情報ネットワーク

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 情報ネットワーク
科目番号 HI408 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 竹下隆史、他、「マスタリングTCP/IP入門編」、オーム社
担当教員 藤井 慶

到達目標

1. TCP/IP階層モデルの全体構成や特徴を理解できる。TCP/IP階層モデルのうちデータリンク層(ネットワークインタフェース層)の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。
2. TCP/IP階層モデルのうちネットワーク層(インターネット層)の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。
3. TCP/IP階層モデルのうちトランスポート層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。
4. TCP/IP階層モデルのうちアプリケーション層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。ソケットプログラミングを用いて指定された通信を行うクライアントとサーバをソケットプログラミングを用いて実装できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 通信の階層モデルとデータリンク層TCP/IP階層モデルの全体構成や特徴を理解できる。 データリンク層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。TCP/IP階層モデルの全体構成や特徴を概ね理解できる。 データリンク層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について概ね理解できるTCP/IP階層モデルの全体構成や特徴を理解できない。 データリンク層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解できない。
2. ネットワーク層ネットワーク層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。ネットワーク層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について概ね理解できるネットワーク層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解できない。
3. トランスポート層トランスポート層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。トランスポート層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について概ね理解できるトランスポート層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解できない。
4. アプリケーション層とソケットプログラミングアプリケーション層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解し、各々の必要性を理解できる。 通信内容を自分で設計し、その通信を行うクライアントとサーバをソケットプログラミングを用いて実装できる。アプリケーション層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について概ね理解できる 指定された通信を行うクライアントとサーバをソケットプログラミングを用いて実装できる。アプリケーション層の役割、主要プロトコル、通信に必要な各種手法について理解できない。 指定された通信を行うクライアントとサーバを実装できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計算機ネットワークの仕組みとして現在最も普及しているTCP/IPの階層モデルの概念や主要プロトコルについて講義する。授業進度に応じて適宜小テストまたは演習を行う。またUNIX/Windowsにおけるネットワーク関係のコマンドや設定、プロトコルに基づく通信について適宜演習を行う。
授業の進め方・方法:
座学が中心であるが、適宜演習を行う。特に後期期末ではソケットプログラミングに関する演習を中心に講義する。
注意点:
定期試験70%、レポートまたは小テスト30%を総合して評価する。年度末において各四半期の評価の平均を求め、60%以上の得点率で合格とみなす。
教科書に沿って授業を進めるが、教科書に無い事柄も取り扱うため講義をよく聞く必要がある。逆に教科書に記載されている事柄を省略することもあるため、興味のある学生は教科書を熟読することが望ましい。
本科目は2単位学修単位であり、規定授業時数は60時間である。自学自習の時間(年間に30時間)ではネットワーク関係のコマンドや設定、プロトコルに関わる演習および報告書作成、ソケットプログラミングに関わる演習および報告書作成などを行う。
本科目の内容は情報処理技術者試験と関連が深く基本情報処理技術者、応用情報処理技術者の一部に相当する。これらの資格試験は年2回実施され、就職に有利に働くこともあるので積極的に取得して欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ネットワークの基礎(1) ネットワークの歴史を説明できる。
2週 ネットワークの基礎(2) OSI参照モデル、TCP/IP階層モデルの全体構成を理解し説明できる。
3週 ネットワークの基礎(3) 種々のネットワーク構成要素の名称と概要を説明できる。
4週 データリンク層(1) データリンク層の役割、種類、基本的な仕組みを理解し説明できる。
5週 データリンク層(2): イーサネット データリンク層の役割、種類、基本的な仕組みを理解し説明できる。イーサネットの基本的な仕組みを理解しMACアドレスの構成について説明できる。
6週 データリンク層(3): イーサネット、トークンリング イーサネットのフレーム構成やプリアンブルについて説明できる。トークンリングの仕組みや特徴について説明できる。
7週 データリンク層(4): 無線LAN 代表的な無線LAN規格とセキュリティ上の問題について説明できる。
8週 中間試験 これまでに学修した事柄を正しく理解し説明できる。
2ndQ
9週 ネットワーク層(1) ネットワーク層の役割、パケットの構造、主要プロトコルについて理解し説明できる。
10週 ネットワーク層(2):IP IPアドレスの構成について理解し、ネットマスク、ブロードキャストアドレス、ネットワークアドレスを計算できる。
11週 ネットワーク層(3):IP CIDR、プレフィックスについて説明できる。経路制御について説明できる。
12週 ネットワーク層(4):IP パケットの分割、経路MTU探索について説明できる。
13週 ネットワーク層(5):ARP、ICMP ARP、ICMPの役割や仕組みについて説明できる。
14週 トランスポート層(1) トランスポート層の役割、主要プロトコル(TCP、UDP)の特徴、ポート番号の構成について説明できる。
15週 トランスポート層(2):TCP TCPの特徴について説明できる。
16週 定期試験答案返却
後期
3rdQ
1週 トランスポート層(3):TCP TCPの特徴について説明できる。ウィンドウ制御について説明できる。
2週 トランスポート層(4):TCP フロー制御について説明できる。
3週 トランスポート層(5):TCP ふくそう制御について理解し説明できる。
4週 アプリケーション層(1) アプリケーション層の役割について説明できる。
5週 アプリケーション層(2) DNSの仕組みについて説明できる。手動で名前解決を行える。
6週 アプリケーション層(3) TELNET、SSHの仕組みと特徴について説明できる。
7週 アプリケーション層(4) FTP、HTTPの仕組みと特徴について説明できる。SMTPの仕組みと特徴について説明できる。
8週 中間試験 これまでに学修した事柄を正しく理解し説明できる。
4thQ
9週 セキュリティ(1) 共通鍵暗号と公開鍵暗号の特徴と仕組みについて説明できる。
10週 セキュリティ(2) 電子署名の役割と仕組みについて説明できる。
11週 ネットワークプログラミング(1) 所定の通信を行うクライアントプログラムを実装できる。
12週 ネットワークプログラミング(2) 所定の通信を行うクライアントプログラムを実装できる。
13週 ネットワークプログラミング(3) 所定の通信を行うサーバプログラムを実装できる。
14週 ネットワークプログラミング(4) 所定の通信を行うサーバプログラムを実装できる。
15週 ネットワークプログラミング(5) 複数のクライアントからの同時接続に対応したサーバプログラムを実装できる。
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。2
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。2
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。2
インターネットの概念を説明できる。2
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。2
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。3

評価割合

定期試験報告書合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000