係を説明できる。水素イオン濃度からpHを求めることができる。
13週 中和反応と塩の生成 中和反応により生成される塩の水溶液の性質を予想できる。
14週 中和滴定 中和滴定により酸・塩基の濃度を求める計算ができる。
15週 期末試験 物質量を中心とした内容の理解と実践力を問う試験で、問題の意味を理解し、大部分を正答することができる。
16週 答案返却 不正解だったところを復習し、次の機会には正解できる。
後期
3rdQ
1週 化学実験諸注意 実験室で注意すべきことを説明できる。
2週 サイクル実験第1週 気体の分子量測定 指示に従って実験操作を行い、実験結果をまとめ、考察を考える。
3週 サイクル実験第2週 化学反応における物質の量的関係 指示に従って実験操作を行い、実験結果をまとめ、考察を考える。
4週 サイクル実験第3週 混合物の分離 指示に従って実験操作を行い、実験結果をまとめ、考察を考える。
5週 サイクル実験第4週 試験紙によるpHの測定 指示に従って実験操作を行い、実験結果をまとめ、考察を考える。
6週 サイクル実験第5週 中和滴定 指示に従って実験操作を行い、実験結果をまとめ、考察を考える。
7週 サイクル実験まとめ 5回の実験内容を正しく認識し、人に説明できる。結果と考察をまとめてレポートを作成できる。
8週 中間試験 酸と塩基を中心とした内容の理解と実践力を問う試験で、問題の意味を理解し、大部分を正答することができる。
4thQ
9週 酸化と還元、酸化剤と還元剤 酸化と還元の反応を電子の移動により説明できる。酸化剤・還元剤の半反応式を作ることができる。
10週 酸化剤と還元剤の量的関係 酸化還元反応における生成物の量などを計算することができる。
11週 金属の酸化還元反応 金属の反応性をイオン化傾向から説明できる。
12週 電池 電池における電子の移動を酸化還元反応の視点で説明できる。
13週 電気分解 電気分解での電極での反応を予想して説明できる。
14週 電気分解の応用 電気分解の応用例を挙げることができる。ファラデーの電気分解の法則を用いた計算ができる。
15週 定期試験 酸化と還元、電池と電気分解を中心とした内容の理解と実践力を問う試験で、問題の意味を理解し、大部分を正答することができる。
16週 答案返却 不正解だったところを復習し、次の機会には正解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。2前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前4
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前3
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2前3
水の状態変化が説明できる。2前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。2前3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前4
価電子の働きについて説明できる。3前4
原子のイオン化について説明できる。3前5
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前5
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前4
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前5
イオン結合について説明できる。3前5
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前5
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前5
共有結合について説明できる。3前5
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前5
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前7
金属の性質を説明できる。3前7
原子の相対質量が説明できる。3前9
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前9
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前9
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前9
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前10
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前11
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前11
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前10
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前10
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前10
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3前12
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3前13
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3前12
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。2前12
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3前13
中和滴定の計算ができる。3前14
酸化還元反応について説明できる。3後9
イオン化傾向について説明できる。3後11
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後11
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後12
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後12
一次電池の種類を説明できる。3後12
二次電池の種類を説明できる。3後12
電気分解反応を説明できる。3後13
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後14
ファラデーの法則による計算ができる。3後14
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2後1
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2後1
測定と測定値の取り扱いができる。2後2
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。2後2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。2後2
ガラス器具の取り扱いができる。2後6
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。2後6
試薬の調製ができる。2後6
代表的な気体発生の実験ができる。2後6
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1後1,後2,後3,後4,後5,後6
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。1後2,後3,後4,後5,後6
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1後2,後3,後4,後5,後6
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1後2,後3,後4,後5,後6
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。1後2,後3,後4,後5,後6
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1後2,後3,後4,後5,後6
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。1後2,後3,後4,後5,後6
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。1後2,後3,後4,後5,後6
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。1後2,後3,後4,後5,後6
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。1後2,後3,後4,後5,後6
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。1後2,後3,後4,後5,後6
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。1前13
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3前14
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。3後6
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。3
物理化学実験熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。3

評価割合

試験課題テスト演習、実験レポートその他その他その他合計
総合評価割合52840000100
基礎的能力0000000
専門的能力52840000100
分野横断的能力0000000