概要:
オペレーティングシステム(以下,OSと記す)はコンピュータを動かす上で最も基本的で必要不可欠なソフトウェアである.
3年次「コンピュータアーキテクチャ」,5年次「情報セキュリティ」に繋がる科目である.
授業の進め方・方法:
プロセスの処理形態とスケジューリング,排他制御や主記憶管理について学ぶ.
この授業では講義と演習を組み合わせながら進める.講義で学んだ知識や方法を演習によって確認し,理解を深める.プログラミングの学習環境として利用してきたUNIXなどのOSについて,そのコマンドの利用や動作確認なども含めた演習課題を通して,OSの機能や役割を学習する.
中間試験と定期試験および演習課題レポートにより評価する.
注意点:
本科目は2単位科目であり,規定授業時数は60時間である.
また,本科目は90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められる.
演習課題は授業時間中に終わらない場合は放課後等に各自進め,レポートの提出を含め滞りなく取り組んで欲しい.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オペレーティングシステムの概要
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オペレーティングシステムの概念や役割を説明できる.
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2週 |
プロセスの処理形態と状態(1)
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プロセスとその処理形態および,プロセスの処理方法として割り込み処理の種類,割り込み制御の流れについて説明できる.システムコールについて学ぶ.
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3週 |
プロセスの処理形態と状態(2)
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同上
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4週 |
UNIXシステム上での演習(1) |
主要なUNIXコマンドについてその利用ができ,動作を説明できる
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5週 |
UNIXシステム上での演習(2) |
同上
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6週 |
プロセスのスケジューリング(1) |
プロセスの状態とその状態遷移,プロセスのスケジューリングについて説明できる.UNIXのスケジューリングやプロセスの優先度の調整を行うことができる
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7週 |
プロセスのスケジューリング(2) |
同上
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8週 |
UNIXシステム上での演習(3) |
子プロセスの生成を用いたタイマープログラムを作成し,プロセス管理について学ぶ
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2ndQ |
9週 |
UNIXシステム上での演習(4) |
前週に同じ
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10週 |
前期中間試験 |
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11週 |
並行プロセス:排他制御(1) |
プロセスの競合・協調・干渉について学び,プロセス制御のために必要な排他制御と同期の仕組みについて説明できる.
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12週 |
並行プロセス:排他制御(2) |
前週に同じ
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13週 |
並行プロセス:セマフォ(1) |
セマフォによる排他制御の実装技術について学び,協調問題について理解しその挙動を説明できる.
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14週 |
並行プロセス:セマフォ(2) |
前週に同じ
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15週 |
定期試験 |
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16週 |
定期試験答案返却 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
並行プロセス:モニタ(1) |
オブジェクト指向の考え方を利用したモニタについて学び,モニタを利用した協調問題を理解し,説明できる.
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2週 |
並行プロセス:モニタ(2) |
前週に同じ
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3週 |
主記憶管理:基礎 |
主記憶管理の目的や管理手段の基礎手段を説明できる.
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4週 |
主記憶管理:領域割当(1) |
主記憶,仮想記憶の仕組みやオペレーティングシステムにおける領域割り当てについて理解し,説明できる.
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5週 |
主記憶管理:領域割当(2) |
前週に同じ
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6週 |
主記憶管理:ページング |
仮想記憶の管理方式の一つであるページングについて説明できる.
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7週 |
後期中間試験 |
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8週 |
後期期末試験の解説 主記憶管理:セグメンテーション(1) |
仮想記憶の管理方式の一つであるセグメンテーションについて説明できる.
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4thQ |
9週 |
主記憶管理:セグメンテーション(2) |
前週に同じ
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10週 |
主記憶管理:仮想記憶 |
仮想記憶の性能を左右するスワップ操作と影響について説明できる.
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11週 |
主記憶管理:ページ置き換え方式 |
静的置き換え,動的置き換えの方式を学び,主要な置き換え方式のアルゴリズムを説明できる.
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12週 |
UNIXシステム上での演習(5) |
モデルコンピュータの制作を通して,コンピュータの挙動を理解し,その上で動作するプログラムを作成することができる.
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13週 |
ファイル:基礎 |
ファイルによる二次記憶の管理について学び,アクセス方式や階層化,領域割当方式について説明できる
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14週 |
UNIXシステム上での演習(6) |
UNIXのファイルシステム,パス,モードなどについて説明でき,適切にファイルを保護することができる.
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15週 |
後期期末試験 |
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16週 |
後期期末試験の解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 4 | 前9,前10,後12,後14 |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 4 | 前4,前5,前9,前10,後12,後14 |
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。 | 4 | 前4,前5,前9,前10,後12,後14 |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。 | 4 | 前9,前10,後12,後14 |
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。 | 4 | 前9,前10,後12,後14 |
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。 | 4 | 前9,前10,後12,後14 |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。 | 4 | 前9,前10,後12,後14 |
コンピュータシステム | デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。 | 4 | 前1 |
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | 前1 |
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | 前1 |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2 |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14,後1,後2 |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |