物質化学演習Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物質化学演習Ⅱ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 千原・稲葉訳 アトキンス物理化学要論第6版 東京化学同人, 「基礎からわかる分析化学」加藤正直、塚原聡共著、森北出版/演習プリント
担当教員 髙原 茉莉

到達目標

1.物理量や定数の意味や単位を理解できる。
2.単位とその換算を理解できる。
3.理想気体と実在気体およびそれらの状態方程式を理解できる。
4.仕事や熱といったエネルギーの形態を理解できる。
5.内部エネルギーとエンタルピーを理解できる。
6.溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理量や定数の意味や単位を理解でき、応用できる。物理量や定数の意味や単位を理解できる。物理量や定数の意味や単位を理解できない。
評価項目2単位とその換算を理解でき、応用できる。単位とその換算を理解できる。単位とその換算を理解できない。
評価項目3理想気体と実在気体およびそれらの状態方程式を理解でき、応用できる。理想気体と実在気体およびそれらの状態方程式を理解できる。理想気体と実在気体およびそれらの状態方程式を理解できない。
評価項目4内部エネルギーとエンタルピーを理解でき、応用できる。内部エネルギーとエンタルピーをを理解できる。およびそれらの状内部エネルギーとエンタルピーをを理解できない。
評価項目5複雑な系においても溶解度・溶解度積に関する計算ができる。解度・溶解度積に関する基本的な計算ができる。溶解度・溶解度積について理解できず、必要な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 A① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 A② 自主的・継続的な学習を通じて、基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
この演習科目では、多くの化学系科目の基礎となる単元のうち、物理量を表現するための単位およびその換算、さまざまなエネルギーの形態に関する定義や物理的意味、気体の状態方程式、そして熱力学のもっともベースとなる内部エネルギーやエンタルピーについて、さまざまな演習問題を通して理解を深める。さらに分析化学の復習として、沈殿平衡に関する理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業時間の1~3割を前回の復習、2~3割を要点の解説、残りを演習問題の解答に充てる予定である。演習問題は授業時間と放課後学習ならびに自宅学習により完答する。演習の解答中は教員もしくは学友とのディスカッションを認める。基礎事項の復讐のため、定期的に自学自習用の課題を課し、これを課題点として評価する。
注意点:
物理で使用する微分、積分は各自で復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
さまざまな物理量と定数
さまざまな物理量や定数の意味、単位を理解できる。
2週 単位とその換算
さまざまなエネルギー
さまざまな単位系や単位の表記方法を理解し、基本的な単位換算ができる。
SI単位とそれ以外の単位系の換算ができる。
物理を基礎とするさまざまなエネルギーについて理解できる。
3週 気体の状態方程式
混合気体と分圧
さまざまな状態方程式を用いた計算ができる。
混合気体におけるドルトンの法則を理解し、全圧、分圧とモル分率の関係を理解できる。
4週 理想(完全)気体と実在気体
ファンデルワールスの状態方程式
理想(完全)気体と実在気体の相違を理解できる。
5週 仕事と熱、内部エネルギー
熱力学第一法則
仕事と熱の相違点、熱力学第一法則を理解できる。
内部エネルギーの定義や物理的意味を理解できる。
6週 エンタルピーと熱容量
エンタルピーの温度依存性
エンタルピーの定義や物理的意味を理解できる。
エンタルピーの温度依存性を理解できる。
7週 第1週から第6週の振り返り 第1週から第6週の振り返りを演習によって行い、理解度や知識の定着を自己点検する。
8週 中間試験 中間試験を実施し、知識の定着を確認する。
4thQ
9週 中間試験の解説
相転移のエンタルピー
中間試験の内容を理解する。
物理変化に伴う、相転移のエンタルピーを理解できる。
10週 燃焼エンタルピー 化学反応における燃焼エンタルピーを理解できる。
11週 沈殿平衡と溶解度積 沈殿平衡を理解し、溶解度積から難水溶性物質の溶解度を計算できる。
12週 分別沈殿 (1) 分別沈殿を理解し、溶解度積から定量的な分別沈殿が可能な沈殿剤の濃度範囲を計算できる。
13週 分別沈殿 (2) 分別沈殿を理解し、溶解度積から定量的な分別沈殿が可能な沈殿剤のpH範囲を計算できる。
14週 第9週から第14週の振り返り 第9週から第14週の振り返りを演習によって行い、理解度や知識の定着を自己点検する。
15週 定期試験 定期試験を実施し、知識の定着を確認する。
16週 定期試験の解説 定期試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
無機化学価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
水素結合について説明できる。4
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
分析化学酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。3
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。3
混合気体の分圧の計算ができる。3
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。3
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。3
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。3
エンタルピーの温度依存性を計算できる。3
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。3
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000