計測工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「計測工学」小坂学,岡田志麻共著,コロナ社.演習プリント
担当教員 湯治 準一郎

到達目標

1.測定の定義と種類を説明できる.
2.国際単位系の構成を理解し,基本単位,組立単位,標準,トレーサビリティを説明できる.
3.測定誤差の原因と種類,精度と不確かさを説明できる.
4.代表的な物理量の測定法と計測機器を説明できる.
5.電気諸量の測定法および測定上の注意点について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1測定の定義と種類について,具体例を示しながら,それぞれの特徴を詳しく説明できる.測定の定義と種類を説明できる.測定の定義と種類を説明できない.
評価項目2国際単位系の構成,基本単位,組立単位,計測標準とトレーサビリティの関係を説明できる.国際単位系の構成,基本単位,組立単位,接頭語を説明できる.国際単位系の構成,基本単位,組立単位,接頭語を説明できない.
評価項目3測定誤差の原因と種類,精度と不確かさを説明でき,具体的な不確かさ評価ができる.測定誤差の原因と種類,精度と不確かさを説明できる.測定誤差の原因と種類,精度と不確かさを説明できない.
評価項目4代表的な物理量の測定方法と計測機器および測定上の注意点を説明できる.代表的な物理量の測定方法と計測機器を説明できる.代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できない.
評価項目5電気諸量の測定方法と計測機器および測定上の注意点を説明できる.電気諸量の測定方法と計測機器を説明できる.電気諸量の測定法および測定上の注意点について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 計測とは,国際的に認知されたルールに従い,対象に関する情報を量的に捕らえ,それを活用することである.科学技術の発展には不可欠な技術であり,この計測によって人々はある事柄に対して共通の理解と認識を得ることができる.
 本科目では,計測全般に共通な基礎的事項である単位と標準,測定データの統計的処理,計測のための電子回路,機械系および電気電子系に関係する物理量の測定方法の習得を目的とする.
授業の進め方・方法:
 教科書および演習プリントを用いた講義形式で行う.演習を多く取り入れ,学んだことを実験や実習に活用できるようにする.
 
注意点:
計算を行う授業では,関数電卓を準備すること.
計測用語については,英語表記も覚えていくこと.
演習は必ず自分の手を使って解いてみること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
測定の定義と種類
測定の定義と種類を説明できる.
2週 国際単位系(SI)の仕組み SIの構成を理解し,基本単位,組立単位,接頭語を説明できる.
3週 標準の供給体系とトレーサビリティ 標準の供給とトレーサビリティを説明できる.
4週 測定誤差,系統誤差
誤差とその原因(種類)を説明できる.
5週 有効数字と誤差の伝播 有効数字・誤差の伝播を考慮した計測値の処理ができる.
6週 偶然誤差の統計的性質 正確さと精密さを説明できる.
7週 正規分布,標準偏差 ばらつきの程度を数量的に表すことができる.
8週 [前期中間試験] 中間試験
2ndQ
9週 答案返却と解説
答案返却と解説
10週 最小二乗法 最小二乗法の原理を説明できる.
11週 最小二乗法 最小二乗法を用いて一次式で表される実験式を導出できる.
12週 不確かさ評価 不確かさと誤差の考え方の違い,不確かさの種類を説明できる.
13週 不確かさ評価 標準不確かさ(Aタイプ,Bタイプ),合成不確かさ,拡張不確かさを求めることができる.
14週 総合演習 具体的な測定例を用いた演習問題を解くことができる.
15週 [前期末試験] 期末試験
16週 答案返却と解説 答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 計測用電子回路 オペアンプの基本的な動作および増幅回路を説明できる.
2週 計測用電子回路 オペアンプを用いた演算回路を説明できる.
3週 計測用電子回路 A/D変換を用いたデジタル計器の原理について説明できる.
4週 距離,変位の測定 距離・変位測定の原理と測定方法を説明できる.
5週 ひずみの測定 ひずみゲージとロードセル(力測定)の原理を説明できる.
6週 温度の測定 熱伝対,測温抵抗体,サーミスタ等の原理と温度の測定方法を説明できる.
7週 総合演習 機械系物理量に関する計測原理,測定方法の演習問題を解くことができる.
8週 [後期中間試験] 中間試験
4thQ
9週 答案返却と解説
答案返却と解説
10週 電流,電圧の測定 指示計器の動作原理と分流器,倍率器を用いた測定範囲の拡大方法について説明できる.
11週 抵抗,インピーダンスの測定 電圧降下法による抵抗測定方法,ブリッジ回路によるインピーダンス測定方法を説明できる.
12週 電力,電力量の測定 有効電力,無効電力,力率,電力量の測定原理を説明できる.
13週 波形の測定 オシロスコープの動作原理を説明できる.
14週 総合演習 電気諸量に関する計測原理,測定方法についての演習問題を解くことができる.
15週 [学年年末試験] 学年末試験
16週 答案返却と解説 答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4前1
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4前4,前5,前6,前7,前12,前13,前14
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4後4,後5,後6,後7
電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3前3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3後10,後14
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3後10,後14
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3後1,後2,後3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3後11,後14
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3後5,後11,後14
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3後12,後14
電力量の測定原理を説明できる。3後12,後14
オシロスコープの動作原理を説明できる。3後13,後14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力5010000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000