到達目標
本科目は電気・電子計測に関する理論と電気・電子計測に必要な知識と技術を習得することについて下記の項目を目標とする。
評価項目1:計測の基本考え方と計測の分類法について理解し説明できる。
評価項目2:計測装置の精度と測定誤差及び測定データの基本処理について説明できる。
評価項目3:電気諸量の測定法及び測定上の注意点について説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 計測の基本考え方と計測の分類法について説明でき、それらの知識を実計測課題の解決に適用できる。 | 計測の基本考え方と計測の分類法について説明できる。 | 計測の基本考え方と計測の分類法について説明できない。 |
評価項目2 | 計測装置の精度と測定誤差及び測定データの基本処理について説明でき、それらの知識を実計測課題のデータ処理に適用できる。 | 計測装置の精度と測定誤差及び測定データの基本処理について説明できる。 | 計測装置の精度と測定誤差及び測定データの基本処理について説明できない。 |
評価項目3 | 電気諸量の測定法及び測定上の注意点について説明でき、それらの知識を電気・電子計測の実課題に適用できる。 | 電気諸量の測定法及び測定上の注意点について説明できる。 | 電気諸量の測定法及び測定上の注意点について説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
計測の技術は工業的な分野にとどまらず、日常のさまざまな場面で用いられている。本講義では、計測技術の基礎概念を紹介し、電気・電子計測技術を取り上げて講義を行う。
※実務との関係
この科目は企業で計測技術の研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、計測器と計測システムの構成と原理、計測技術などについて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業内容は教科書ベースで、関連知識や技術動向も紹介する。自学自習の効果を確認するために、科目内容と関連する課題でレポートの提出が求められる。また、計測技術の応用に関係するPBL課題も授業と並行に行う。計測の実践およびに計測データ処理の体験を各自の興味をもつ計測課題で実施し、日々の計測データを活かして処理を行い、理解を深める。原則、四半期ごとに提出するレポートが〆切まで未提出の場合、PBL取組点数とレポート点が0点となる。普段よりデータ計測の実施に注意してください。
注意点:
計測技術は複数分野を横断する総合的な技術体系で、制御と情報処理を行うために基礎となる技術です。本科目は、ディジタル技術検定(制御部門)と関連が深い。関連する基礎科目は3年次に開講される電気回路や電子回路であり、関連する項目を復習して受講することが望まれる。また、システムを組み合わせるインテグレーションという観点から4、5年次に開講される制御工学とも関連が深い。規定授業時間数:60単位時間。
【自学・自習について】
この科目は学修単位のため30時間相当の自学・自習が求められます。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
本講義の学習内容や目標、評価方法について理解する。
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2週 |
測定の基礎を学ぶ |
測定方法の分類、計測の構成と計測技術における考え方について理解できる。
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3週 |
測定データの処理(1) |
測定値の扱いについて、計測誤差と精度について理解できる。
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4週 |
測定データの処理(2) |
有効数値・誤差の伝播を考慮し測定値の処理について理解できる。
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5週 |
測定データの処理(3) |
有効数値・誤差の伝播を考慮し測定値の処理について理解できる。
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6週 |
単位と標準(1) |
国際単位(SI)系の基本を理解し、組立単位を把握できる。
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7週 |
単位と標準(2) |
計量標準、トレーサビリティと標準器の基本について理解できる。
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8週 |
中間試験 |
前期中間までの勉強内容をまとめ、計測基準と単位系の課題を実施、レポートを提出できる。
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2ndQ |
9週 |
電気信号の波形観測(1) |
アナログ指示計器とオシロスコープの動作原理について理解し、説明できる。
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10週 |
指示計器(1) |
可動コイル形直流計器及びに倍率器・分流器を用いた測定範囲の拡大について理解できる。
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11週 |
指示計器(2) |
交流電流・電圧計器について理解し、説明できる。
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12週 |
指示計器(3) |
指示計器による直流測定について理解し、説明できる。
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13週 |
指示計器(4) |
指示計器による直流測定について理解し、説明できる。
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14週 |
指示計器(5) |
指示計器による直流測定について理解し、説明できる。
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15週 |
前期定期試験 |
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16週 |
定期試験回答返却 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
指示計器(6) |
指示計器による直流測定について理解し、説明できる。
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2週 |
指示計器による交流測定(1) |
指示計器による交流測定について理解し、説明できる。
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3週 |
指示計器による交流測定(2) |
指示計器による交流測定について理解し、説明できる。
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4週 |
ディジタル計測(1) |
ディジタル計測器の仕組みについて理解し、説明できる。
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5週 |
ディジタル計測(2) |
ディジタル計測器の仕組みについて理解し、説明できる。
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6週 |
ディジタル計測(3) |
ディジタル計測器の仕組みについて理解し、説明できる。
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7週 |
電気信号の波形観測(2) |
オシロスコープで電気信号波形観測について理解し、説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
電気信号の波形観測(3) |
オシロスコープで電気信号波形観測について理解し、説明できる。
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10週 |
周波数・位相の測定、雑音(1) |
周波数・位相の測定及び計測における雑音の対処について理解し、説明できる。
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11週 |
周波数・位相の測定、雑音(2) |
周波数・位相の測定及び計測における雑音の対処について理解し、説明できる。
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12週 |
周波数・位相の測定、雑音(3) |
計測における雑音の対処について理解し、説明できる。
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13週 |
応用計測 |
LC共振回路の諸量測定について説明し、理解できる。
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14週 |
応用計測 |
LC共振回路の諸量測定について説明し、理解できる。
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15週 |
後期定期試験 |
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16週 |
定期試験回答返却 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術 | 工学実験技術 | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | 前1,前2,前13,前14,後9,後12,後14 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | 前2,前13,前14 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 前1,前2,前13,前14,後9,後14 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 4 | 前2,後9,後12,後14 |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | 前3,前4,後14 |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 4 | 前6,前7 |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 4 | 前9,前11,前12,前13 |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 4 | 前10,前11,前13,前14 |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12 |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | 前12,後4,後5 |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | 後6,後7 |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3 |
電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | 後3 |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | 後13 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 10 | 40 |
専門的能力 | 20 | 20 | 40 |
分野横断的能力 | 10 | 10 | 20 |