電気電子回路IIA

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気電子回路IIA
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書「図でよくわかる電子回路」田丸雅夫 コロナ社,参考書「最新電子工学概論」相川,石田,橋口 コロナ社
担当教員 木場 信一郎

到達目標

1. 真性半導体と不純物半導体を説明できる.
2. 半導体のエネルギーバンド図を説明できる.
3. PN接合の構造を理解し,ダイオードの特徴を説明できる.
4. バイポーラトランジスタ,FETの特徴と等価回路を説明できる.
5. 利得,周波数帯域,入出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる.
6. トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
真性半導体と不純物半導体を説明できる.真性半導体の不純物半導体の構造や特徴,電流の流れ方を説明できる.真性半導体と不純物半導体の構造や特徴を説明できる.真性半導体と不純物半導体の構造や特徴を説明できない.
半導体のエネルギーバンド図を説明できる.真性半導体と不純物半導体のエネルギーバンド図を示し,キャリアの移動についても考察できる.真性半導体と不純物半導体のエネルギーバンド図を示すことができる.真性半導体と不純物半導体のエネルギーバンド図を示すことができない.
PN接合の構造を理解し,ダイオードの特徴を説明できる.PN接合の構造を理解し,ダイオードの動作と電圧ー電流特性を説明できる.ダイオードの動作と電圧ー電流特性を説明できる.ダイオードの動作と電圧ー電流特性を説明できない.
バイポーラトランジスタ,FETの特徴と等価回路を説明できる.バイポーラトランジスタ,FETの特徴を示し,等価回路を用いて特性を求めることができる.バイポーラトランジスタ,FETの特徴と等価回路を示すことができる.バイポーラトランジスタ,FETの特徴と等価回路を示すことができない.
利得,周波数帯域,入出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる.利得,周波数帯域,入出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項の説明と計算ができる.利得,周波数帯域,入出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる.利得,周波数帯域,入出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できない.
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる.トランジスタ増幅器の各種バイアス回路の特徴を示し,バイアス回路を設計できる.トランジスタ増幅器の各種バイアス回路の特徴を説明できる.トランジスタ増幅器の各種バイアス回路の特徴を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路は身の回りのありとあらゆるところで利用されている.機械分野においても,半導体工学,電気電子回路の基礎的な知識を有することは,技術者として必須の条件である.本科目では,半導体素子とその電子回路応用について電子回路素子,増幅回路の基礎的事項の習得を目的とする.
授業の進め方・方法:
授業は,パワーポイントを用いた講義資料により講義形式で行う.電気電子回路への活用のために必要な半導体素子の基本的な理解の助けとなる図や事例の解説を多く取り入れることにより,学んだことを実験や実習に活用できるようにする.演習については、テキストを演習書として位置付けて活用する.適宜に講義の中で示す問いかけや課題への取り組みもこれに加える.
注意点:
〇自学について
(事前学習)
毎回,次回の講義の内容の予告を行うので,その概要を事前に確認しておく.
(事後学習)
この授業は,事後学習を中心とした進め方を想定している.授業後は関連する内容や背景等を調べ広く知識を蓄えると共に,授業で実施した内容がいろいろな場面で活用できるように定着を図る.Web Classによって配布される講義資料は,いつでも活用できるようにダウンロードするなど各自が整理保管し学習に活用する.
〇成績評価は,中間試験及び期末試験の2回の評価の平均で行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 電気回路と電子回路の特徴と相違点,電子回路の応用分野について理解できる.
2週 真性半導体と不純物半導体 電子と原子,原子模型を基本にして,真性半導体と不純物半導体を説明することができる。
3週 固体中の電子とエネルギーバンド 結晶、エネルギーバンドの形成を理解し、金属,半導体,絶縁体のエネルギーバンド図を説明することができる。
4週 PN接合とキャリアの移動 PN接合の構造とキャリアの移動を説明することができる.
5週 ダイオードの構造と働き ダイオードの構造と働きを理解し,電圧ー電流特性を説明することができる.
6週 バイポーラトランジスタの構造と働き トランジスタの構造と働きを理解し,電流ー電圧特性を説明することができる.
7週 FETの構造と働き
接合型,MOS型FETの構造と働きを理解し,電流ー電圧特性を説明することができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験の復習・説明
10週 増幅の原理と回路構成 増幅の原理を理解し,トランジスタを用いた増幅回路の構成を説明することができる。
11週 増幅回路の動作 直流負荷線,交流負荷線,増幅度(利得)を求めることができる.
12週 バイポーラトランジスタの等価回路(hパラメータ) hパラメータを用いてトランジスタの等価回路を示し,増幅度や入出力インピーダンスを求めることができる.
13週 バイポーラトランジスタ増幅回路のバイアス回路 バイポーラトランジスタ増幅回路のバイアス特性を説明できる.
14週 バイポーラトランジスタ増幅回路の小信号動作 hパラメータを用いて小信号増幅回路の動作を説明することができる。
15週 増幅回路の特性変化 増幅回路の周波数帯域,出力波形のひずみを説明することができる。
16週 前期期期末試験の返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前5
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前6,前12
FETの特徴と等価回路を説明できる。3前7
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前10,前11,前15
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前10,前11,前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000