統計解析

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 統計解析
科目番号 HI501 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 勝野恵子ほか「EXCELによるメディカル/コ・メディカル統計入門」共立出版 村上純ほか「統計ソフトRによるデータ活用入門」日新出版 村上純ほか「統計ソフトRによる多次元データ処理入門」日新出版
担当教員 村上 純

到達目標

1.確率の基礎について理解する。
2.確率分布の意味を理解し、利用することができる。
3.相関について理解し、相関係数を用いたデータの分析ができる。
4.推定について理解し、点推定や区間推定を行うことができる。
5.統計的仮説検定について理解し、実際の問題に適用することができる。
6.一元配置および二元配置分散分析について理解し、実際の問題に適用することができる。
7.エクセルやRを用いたデータ処理を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
確率と確率分布・加法定理、条件付確率、ベルヌイ試行などの確率の考え方を詳しく理解し説明ができ、練習問題を正しく解くことができる。 ・確率分布の考え方を詳しく理解し説明ができ、代表的な確率分布に関する問題について、平均と分散の計算を正しく行うことができる。・加法定理、条件付確率、ベルヌイ試行などの確率の考え方が理解でき、練習問題を解くことができる。 ・確率分布の考え方が理解でき、代表的な確率分布に関する問題について、平均と分散の計算をすることができる。・加法定理、条件付確率、ベルヌイ試行などの確率の考え方が理解できず、練習問題も解くことができない。 ・確率分布の考え方が理解できず、代表的な確率分布に関する問題について、平均と分散の計算をすることができない。
相関と回帰直線 相関と回帰直線の考え方を詳しく理解し説明ができ、練習問題を正しく解くことができる。さらに、実際にR言語で計算を正確に行うことができる。相関と回帰直線の考え方が理解でき、練習問題を解くことができる。さらに、実際にR言語で計算を行うことができる。相関と回帰直線の考え方が理解できず、練習問題も解くことができない。また、実際にR言語で計算を行うことができない。
点推定および区間推定点推定と区間推定の考え方を詳しく理解し説明ができ、練習問題を正しく解くことができる。点推定と区間推定の考え方が理解でき、練習問題を解くことができる。点推定と区間推定の考え方が理解できず、練習問題も解くことができない。
統計的仮説検定 統計的仮説検定の考え方を詳しく理解し説明ができ、平均値、比率、適合性、独立性、分散の検定を正しく行うことができる。さらに、実際にR言語で計算を正確に行うことができる。 統計的仮説検定の考え方が理解でき、平均値、比率、適合性、独立性、分散の検定を行うことができる。さらに、実際にR言語で計算を行うことができる。 統計的仮説検定の考え方が理解できず、平均値、比率、適合性、独立性、分散の検定を行うことができない。また、実際にR言語で計算を行うことができない。
エクセルやRによるデータ処理 エクセルやRで簡単な計算から、グラフ作成、回帰分析や検定までも正しく行うことができる。 エクセルやRで簡単な計算から、グラフ作成、回帰分析や検定などのデータ処理をほぼ行うことができる。 統計的仮説検定の考え方が理解できず、平均値、比率、適合性、独立性、分散の検定を行うことができない。また、実際にR言語で計算を行うことができない。
分散分析一元配置および二元配置分散分析の考え方を詳しく理解し説明ができ、分析を正しく行うことができる。さらに、実際にR言語で計算を正確に行うことができる。一元配置および二元配置分散分析の考え方が理解でき、分析を行うことができる。さらに、実際にR言語で計算を行うことができる。 一元配置および二元配置分散分析の考え方が理解できず、分析を行うことができない。さらに、実際にR言語で計算を行うこともできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 インターネットの普及により大量のデータが容易に収集され、利用される時代になっている。また電子データとしてコンピュータやハードディスクに蓄えられたデータもどんどん増加する。このような状況下において、データを分析・解析して、要約したり、推測や予測を行ったリする統計手法が非常に重要になってきている。この科目では、データの処理から統計解析までについて扱う。
授業の進め方・方法:
 4年生までに学んできた数学の知識をもとに、確率分布や統計分析を行う手法を学ぶ科目である。システム工学や情報理論などの分野とも関連する。授業ではエクセルやRを用いるので、情報工学実験や情報リテラシーで学んだ知識も必要である。
 授業は座学が中心であるが、適宜パソコンによる演習も行う。演習の際はレポートを提出する必要があり、6割以上の得点で合格とする。演習レポートの提出期限は課題提示と同時に示し、期限に遅れて提出されたレポートの評価点は0点とする。自学学習用として課題が出された場合の演習レポートについてもレポート点として評価する。
注意点:
 教科書や指定した参考書をよく読み、説明をよく聞くことが大事である。与えられた演習課題は必ず各自で実施し、理解すること。パソコン演習では、理解と興味を深めること。
 色々な分野において利用できる手法なので、よく理解し、演習で身につけてほしい。
 規定授業時数は60時間である。本科目はレポート課題作成等のため放課後・家庭で60時間の自学自習が求められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、資料の整理1(基本統計量) 基本統計量の意味が理解でき、計算ができる。
2週 資料の整理2(ヒストグラム) 度数分布表とヒストグラムの意味が理解でき、エクセルかRで作成することができる。
3週 確率の基礎1(標本空間と事象の確率) 標本空間と事象の確率の概念について理解でき、練習問題が解ける。
4週 確率の基礎2(加法定理と乗法定理) 加法定理と乗法定理の考え方が理解でき、練習問題が解ける。
5週 確率の基礎3(ベルヌイ試行) ベルヌイ試行の考え方が理解でき、練習問題が解ける。
6週 確率分布1(確率変数と確率分布) 確率変数と確率分布について理解し、練習問題を解くことができる。
7週 確率分布2(期待値) 期待値について理解し、練習問題を解くことができる。
8週 確率分布3(分散) 分散の意味や求め方を理解し、練習問題を解くことができる。
2ndQ
9週 確率分布4(チェビシェフの不等式、標準化) チェビシェフの不等式およびデータの標準化について理解し、練習問題を解くことができる。
10週 チェビシェフの不等式および代表的な確率分布1(2項分布) 2項分布と大数の法則について理解し、練習問題を解くことができる。
11週 代表的な確率分布2(正規分布) 正規分布および2項分布の正規分布近似、中心極限定理について理解し、練習問題を解くことができる。
12週 代表的な確率分布3(ポアソン分布) ポアソン分布について理解し、練習問題を解くことができる。
13週 相関1(共分散と相関係数) 共分散および相関係数の意味と求め方を理解し、練習問題が解けるとともに、実際にエクセルやRで計算することができる。
14週 相関2(回帰直線) 回帰直線の意味と求め方について理解し、実際にRを用いて求めることができる。
15週 定期試験
16週 答案返却および回答
後期
3rdQ
1週 相関3(順位相関係数) スピアマンとケンドールの順位相関係数の考え方が理解でき、練習問題を解くことができる。
2週 標本抽出1(母集団と標本抽出) 母集団と標本抽出の考え方が理解でき、練習問題を解くことができる。
3週 標本抽出2(カイ2乗分布、t分布、F分布) カイ2乗分布、t分布、F分布の意味と求め方が理解でき、実際に求めることができる。
4週 推定1(点推定と区間推定) 点推定と区間推定の考え方や意味が理解でき、練習問題を解くことができる。
5週 推定2(母平均の区間推定) 母平均の区間推定ができる。
6週 仮説検定1(仮説検定の考え方) 仮説検定の意味や考え方について理解できる。
7週 仮説検定2(平均値の検定) 平均値の検定について理解し、実際に検定ができる。
8週 仮説検定3(比率の検定) 比率の検定について理解し、実際に検定ができる。
4thQ
9週 仮説検定4(カイ2乗検定) カイ2乗検定について理解し、実際に検定ができる。
10週 仮説検定5(平均の差の検定) 平均値の差の検定について理解し、実際に検定ができる。
11週 仮説検定6(分散の検定) 分散の検定について理解し、実際に検定ができる。
12週 仮説検定7(多群検定) 多群検定について理解し、実際に検定ができる。
13週 分散分析1(一元配置) 一元配置分散分析について理解し、実際に分析ができる。
14週 分散分析(二元配置) 二元配置分散分析について理解し、実際に分析ができる。
15週 定期試験
16週 答案返却および回答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。2前3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力2500001035
専門的能力2500001035
分野横断的能力2000001030