制御情報システム工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 制御情報システム工学実験Ⅱ
科目番号 CI1410 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 制御情報システム工学科4年次実験指導書(プリントもしくはPDFとして配布)
担当教員 博多 哲也,藤本 信一郎,永田 正伸,大塚 弘文,卜 楠,野尻 紘聖,嶋田 泰幸

到達目標

制御情報システム工学に関連する制御工学,計算機工学,電子工学,システムプログラミング,機械工学などの基礎項目について実験および報告書作成を通して,
1.実験内容を理解し,与えられた実験を遂行することができる.
2.実験実施後,報告書をきちんと作成することができる.
3.創造実験において,与えられた課題を基本的な組み込みシステムとして実現できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験原理・実験内容を理解し,実験機器を適切に扱い,率先して実験を遂行することができる実験内容を理解し,実験機器を適切に扱い,実験を遂行することができる.実験内容を理解しておらず,実験に参加しない
評価項目2実験レポートを過不足無く記載し,妥当な考察を作成することができている最低限整った実験内容・実験結果・考察など,実験レポートに必要な体裁を満たしている実験内容・実験結果・考察など,実験レポートに必要な体裁を満たしていない
評価項目3与えられた課題を基本的な組み込みシステムとして実現でき,適切な報告書を作成できる与えられた課題を基本的な組み込みシステムとして実現できる与えられた課題を基本的な組み込みシステムとして実現できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期には,制御情報システム工学の基礎となる制御工学、計算機工学、電子回路学、電気回路学などの基礎項目について実験を通して理解を深める。後期には,Raspberry Piを使って,組み込みシステムについて実験を行う.
授業の進め方・方法:
前期には,制御情報システム工学に関連する実験を班分けをしてローテーションにて行う.以下の基礎知識:(1)基礎となる数学法則と物理原理;(2)エレクトロニクスの要素技術;(3)情報通信の要素技術;(4)計算機の内部動作;を習得する。また,実験ごとに期限内での実験報告書の作成・提出を通して,論理的な記述力および計画遂行能力を養成する.
後期には,Raspberry Piを使って,組み込みシステムについて実験を行う.具体的には,LinuxやGPIOを使い方を学び,マインドストームと連携したシステムを作成する.
注意点:
レポートの提出期限は各テーマの実験終了1 週間後とする.期限以降に提出された場合,遅れた週の数に応じてレポート点を減点する.ただし,提出期限から4週間を過ぎると再実験を実施する.
本科目では全実験テーマで60点以上の評価を得ることが単位取得の条件です.60点をとれていない実験テーマがたとえ1テーマであっても,本実験では単位取得できませんので注意してください.
創造実験は一つの実験テーマですが,他の実験テーマと異なり,より長期の期間取り組み,グループ活動を通して創造性およびコミュニケーション能力を育成する実験のため,他の実験とは評価が違います.詳しくは創造実験第一回目に説明するので,必ず確認すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本科目の概要および目標,実験の際の安全対策など注意事項を理解し,説明できる.
2週 プログラミング実験① Script言語Pythonを用いたデータ解析, グラフ作成の自動化を行うことができる.
3週 プログラミング実験② 同上
4週 トランジスタ基本増幅回路①/マイコン基礎 CR 結合増幅回路を製作して入出力交流特性の測定を行う.
マイクロコンピュータのディジタルI/Oポートを使ってON/OFFの入出力を扱うことができる.
5週 トランジスタ基本増幅回路①/マイコン応用 CR 結合増幅回路を製作して入出力交流特性の測定を行う.
マイクロコンピュータのディジタルI/Oポートを使ってON/OFFの入出力を扱うことができる.
6週 マイコン基礎/トランジスタ基本増幅回路① CR 結合増幅回路を製作して入出力交流特性の測定を行う.
マイクロコンピュータのディジタルI/Oポートを使ってON/OFFの入出力を扱うことができる.
7週 マイコン応用/トランジスタ基本増幅回路② CR 結合増幅回路を製作して入出力交流特性の測定を行う.
マイクロコンピュータのディジタルI/Oポートを使ってON/OFFの入出力を扱うことができる.
8週 実験レポートの返却と指導 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
2ndQ
9週 制御系CAD(過渡応答) マイクロコンピュータについて,A/D,D/A変換を使ってアナログ電圧の入出力を行うことができる.
10週 制御系CAD(周波数応答) 制御系設計CAD であるMATLAB&SIMULINK を使用して数値シミュレーションを行う。微分方程式の数値シミュレーションによる解法や物理系シミュレーションの基礎を学習する。
11週 実験レポートの返却と指導 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
12週 フィルタ回路/信号解析 数値解析ソフトウェアMatlabを用いて,信号のノイズ除去などで信号解析の基本を理解し,説明できる.
抵抗,コンデンサなどの基本回路素子を用いてフィルタ回路を構築し,信号処理回路の基礎を理解し,説明できる.
13週 フィルタ回路/信号解析 抵抗,コンデンサなどの基本回路素子を用いてフィルタ回路を構築し,信号処理回路の基礎を理解し,説明できる.
14週 実験レポートの返却と指導 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
15週 創造実験(1) 創造実験ガイダンス
16週 実験レポートの返却と指導 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
後期
3rdQ
1週 創造実験(2) ラズベリーパイの仕様について理解し,説明できる.
2週 創造実験(3) ラズベリーパイに搭載されているLinuxの使い方について理解し,操作できる.
3週 創造実験(4) 同上
4週 創造実験(5) 同上
5週 創造実験(6) ラズベリーパイを使って,与えられた課題を解決することができる.
6週 創造実験(7) 同上
7週 創造実験(8) 同上
8週 創造実験(9) 同上
4thQ
9週 創造実験(10) 同上
10週 創造実験(11) 同上
11週 創造実験(12) 同上
12週 創造実験(13) 同上
13週 創造実験(14) 同上
14週 創造実験(15) 同上
15週 実験レポートの返却と指導 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
16週 卒業研究発表会聴講 5年生が行った卒業研究の概要を理解し,コメントを述べることができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野(実験・実習能力)電気・電子系分野(実験・実習能力)電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前1
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前1
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前1
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前1
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3前1
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3前1
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3前1
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3前1
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3前1
共振について、実験結果を考察できる。3前1
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前6
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前1
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前1
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前1
ディジタルICの使用方法を習得する。4前1
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2前1
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2前1
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2前1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2前1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2前1
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2前1
他者の意見を聞き合意形成することができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
合意形成のために会話を成立させることができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2前1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2前1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2前1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2前1
複数の情報を整理・構造化できる。2前1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2後5
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15
事実をもとに論理や考察を展開できる。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15
基盤的資質・能力自己理解自己理解周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前15,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
目標の実現に向けて計画ができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2前1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2前1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2前1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2前1
法令やルールを遵守した行動をとれる。2前1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2前1
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2前1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2前1
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2前1
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。2前1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2前1
創造性・デザイン能力創造性創造性工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1

評価割合

実験評価レポート評価合計
総合評価割合5050100
評価5050100