応用生物演習※

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用生物演習※
科目番号 0113 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 配布レポート
担当教員 井上 祐一

到達目標

動物細胞の培養方法について説明できる。
動物細胞培養を利用した生理活性物質の生産について説明できる。
生産手法や生物生産物の特徴について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1動物細胞の培養方法について正しく詳細に説明できる。動物細胞の培養方法について正しく説明できる。動物細胞の培養方法について説明できない。
評価項目2動物細胞培養を利用した生理活性物質の生産について正しく詳細に説明できる。動物細胞培養を利用した生理活性物質の生産について正しく説明できる。動物細胞培養を利用した生理活性物質の生産について説明できない。
評価項目3生産手法や生物生産物の特徴について複数の例をあげて説明できる。生産手法や生物生産物の特徴について1つ例をあげて説明できる。生産手法や生物生産物の特徴について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。

教育方法等

概要:
生物を利用した生理活性物質の生産を準備段階からバイオリアクターを用いた生産まで考慮して、事例を通して学習する。
授業の進め方・方法:
タンパク質生産の話が中心なので、生物化学、化学工学の基本をしっかり理解しておくこと。
注意点:
自学自習のために、授業内容に関係する課題レポートを課す。課題レポートはすべて提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 動物細胞による物質生産1 動物細胞の培養方法及び生理活性物質について説明できる。
2週 動物細胞による物質生産2 動物細胞培養の問題点と改善方法について説明できる。
3週 基本合成培地と添加因子 培地成分や添加因子の役割について説明できる。
4週 動物細胞培養におけるコンタミネーション 動物細胞培養におけるコンタミネーションについて説明できる。
5週 動物細胞培養用バイオリアクター バイオリアクターの種類や特徴について説明できる。
6週 動物細胞培養のスケールアップ スケールアップにおける問題点と改善方法について説明できる。
7週 バイオリアクターでのバイオ医薬品の生産例 動物細胞を使ってバイオリアクターシステムでバイオ医薬品を生産した例を説明できる。
8週 バイオシミラー バイオシミラーについて説明できる。
4thQ
9週 生理活性タンパク質の糖鎖 生理活性タンパク質の糖鎖の機能や役割について説明できる。
10週 高生産細胞株の作製技術1 遺伝子導入法の利点と欠点について説明できる。
11週 高生産細胞株の作製技術2 遺伝子発現抑制法やゲノム編集について説明できる。
12週 高生産細胞株の作製技術3 エピジェネティクスについて説明できる。
13週 高生産細胞株の作製技術4 iPS細胞の利点と欠点について説明できる。
14週 生産解析技術 蛍光タンパク質について説明できる。
15週 定期試験
16週 答案返却、解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4後10,後13
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後10,後12,後13
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4後10,後11
分化について説明できる。4後10
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4後10,後11
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4後1,後5
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4後1,後5
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4後1,後5
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4後1
生物化学単糖と多糖の生物機能を説明できる。4後3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4後3
脂質の機能を複数あげることができる。4後3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4後3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4後1
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4後3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4後3
タンパク質の高次構造について説明できる。4後1
ヌクレオチドの構造を説明できる。4後10
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後10
DNAの半保存的複製を説明できる。4後10
RNAの種類と働きを列記できる。4後10
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後10
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4後3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4後3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後3
解糖系の概要を説明できる。4後3
クエン酸回路の概要を説明できる。4後3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後3
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4後4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4後4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4後2,後4
微生物の育種方法について説明できる。4後2,後4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4後2,後4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題レポート合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000