物質化学演習Ⅲ※

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物質化学演習Ⅲ※
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 演習 化学熱力学 渡辺啓著サイエンス社, アトキンス物理化学要論 Peter Atkins 著東京化学同人
担当教員 小畑 賢次

到達目標

1.気体の法則を理解して、完全気体の方程式を説明できる。
2.熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。
3.熱力学の第二・三法則の定義と適用方法を説明できる。
4.気体の等温, 定圧, 定容および断熱変化のΔU, W, Qを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体の法則を理解して、完全気体の方程式を説明でき、応用できる。気体の法則を理解して、完全気体の方程式を説明できる。気体の法則を理解して、完全気体の方程式を説明できない。
評価項目2熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明でき、応用できる。熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できない。
評価項目3熱力学の第二・三法則の定義と適用方法を説明でき、応用できる。熱力学の第二・三法則の定義と適用方法を説明できる。熱力学の第二・三法則の定義と適用方法を説明できない。
評価項目4気体の等温, 定圧, 定容および断熱変化のΔU, W, Qを計算でき、応用できる。気体の等温, 定圧, 定容および断熱変化のΔU, W, Qを計算できる。気体の等温, 定圧, 定容および断熱変化のΔU, W, Qを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
物理化学は化学に関する全専門科目の理論的基礎であり、「単位操作」や「反応工学」、「材料科学」、「生物工学」等の分野・科目の内容を十分理解するために必要である。本講義では、熱力学部分を中心に学習する。
授業の進め方・方法:
5,6 回の授業を1 セットとし、各セットで練習問題による演習と小試験を行う。
注意点:
3・4 年次の「物理化学Ⅰ・Ⅱ」が前提となるのは当然であるが、1 年次の「化学」、基礎的な「数学」、単位の取り扱い等に習熟しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 完全気体の法則と状態方程式 ・完全気体の状態方程式を記述し、それを用いた計算ができること。
2週 混合気体と分圧の法則 ・混合気体についてドルトンの法則や分圧・全圧の概念を理解し、それらに関する計算ができること。
3週 実在気体の挙動、気体分子運動論 ・実在気体の状態方程式を用いてその圧力等を計算できること。
4週 気体の仕事 ・系と外界の区別、代表的な系のタイプについて説明できること。
5週 内部エネルギー ・熱力学第一法則を言葉や文章、式で示せること。
・熱力学第一法則によって第一種永久機関が否定されることを説明できること。
6週 熱容量 ・熱容量(定圧、定積)の定義を説明でき、計算ができること。
7週 エンタルピー、反応エンタルピー ・エンタルピーの定義式が書け、その概念を把握できること。
8週 中間試験
4thQ
9週 断熱変化 ・完全気体の断熱不可逆体積変化における計算ができること。
10週 自発変化と不可逆変化 ・自発変化と非自発変化の存在を理解し、説明できること。
11週 自発変化と不可逆変化 ・自発変化(の方向)を物理化学的に理解できること。
12週 エントロピーの定義と意味 ・エントロピーの概念を理解し、熱力学第二法則を言葉や文章、式で示せること。
13週 エントロピーの定義と意味 ・エントロピー変化の定義(式)を示せること。
14週 エントロピーの計算 ・気体の体積変化、物質の温度変化や相変化における系のエントロピー変化を計算できること。
15週 エントロピーの計算 ・熱力学第三法則について言葉や文章、式で示せること。
16週 エントロピーの計算 ・物質の標準モルエントロピーから、化学反応のエントロピー変化を計算できること。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4後1
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4後2
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4後1,後3
混合気体の分圧の計算ができる。4
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4後4,後5,後6
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4後7
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4後7
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4後7
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4後5,後6
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4後14,後15
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合30000700100
基礎的能力0000000
専門的能力30000700100
分野横断的能力0000000