到達目標
1. UNIXでの基本的なサーバ・クライアント設定、セキュリティ設定を行える。
2. サイバーセキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要なトピックについて説明できる。
3. 共通鍵暗号、公開鍵暗号の仕組みを説明できる。そして公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できる。
4. 認証の仕組みについて説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
ネットワーク設定 | UNIXを使って適切かつ効率良くサーバ設定、セキュリティ設定を行える。 | UNIXを使って適切に基本的なサーバ設定、セキュリティ設定を行える。 | UNIXを使って適切に基本的なサーバ設定、セキュリティ設定を行えない。 |
サイバーセキュリティ、特にネットワークセキュリティ | サイバーセキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要な事柄について深く理解し、説明できる。 | サイバーセキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要な事柄について概ね理解し、説明できる。 | サイバーセキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要な事柄を理解できない。 |
暗号技術 | 各種暗号技術の仕組みについて深く理解し、説明できる。そして公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できる。 | 各種暗号技術の仕組みについて概ね理解し、説明できる。そして公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できる。 | 各種暗号技術の仕組みを理解できない。公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できない。 |
認証技術 | 認証の仕組みについて深く理解し、説明できる。 | 認証の仕組みについて概ね理解し、説明できる。 | 認証の仕組みについて理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
ICTが社会基盤の一つになった現在、サイバーセキュリティの役割はますます重要になっている。サイバーセキュリティの知識はネットワーク運用をはじめとした様々な場面で必須であり、セキュリティ技術者の需要も増えている。サイバーセキュリティの分野は広く、本科目では教科書および演習によってその一部の事柄を学ぶ。本科目に関連の深い資格として「情報セキュリティマネジメント」がある。この科目は情報セキュリティ技術の知識・技術について学ぶ1単位の科目であり、30時間(15コマ)の授業に加えて15時間の自学が課せられる。
全15週のうち第14週の授業については、情報セキュリティを業務とする企業より講師を招聘し、業界の最新の知識・技術についての講義を受ける。
授業の進め方・方法:
授業は主に講義形式でOneNote class Notebookを用いて行う。また、時折演習を行う場合がある。演習場所や内容は適宜指示する。演習の成果は主にレポートで評価するが、進度に応じて小テストを行う場合がある。また定期試験については主に評点の低い学生を対象に別途再評価試験を行う場合がある。
注意点:
セキュリティに関する知識・技術は他者から自分を守るためのものだが、攻撃と防御は表裏一体であり、使い方を誤ると他者に迷惑をかける技術にもなり得る。そのため学習者は倫理観(情報モラル)を適切に備えていることが大前提である。万が一看過できないほどの倫理的な欠落が認められた場合、たとえ技術的な理解が十分であったとしても、評価に値しないと見做し厳しく減点する可能性がある。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
情報セキュリティの基礎 |
情報セキュリティの3要素、主要な脅威について説明できる。
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2週 |
ネットワーク、セキュリティ設定(1) |
基本的なネットワーク設定、セキュリティ設定を行える。
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3週 |
ネットワーク、セキュリティ設定(2) |
基本的なネットワーク設定、セキュリティ設定を行える。
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4週 |
ネットワークセキュリティとマルウェア対策(1) |
代表的な不正アクセスとその対策法について説明できる。
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5週 |
ネットワークセキュリティとマルウェア対策(2) |
マルウェアについて説明できる。
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6週 |
ネットワークセキュリティとマルウェア対策(3) |
ファイアウォールの仕組みを説明できる。
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7週 |
暗号技術(1) |
共通鍵暗号の概要、バーナム暗号の仕組みについて説明できる。
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8週 |
暗号技術(2) |
代表的な運用モードについて説明できる。
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4thQ |
9週 |
暗号技術(3) |
公開鍵暗号の仕組みについて説明できる。公開鍵と秘密鍵のペアを生成し、公開鍵暗号を使った暗号化・復号処理や遠隔ログインができる。
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10週 |
PKI |
PKIについて説明できる。
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11週 |
認証技術 |
主な認証技術について説明できる。
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12週 |
ログ解析(1) |
webやメールなどの代表的なログを読み解くことができる。
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13週 |
ログ解析(2) |
webやメールなどの代表的なログを読み解くことができる。
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14週 |
セキュリティの動向 |
近年のセキュリティの動向について把握できている。
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15週 |
定期試験
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これまで学習した事柄についての理解が定着できている。
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16週 |
定期試験答案返却 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。 | 3 | 後1 |
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。 | 3 | 後1 |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している | 3 | 後1 |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。 | 3 | 後1 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報通信ネットワーク | 基本的なフィルタリング技術について説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
その他の学習内容 | コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
基本的な暗号化技術について説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
基本的なアクセス制御技術について説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
評価割合
| 試験 | 小テスト・報告書・演習 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 60 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 30 | 50 |
専門的能力 | 20 | 30 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |